マリナーズ捕手ローリー、自己最多3発で通算17号
現地8月24日、マリナーズ本拠地シアトルでのフィリーズ戦。カル・ローリーが自己初となる1試合3本塁打を放ち、通算17号に到達した。試合はマリナーズが9-2で快勝し、9連勝中だったフィリーズの勢いを止めた。ワイルドカード争いで踏みとどまった一戦の中身を、DiamondStatsが独自にデータで検証する。
3発の中身をデータで見る
3本すべて、スイッチヒッターのローリーが左打席から右翼方向へ引っ張った一発だった。以下の画像と表は、MLB公式の一球速報およびMLB公式試合映像に記録された打席結果をもとにDiamondStatsが整理した。

カル・ローリーの3本塁打の内訳(出典:MLB公式の一球速報、MLB公式試合映像。DiamondStats作成)
| 号数 | イニング | 投手 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 15号 | 1回1死 | ウィーラー | 2ラン(高め直球) |
| 16号 | 5回先頭打者 | ウィーラー | ソロ(カットボール・右中間) |
| 17号 | 7回1死 | シュガート | ソロ(カットボール・右翼最前列) |
打点換算では2+1+1の4打点。チームがこの試合で挙げた9得点のうち、ローリーの本塁打による得点は44.4%(4÷9)を占めた。
通算17号までの軌跡、1年前との落差
8月24日現在のローリーの今季成績は次の通り。数値はMLB公式Statsの選手ページに掲載された同日終了時点の成績に基づく。
| 指標 | 数値(8月24日現在) |
|---|---|
| 本塁打 | 17本 |
| 打率 | .167 |
| 打点 | 51 |
| 出塁率 | .282 |
| OPS | .618 |
ちょうど1年前の同じ8月24日、ローリーは捕手としてのシーズン最多本塁打記録を更新する48号、49号を放っていた。翌25日には50号へ到達し、最終的に2025年シーズンを60本塁打で終えた。MLB公式Statsによる2025年の最終成績は打率.247、60本塁打、125打点、出塁率.359、OPS.948。60本塁打は主に捕手として出場した選手のシーズン最多記録で、MLB全体でも同年最多だった。
今季は打率.167と苦しみが続き、同じ日付で比べると本塁打数はおよそ3分の1にとどまる。報道でも今季ここまで大不振に苦しんできたと伝えられていた中で出た一発が、今回の3本塁打だった。今季のローリーの不振については、DiamondStatsの2026年カル・ローリー不振のデータ検証記事でも詳しく取り上げている。
ただし、1試合3本塁打は復調の兆候を考える材料にはなっても、1試合だけで長期的な回復を断定できるサンプルではない。今後は打率やOPSに加え、三振率、打球速度、バレル率などが複数試合で改善するかも確認する必要がある。
ワイルドカード争いを独自試算
マリナーズはこの試合を含めて63勝69敗。ワイルドカード圏までは3.0ゲーム差で、比較対象としてオリオールズは61勝67敗となっている。チーム成績とゲーム差はMLB公式の順位表の8月24日終了時点を参照した。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| マリナーズ | 63勝69敗 |
| 比較対象(オリオールズ) | 61勝67敗 |
| ワイルドカード圏までのゲーム差 | 3.0 |
| 両球団の残り試合数(目安) | 約30試合 |
ダイヤモンドスタッツ独自の試算では、残り試合を30試合と仮定し、比較対象が15勝15敗で終えるケースを設定した。その場合、マリナーズが3.0ゲーム差を埋める目安は18勝12敗(勝率.600)となる。これは同率到達の可能性を把握するための単純試算であり、実際の順位は各球団の消化試合数、直接対決、他の競合球団の成績、ポストシーズン進出時のタイブレークによって変動する。ローリーの一発攻勢が、その貯金作りの起点になれるかが9月にかけての焦点になる。
マリナーズ捕手史に刻まれた快挙
今回の3本塁打は、本塁打の本数以上に球団史の観点で価値がある一発だった。MLB公式の試合記事によると、マリナーズの1試合3本塁打はローリーで球団史13人目。捕手でこの記録を達成したのは、1996年4月11日のタイガース戦で3発を放ったダン・ウィルソン以来2人目となる。ウィルソンは2024年8月からマリナーズの監督を務めており、かつて自分と同じ記録を作った後輩捕手を、今回はベンチから見守った形になった。1試合3本塁打という記録では、ブレグマンの3本塁打7打点も記憶に新しい。
DiamondStats編集部の独自視点!
数字だけ見れば、通算17本というローリーの今季成績は地味な位置にとどまっている。それでも球団の捕手史に名を刻んだという事実は、今季の苦しさをいったん脇に置いてもいい理由になる。フィリーズの9連勝を止めた一戦で、しかもかつて同じ記録を作った指揮官の前で結果を出したという巡り合わせも面白い。
ワイルドカード争いは依然として上り坂だが、打撃不振の主砲が一度スイッチが入ると止まらないタイプであることは、MLB最多かつ捕手としてのシーズン記録となる60本塁打を放った2025年に証明済みだ。一方、今回の3発だけで復活と結論づけるのは早い。9月に向けて、この一発が単発で終わるのか、それとも巻き返しの号砲になるのか。DiamondStats編集部はローリーの一振り一振りを追い続ける。
よくある質問
Q. カル・ローリーが1試合3本塁打を打ったのはいつ?
2026年8月24日(現地)、本拠地シアトルでのフィリーズ戦。MLB公式Gamedayによると、自己初の1試合3本塁打で、今季通算17号に到達した。
Q. ローリーの今季成績はどれくらい落ち込んでいる?
MLB公式Statsの8月24日終了時点で打率.167、17本塁打、51打点、OPS.618。打率.247、60本塁打、125打点、OPS.948を記録した2025年と比べ、本塁打とOPSは大幅にペースダウンしている。
Q. ローリーは本当に昨季60本塁打を記録した?
記録している。MLB公式Statsによると、ローリーは2025年9月24日のロッキーズ戦でシーズン60号に到達し、最終的に60本塁打で同年のMLB本塁打王となった。主に捕手として出場した選手によるシーズン最多本塁打記録でもある。
Q. マリナーズで1試合3本塁打を打った捕手は他にいる?
ローリー以前では現監督のダン・ウィルソンが1996年4月11日のタイガース戦で達成しており、捕手としては2人目の記録。
Q. マリナーズは今季ワイルドカードに届くのか?
8月24日時点で63勝69敗、ワイルドカード圏まで3.0ゲーム差。残り約30試合を18勝12敗の勝率.600前後で進むことが一つの目安になるが、競合球団の成績やタイブレークによって必要勝利数は変わる。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)





