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マンシー、引退覚悟の過去を告白 放出後231本塁打の激変をデータ検証

2026 8/12
データ検証・分析
2026年8月12日

8月、ドジャースの主砲マックス・マンシーが、かつて「もう野球をやめるつもりでいた」と振り返った過去が米メディアで取り上げられ、話題になっている。今でこそドジャース打線に欠かせない左の長距離砲だが、その裏には一度戦力外を通告され、キャリアの崖っぷちに立たされた時期があった。米メディアの報道によると、マンシー本人は当時を「幸運だった」と語ったという。

では、この「引退寸前だった男」は、そこからどれほど劇的に生まれ変わったのか。DiamondStatsは、感傷ではなくMLB公式Statsの数字だけで、その激変ぶりを検証した。

背景は「球速だけでは通用しない」と話題の佐々木朗希、MLB適応度を実投球データで検証|奪三振99・防御率4.56の中身で解説しています。

目次

「戦力外」だった2015〜16年 A's時代のマンシー

マンシーのキャリアはアスレチックスで始まった。だが最初の2年間の成績は、後の主砲ぶりからは想像できないものだった。

ドジャース主砲の成績推移(MLB公式Statsの実測値をもとにDiamondStatsが作成)

年 所属 試合 打数 本塁打 打率 OPS
2015 アスレチックス 45 102 3 .206 .660
2016 アスレチックス 51 113 2 .186 .565
2年合計 — 96 215 5 — —

2年間で96試合・わずか5本塁打、2年目のOPSは.565まで沈んだ。翌2017年春に戦力外を通告され、その年はメジャーの舞台に一度も立てなかった。報道によれば、この時期に彼は現役を続けるかどうかの岐路に立っていたという。ドジャースとマイナー契約を結び、翌年に大勝負た——それが分岐点だった。

詳しくは岡本和真、メジャー1年目で本塁打37本ペース|歴代日本人ルーキー最速でまとめています。

通算236本のうち、231本は「放出後」

ここからが本題だ。マンシーのMLB通算本塁打は236本(2026年8月11日時点)。そのうち、A's時代に放った本数はたった5本にすぎない。つまり残りの231本は、戦力外を経てドジャースに拾われた後に積み上げた数字だ。

区分 期間 試合 本塁打
放出前 〜2016年 96 5
放出後 2018〜2026年 1,033 231
通算 — 1,129 236

一度は「もう終わり」と考えた選手が、その後に231本。キャリア本塁打の97.9%が“捨てられた後”に生まれているという事実は、単なる復活譚では片づけられない。数字が語るのは、別人への作り替えである。

2018年の“覚醒”:通算5本から一気に35本へ

放出後の初年度、2018年の成績が最も雄弁だ。

年 試合 本塁打 打率 OPS
放出前の通算 96 5 .196前後 —
2018(ドジャース1年目) 137 35 .263 .973

それまでの通算本塁打5本を、たった1年で35本が上回った。OPS.973はリーグでも屈指の水準で、無名の内野手が一夜にして主砲へと転じた。ここから、ドジャース打線の中軸としての長い時間が始まる。ドジャースというチームの打線構成についてはロサンゼルス・ドジャース完全ガイドでも触れている。

35歳の2026年も22本塁打 衰えない選球眼

そして2026年、35歳になったマンシーは今も現役の主力として稼働している。8月11日時点の成績は次の通りだ。

項目 2026年 通算
試合 109 1,129
本塁打 22 236
打率 .248 .231
出塁率 .341 .353
長打率 .485 .475
OPS .826 .828
四球 48 652
三振 106 1,075

注目したいのは2026年のOPS.826が、通算OPS.828とほぼ完全に一致している点だ。全盛期と比べても遜色ない一貫性を、35歳のシーズンでも保っている。

さらに、打率は.248ながら出塁率は.341。その差である約9分3厘は、48四球に象徴される選球眼が生み出したものだ。打率だけを見ると平凡でも、四球で塁に出て打線を回す——これがマンシーの真の価値であり、放出前の若手時代には無かった武器である(OPSや出塁率の意味はMLB野球用語完全解説を参照)。

162試合換算ペースなら約33本塁打(ダイヤモンドスタッツ調べ、22本÷109試合×162)。35歳で30本前後を狙える打者は貴重で、崖っぷちから拾い上げた投資は、10年目を迎えてなお回収され続けている。

この点は大谷翔平 MLB通算300号は歴代5位の速さ 打者として1,102試合で到達で詳しく整理しています。

年度別で見る「崖っぷちからの一貫性」

最後に、A's時代から2026年までを一枚の表で振り返る。断崖から始まり、その後は高い水準で安定していることが一目で分かる。

年 所属 試合 本塁打 OPS
2015 A's 45 3 .660
2016 A's 51 2 .565
2018 ドジャース 137 35 .973
2019 ドジャース 141 35 .889
2020 ドジャース 58 12 .720
2021 ドジャース 144 36 .895
2022 ドジャース 136 21 .713
2023 ドジャース 135 36 .808
2024 ドジャース 73 15 .852
2025 ドジャース 100 19 .846
2026 ドジャース 109 22 .826

2017年に一行の空白があるのは、戦力外でメジャーの記録が残らなかった年だ。この空白の一年をはさんで、成績は別次元に跳ね上がっている。このペースがシーズン終了時にどこへ着地するかは、MLB最終成績シミュレーションの考え方でも追える。

まとめ

「引退するつもりでいた」という告白は、単なる美談ではない。数字で見れば、その言葉の重みはより鮮明になる。

  • A's時代の2年間は96試合・5本塁打、2年目OPS.565で戦力外
  • 通算236本塁打のうち231本(97.9%)は放出後に記録
  • ドジャース1年目の2018年にいきなり35本・OPS.973で覚醒
  • 35歳の2026年も22本・OPS.826で、通算OPS.828とほぼ一致

一度は野球を諦めかけた男が、その後にキャリアのほぼすべてを築いた。マンシーの「知られざる過去」は、成績の裏にある物語として、これらの数字と併せて読むと一層味わい深い。

よくある質問

Q. マックス・マンシーはどんな選手?

ドジャース主砲 直近10試合の安打と本塁打(2026年・MLB公式Statsの実測値)

ドジャースに所属する左打ちの内野手(三塁手)で、長打力と選球眼を兼ね備えた主砲です。MLB通算236本塁打、通算OPS.828(2026年8月11日時点)。

あわせて7月2日 MLB日本人選手 成績まとめ|鈴木 誠也1本塁打も参考になります。

Q. なぜ引退を考えていたと言われている?

アスレチックス時代の2015〜16年は2年で5本塁打・96試合と結果を残せず、2017年春に戦力外通告を受けたためです。米メディアの報道によると、当時は現役続行の岐路に立っていたとされます。

Q. 通算本塁打は何本? そのうち何本がドジャースでの記録?

2026年8月11日時点で通算236本塁打。うちA's時代は5本のみで、残る231本はドジャース移籍後に記録したものです。

Q. 2026年シーズンの成績は?

109試合で22本塁打、打率.248・出塁率.341・長打率.485、OPS.826(8月11日時点)。162試合換算では約33本塁打ペースです。

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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)


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