日本時間9月7日(現地時間6日)、ボストン・レッドソックスのアロルディス・チャップマンが敵地オリオールズ戦の9回に通算400セーブへ到達し、MLB史上9人目となった。到達9人のなかで通算K/9は14.44、被安打率は5.28。どちらも単独首位である。
9月7日現在、8位ビリー・ワグナー(422)まで22、10位デニス・エッカーズリー(390)とは10差。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)がMLB公式Statsを独自に集計すると、400の数字そのものより「三振で抑えて安打を許さない」球質が、このクラブでは一段抜けている。
通算400セーブ到達9人のK/9比較
現地時間9月6日、オリオールパーク・アット・カムデンヤーズ。2点リードの9回裏、一死二塁でマウンドに上がったチャップマンは、コビー・メイヨとクリスチャン・エンカーナシオンストランドを連続三振に仕留めて試合を閉じた。スコアは3-1。今季33個目のセーブが、通算400個目になった。
38歳、2010年8月31日デビュー。セーブ機会452のうち400を換金し、失敗は52。セーブ率はDiamondStats調べで88.5%(400÷452)。今季は50試合48.2回、3勝4敗33セーブ、機会35、失敗2、防御率2.03。9月7日現在の公式値である。
ニュースは「9人目」で止まりやすい。こちらが追うのは、同じ400に届いた8人の隣に置いたとき、どの数字が飛び抜けているかだ。
通算セーブ歴代トップ10 8位まで22差
通算セーブの上位は、9月7日現在こう並ぶ。チャップマンの行だけ太字にした。
| 順位 | 投手 | 通算セーブ | 直前との差 |
|---|---|---|---|
| 1 | マリアノ・リベラ | 652 | - |
| 2 | トレバー・ホフマン | 601 | 51 |
| 3 | ケンリー・ジャンセン | 493 | 108 |
| 4 | リー・スミス | 478 | 15 |
| 5 | クレイグ・キンブレル | 441 | 37 |
| 6 | フランシスコ・ロドリゲス | 437 | 4 |
| 7 | ジョン・フランコ | 424 | 13 |
| 8 | ビリー・ワグナー | 422 | 2 |
| 9 | アロルディス・チャップマン | 400 | 22 |
| 10 | デニス・エッカーズリー | 390 | 10 |
600の台に乗ったのはリベラとホフマンだけ。3位ジャンセンは500まであと7。5位キンブレルは6位ロドリゲスと4差で、上も下も詰まっている。
チャップマンから見た距離は単純だ。8位ワグナーまで22、7位フランコまで24、5位キンブレルまで41。一方で10位エッカーズリーには10個の余裕がある。400到達はゴールではなく、歴代一桁の枠に入った入口にすぎない。
同じ「400超の現役」はジャンセン、キンブレル、チャップマンの3人だけ。キンブレルの440台が歴代でどれだけ重い位置かは、キンブレル通算440セーブの真価を歴代クローザーと比較検証で球質まで分解している。そちらの440は契約時点の数字で、9月7日現在の公式値は441まで伸びている。
2010年デビュー世代で3人目 在籍年が同じ通算比較
通算セーブは在籍年が違う相手と並べると、後から出た側が不利になる。だから母集団は結果を見る前に切る。2010年にMLBへ上がったクローザー世代なら、年数の条件は揃う。
その世代で400に届いたのは、9月7日現在この3人だけだ。
| 投手 | 通算セーブ | 登板 | セーブ率 | 通算K/9 | 通算防御率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ケンリー・ジャンセン | 493 | 976 | 88.0% | 12.32 | 2.62 |
| クレイグ・キンブレル | 441 | 893 | 88.0% | 13.74 | 2.64 |
| アロルディス・チャップマン | 400 | 913 | 88.5% | 14.44 | 2.49 |
セーブ率はセーブ÷セーブ機会のDiamondStats独自集計(ジャンセン493/560、キンブレル441/501、チャップマン400/452)。3人とも88%台で、換金の精度はほぼ同じ高さにある。
差が出るのは量と球質だ。ジャンセンは登板976で493。キンブレルは登板893で441と、登板あたりのセーブ密度が最も高い。チャップマンは登板913で400。セーブ率は3人中いちばん高いのに、通算の個数では93個・41個遅れている。2022年から24年にかけてセットアッパー寄りの年が混ざり、クローザーとして積み上げる期間が途切れた跡が、この差に残っている。
そのぶん防御率2.49とK/9 14.44は、同じデビュー年の2人を上回る。長く計算された量では負け、1イニングの支配力では勝っている。400到達が38歳までずれ込んだ理由を、数字はそう語る。
400セーブ到達9人の球質 三振と安打の両端
記録の対象期間は通算だ。今季の月別ではなく、400に届いた9人の通算K/9と被安打率(H/9)を並べる。9月7日現在、MLB公式Statsの通算値をDiamondStatsが並べ替えた。
| 投手 | 通算K/9 | 通算H/9 | 通算与四球率 |
|---|---|---|---|
| アロルディス・チャップマン | 14.44 | 5.28 | 4.43 |
| クレイグ・キンブレル | 13.74 | 5.46 | 3.80 |
| ケンリー・ジャンセン | 12.32 | 5.91 | 2.82 |
| ビリー・ワグナー | 11.92 | 5.99 | 2.99 |
