8月9日、フィリーズのカイル・シュワーバーがブルージェイズ戦(本拠地)で3回に34号3ラン、5回に35号ソロを放ち、1試合2本塁打・4打点の大暴れを見せた。この35号でシーズン本塁打を35本とし、ナ・リーグで単独トップに浮上した。
しかもこの一発は、直近17試合ノーアーチ(7月18日以来18試合ぶり)からの復活弾。沈黙を破った瞬間にリーグの先頭へ出た格好だ。ここではその2発を、MLB公式Statsの打球データ(Statcast計測値)から検証し、いま彼の量産体制がどこまで整っているのかを読み解く。
8月9日の試合 2本塁打4打点で復調をアピール
この日のシュワーバーは3打数2安打2本塁打4打点。3回の34号は一・二塁からの3ランで、アレック・ボーム、ジャスティン・クロフォードを迎え入れた。5回の35号はソロで、この2本が試合を動かす主砲の仕事となった。

7月は22試合で3本と量産が止まっていたなかでの2発。シーズン成績(8月9日終了時点)は打率.247・出塁率.369・OPS.904で、四球76・本塁打35という「選ぶか、運ぶか」の極端な打者像がそのまま出た1日だった。
2発のStatcast弾道 35号は107.7マイル・448フィート
2本の打球データを並べると、性格の違う本塁打だったことが分かる。
| 本塁打 | イニング | 打球速度 | 打球角度 | 飛距離 | 方向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 34号(3ラン) | 3回 | 101.9マイル | 32度 | 378フィート(約115m) | 左中間 |
| 35号(ソロ) | 5回 | 107.7マイル | 28度 | 448フィート(約137m) | 右翼 |
34号は角度32度でスタンドへ運んだ「打ち上げ型」、35号は打球速度107.7マイル・飛距離448フィートの「強烈なライナー弾」。角度をやや抑えて速度を最大化した2本目こそ、絶好調時のシュワーバーを象徴する打球だ。フィリーズの本拠地の看板を越えていく右方向へのアーチは、彼の量産スイッチが入ったサインといえる。
チームの本拠地情報や主軸の顔ぶれはフィラデルフィア・フィリーズ完全ガイドにまとめている。
ナ・リーグ本塁打争い 単独首位に浮上
35号でナ・リーグの単独トップに立った。8月9日終了時点のナ・リーグ本塁打上位は次の通り。
| 順位 | 選手 | 球団 | 本塁打 |
|---|---|---|---|
| 1 | シュワーバー | フィリーズ | 35 |
| 2 | グッドマン | ロッキーズ | 34 |
| 2 | オルソン | ブレーブス | 34 |
| 4 | ウッド | ナショナルズ | 30 |
| 5 | エイブラムス | ナショナルズ | 28 |
| 6 | クロウアームストロング | カブス | 26 |
グッドマン、オルソンの34本を1本かわして単独首位。なおMLB全体ではアルバレス(アストロズ・ア・リーグ)も35本で、両リーグ通じてのトップは並んでいる。ナ・リーグの2位集団とは僅差のため、この先の1本ずつが順位を大きく動かす競り合いだ。
日本人選手を含めたシーズンの記録の伸びはMLB日本人選手 記録カウントダウンでも追っている。
量産体制をデータで読む 打球傾向とペース
シュワーバーの「量産体制」は、打球の性質にはっきり表れている。今季のゴロ/フライ比は0.60(ゴロ54・フライ90)と、強烈なフライボールヒッター。本塁打1本あたりの打数は11.91で、これはキャリアの標準域に収まる高い頻度だ。
自身の近年の本塁打を並べると、今季の位置づけが見えてくる。
| 年 | 本塁打 | 試合 |
|---|---|---|
| 2022 | 46 | 155 |
| 2023 | 47 | 160 |
| 2024 | 38 | 150 |
| 2025 | 56 | 162 |
| 2026 | 35 | 113(8月9日時点) |
昨季は自己最多の56本。今季はチーム119試合を消化して35本、残り43試合という状況だ(ダイヤモンドスタッツ調べ)。チーム消化試合数を基準にしたペースなら最終48本前後の計算になる。
節目の50本に届かせるには、残り43試合で15本、およそ2.9試合に1本が必要。今季の平均(約3.4試合に1本)からは一段のギアアップが要るハードルだが、昨季56本を打ち切った実績を思えば決して非現実的ではない。8月9日の107.7マイル弾のような打球が続けば、2年連続50本の可能性も十分に射程だ。打球の質から打者を読む視点は鈴木誠也の打撃徹底分析でも扱っている。
DiamondStats編集部の独自視点!
注目したいのは、35号が「17試合ノーアーチ」明けだったという事実だ。多くの主砲がスランプで打球角度を上げ、当てにいってフライを打ち上げがちになるところを、シュワーバーはむしろ角度を28度まで抑えて速度107.7マイルを叩き出した。焦って上げるのではなく、強く弾き返す方向に修正した——ここに、四球76を選べる選球眼と併せた彼の完成度がにじむ。
ナ・リーグの2位集団との差はわずか1本。ここから9月にかけて、単独首位を守り切れるか、それとも昨季の自分(56本)に近づく量産に入るか。復調の一発が「単独トップ浮上」に直結したこの日は、後半戦の号砲として記憶されるかもしれない。次の1本がどんな弾道で飛ぶのか、注目していきたい。
まとめ
- 8月9日、シュワーバーがブルージェイズ戦で34号3ラン・35号ソロの2本塁打4打点。
- 35号は打球速度107.7マイル・飛距離448フィートの右翼弾で、17試合ぶりのアーチ。
- この35号でナ・リーグ単独首位に浮上(MLB全体ではアルバレスと並ぶ35本)。
- ゴロ/フライ比0.60・本塁打1本あたりの打数11.91の極端なフライボール型で、量産体制は継続中。
- チーム消化試合基準のペースは最終48本前後、2年連続50本も射程に入る。
データはMLB公式Statsを独自に集計(8月9日の試合終了時点)。
よくある質問
Q. シュワーバーの2026年の本塁打数は何本ですか?

8月9日終了時点で35本です。同日のブルージェイズ戦で34号・35号の2本を放ち、ナ・リーグで単独トップに立ちました。
Q. ナ・リーグの本塁打王争いは今どうなっていますか?
シュワーバーが35本で単独首位、グッドマン(ロッキーズ)とオルソン(ブレーブス)が34本で並んで追う展開です。差は1本で、僅差の争いが続いています。
Q. 8月9日の35号はどんな本塁打でしたか?
5回のソロ本塁打で、打球速度107.7マイル・打球角度28度・飛距離448フィートの右翼への強烈な一発でした。角度を抑えて速度を最大化した、絶好調時を象徴する打球です。
Q. シュワーバーは今季50本塁打に届きますか?
現時点のチーム消化試合ペースでは最終48本前後の計算です。50本には残り43試合で15本が必要で、ギアアップが要りますが、昨季56本の実績を踏まえれば射程内といえます。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)





