フィリーズのポストシーズン先発順をどう組むか。米国の分析メディアのジャスト・ベースボールが短期決戦の4人順番を提案している。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)はその順番の当否を、今季の成績と過去3年の10月実績という2つの物差しで確かめる。
結論: 第1戦ザック・ウィーラー、第2戦ヘスース・ルサルド、第3戦クリストファー・サンチェス、第4戦アーロン・ノーラの順番が数字と整合する。10月の実績はウィーラーが頭ひとつ抜け、今季の安定感はルサルドとサンチェスが並ぶ。ノーラは今季の防御率が4.49と崩れており、出番の少ない第4戦が妥当な位置づけになる。
4人の今季成績を比べる
2026年シーズンの成績(9月20日現在、MLB公式Stats)を4人で並べると、序列が見える。

| 投手 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|
| ヘスース・ルサルド | 14勝5敗 | 2.87 | 178.2 | 221 | 1.08 |
| クリストファー・サンチェス | 17勝6敗 | 2.93 | 193.2 | 215 | 1.22 |
| ザック・ウィーラー | 13勝5敗 | 2.99 | 150.1 | 177 | 1.06 |
| アーロン・ノーラ | 7勝10敗 | 4.49 | 168.1 | 169 | 1.35 |
読みどころは3つある。第一に、ルサルドとサンチェスとウィーラーの3人が防御率3.00未満で横並びであり、誰を第1戦にしてもおかしくない層の厚さがフィリーズの強みになっている。第二に、最多勝はサンチェスの17勝であり、193.2回の投球回と合わせて最も長いイニングを背負った。第三に、ノーラだけが防御率4.49、WHIP1.35と別枠の数字であり、短期決戦の上位で使う根拠は今季の成績からは出てこない。フィリーズは9月19日時点で85勝69敗であり、4人の先発が白星の大半を稼いだ構造になっている。
10月の実績で第1戦を決める
今季の成績だけでは3人が横並びで第1戦が決まらない。そこで過去3年のポストシーズン成績(2022-2024年、MLB公式Stats)を並べる。
| 投手 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 3年合計(DiamondStats独自集計) |
|---|---|---|---|---|
| ザック・ウィーラー | 6先発35.2回 防御率2.78 1勝3敗33奪三振 | 4先発27.2回 防御率1.95 3勝0敗35奪三振 | 1先発7回 防御率0.00 9奪三振 | 11先発70.1回 防御率2.18 4勝3敗77奪三振 |
| アーロン・ノーラ | 5先発25.2回 防御率4.91 2勝2敗27奪三振 | 4先発23回 防御率2.35 3勝1敗23奪三振 | 1先発5回 防御率7.20 0勝1敗8奪三振 | 10先発53.2回 防御率4.02 5勝3敗58奪三振 |
3年合計の防御率はウィーラー2.18、ノーラ4.02であり、1試合の重みが増す短期決戦では無視できない差になる。ノーラにも2023年の4先発防御率2.35という好投年があるため、調子次第では評価が変わる余地は残る。ただし3年通算の安定感ではウィーラーが上であり、第1戦のマウンドを託す根拠はウィーラーの側にそろう。ルサルドとサンチェスに10月の先発実績がほぼないことも、実績ある右腕を第1戦に置く判断を後押しする。
第2戦以降の並べ方
第2戦はヘスース・ルサルドがふさわしい。今季14勝5敗、防御率2.87、221奪三振はいずれも4人中最良の水準であり、左腕である点も相手打線の左右のバランスを崩す材料になる。第3戦は最多17勝のクリストファー・サンチェスが入る。193.2回を投げ切った耐久力は短期決戦でも心強く、第3戦という位置づけなら相手打線との相性を見ながら使える。第4戦はアーロン・ノーラになる。短期決戦の第4戦は実施されない場合もあり、出番の不確かな枠に今季防御率4.49の投手を置く形がチームの損失を最小にする。2023年のような好投が戻れば評価は上がるが、現時点の数字では第4戦が妥当な結論になる。

DiamondStats編集部の独自視点!
贅沢な悩みの中身を言い換えると、フィリーズには第1戦を任せられる投手が3人いるのに、第1戦は1枠しかないという話になる。3人を横並びのまま比べ続けても結論は出ない。今季の数字と10月の数字という2つの物差しを重ねたとき、ウィーラーの10月実績だけが他と重ならない強さを見せた。短期決戦の順番決めは好みの問題ではなく、どちらの物差しを優先するかの問題であり、1試合の重みを最優先するなら答えはウィーラーになる。サンチェスの17勝とルサルドの221奪三振は長いシーズンの勲章であり、その勲章が第2戦と第3戦という形で報われる順番こそ、4人全員が納得できる並びになる。
まとめ
フィリーズのポストシーズン先発順は、第1戦ザック・ウィーラー、第2戦ヘスース・ルサルド、第3戦クリストファー・サンチェス、第4戦アーロン・ノーラの並びが数字と整合する。今季の安定感ではルサルドとサンチェスが最前線に立ち、10月の実績ではウィーラーが抜ける。ノーラは2023年の好投を再現できれば序列を上げる余地がある。関連する選手データの見方は次の記事にまとめた。ザック・ウィーラーの選手データデータはMLB公式Statsを独自に集計した。