| フランシスコ・ロドリゲス | 10.53 | 6.81 | 3.59 |
| トレバー・ホフマン | 9.36 | 6.99 | 2.54 |
| リー・スミス | 8.73 | 7.91 | 3.39 |
| マリアノ・リベラ | 8.22 | 7.00 | 2.01 |
| ジョン・フランコ | 7.04 | 8.42 | 3.58 |
チャップマンは三振率で単独1位、被安打率でも単独1位。870回を投げて被安打510、打率に直すと.167。400セーブに届いた左腕はフランコ、ワグナーに続く3人目だが、安打を許さない度合いは右投手が並ぶこのクラブでも一段違う。
同時に与四球率4.43は、この9人で最も高い。通算四球428は奪三振1396の対価だ。三振で走者を消す型と、四球で走者を出す型が同じ腕のなかで同居している。9回一死二塁という400個目の場面は、その型の縮図だった。
左腕に限れば、400の門をくぐったのはフランコ、ワグナー、チャップマンの3人だけ。右投手7人・左投手3人。人数の少なさ自体が、左の抑えで400まで生きる難しさを示している。
今季33セーブの中身 成功率と四球は改善している
通算の四球の多さを、今季の数字は少し押し下げている。9月7日現在の今季と通算を並べる。
| 区分 | 試合 | 投球回 | セーブ | 機会 | 失敗 | 防御率 | K/9 | 与四球率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年 | 50 | 48.2 | 33 | 35 | 2 | 2.03 | 12.02 | 3.70 |
| 通算 | 913 | 870.0 | 400 | 452 | 52 | 2.49 | 14.44 | 4.43 |
今季のセーブ率は33÷35で94.3%(DiamondStats調べ)。失敗2は、50試合のなかでは少ない。K/9は通算14.44から12.02へ落ちているが、与四球率は4.43から3.70へ改善した。最速の三振率を少し手放して、四球を減らした年に400が重なった。
昨季は防御率1.17。今季2.03はそこから数字は戻っている。それでも50試合で33セーブ、機会の失敗が2というのは、38歳のクローザーとしては計算できる水準だ。レッドソックスが夏場に勝ちを積み上げた時期の締めが、この到達を前倒しした面もある。7月の21勝4敗という球団史級の月間成績は、レッドソックス月間21勝4敗 MLB史上例のない数字をデータ検証で勝率と連勝の側から追っている。
162試合換算は、チームの消化試合数が公式に確定してから出す数字なので、ここでは置かない。残るレギュラーシーズンで22まで届くかどうかは、機会の数次第で、今の33から直線で伸ばす話ではない。
まとめ
- 日本時間9月7日(現地6日)、チャップマンがオリオールズ戦で通算400セーブ。MLB史上9人目
- 今季は50試合33セーブ、機会35、失敗2、防御率2.03(9月7日現在)
- 歴代は9位。8位ワグナーまで22、10位エッカーズリーとは10差
- 2010年デビュー世代ではジャンセン493、キンブレル441に続く3人目。セーブ率は3人中最高の88.5%
- 400到達9人のなかで通算K/9 14.44・被安打率5.28は単独首位。与四球率4.43も単独最多
- データはMLB公式Statsを独自に集計
400は通過点だ。次の数字は422。ワグナーまでの22が、今季残りと来季の実数で埋まるかどうかが、順位表の次の更新条件になる。
DiamondStats編集部の独自視点!
400人クラブでいちばん三振が取れ、いちばん安打を打たれない左腕が、いちばん四球も出している。このねじれが、チャップマンを38歳まで400の手前に置いていた。
セットアッパーに寄った年を挟んでも、ボストンでクローザーの仕事が戻ったあとの換金率は高い。今季の失敗2は、通算52という過去のブレを打ち消すほどではないが、年齢の側から見れば「まだ9回を任されている」根拠になる。
次に目が行くのは8位までの22だ。ジャンセンの500まで7とは桁が違う。それでも、四球を出してから三振で終わらせる型が残っているうちは、22は遠い数字ではない。9回の一死二塁を、あと何回同じ形で閉じられるか。そこにしか、順位は動かない。
よくある質問
Q. チャップマンの通算セーブ数と歴代順位は?
9月7日現在、通算400セーブで歴代9位です。1位リベラ652、2位ホフマン601、3位ジャンセン493と続き、8位ワグナー422まで22差、10位エッカーズリー390とは10差です。
Q. 通算400セーブはMLB史上何人目?
9人目です。先に到達したのはリベラ、ホフマン、ジャンセン、リー・スミス、キンブレル、ロドリゲス、フランコ、ワグナーの8人。現役ではジャンセン、キンブレルに続く3人目です。
Q. 今季のセーブ数と防御率は?
9月7日現在、50試合48.2回で33セーブ、セーブ機会35、失敗2、防御率2.03、奪三振65、与四球20です。セーブ率は94.3%(DiamondStats調べ)。
Q. 400セーブに届いた左腕は何人いる?
フランコ、ワグナー、チャップマンの3人です。400到達9人のうち左腕は3人、右腕は7人です。
Q. 同じ2010年デビューのクローザーと比べると?
ジャンセン493、キンブレル441、チャップマン400です。セーブ率は3人とも88%台で、チャップマンが88.5%とわずかに高い一方、通算K/9 14.44は3人のなかでも突出しています。
文:DiamondStats編集部
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年9月時点)





