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タリック・スクーバルが帽子投げ捨て|得点直後の失点データで検証する3つの要因

2026 10/09
データ検証・分析
2026年9月20日2026年10月9日

日本時間9月20日のジャイアンツ戦(現地9月19日・ドジャー・スタジアム)で、タリック・スクーバルが帽子とグラブをベンチにたたきつけた。ドジャース打線が点を取るたびに、次の回で追いつかれる展開が3回続いた試合だった。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)は、この「得点直後の失点」がスクーバルに本当に多いのかを、MLB公式Statsの記録で数えた。

目次

9月19日(米)の試合で何が起きたか

MLB公式Statsの試合記録では、ドジャースは1回にマックス・マンシーの二塁打、2回にムーキー・ベッツの適時打で2対0とした。スクーバルは3回にビクター・ベリコトに2点本塁打を浴びて同点。ドジャースが3回裏にウィル・スミスの本塁打で3対2と勝ち越すと、4回表に犠牲バントの間に1点を返されて同点。4回裏にベッツの適時二塁打で4対3としても、5回表にイ・ジョンフの適時二塁打でまた同点にされた。

スクーバルは5回4失点・3奪三振でこの回を最後に降板したが、5回裏にドジャースが3点を勝ち越したため、勝利投手になった(今季11勝目)。試合は10対4でドジャースが勝った。つまりこの試合は、「味方が勝ち越した直後の守りで失点」が1試合に3回起きた試合だった。

Tarik Skubalの成績推移(MLB公式Statsの実測値をもとにDiamondStatsが作成)

データ軸:「得点直後の失点」を数える

この記事で数えたのは、自チームが得点した攻撃のすぐ次の守りで、その投手が投げている間に相手が得点した場面だ。MLB公式Statsの1球ごとの記録(打席ごとの得点者)から、9月20日までの先発試合をすべて数えた。

スクーバルは9月20日までに25試合に先発し(タイガースで16試合、8月4日からドジャースで9試合)、防御率は2.85。この25試合のうち、得点直後の失点があった試合は8試合(32.0%)で、1試合に2回以上起きたのは2試合だった。1試合に3回起きたのは、9月19日のジャイアンツ戦だけだ。

サイ・ヤング賞投手7人と比べる(9月20日時点)

比べた相手は、MLB公式のサイ・ヤング賞受賞者(2015〜2025年)のうち、2026年に9月20日までに20試合以上先発した投手の全員だ。スクーバルを含めて7人になった。数字はすべてMLB公式Statsの試合ごとの記録から、同じ条件で数えた。防御率の低い順に並べている。

投手 2026年の所属 サイ・ヤング賞 先発 防御率 奪三振率(K/9) 先発1試合あたりチーム得点 得点直後に失点した試合
クリス・セール ブレーブス 2024 26 2.18 10.9 4.9 9試合(34.6%)
タリック・スクーバル タイガース・ドジャース 2024・2025 25 2.85 10.4 4.2 8試合(32.0%)
ゲリット・コール ヤンキース 2023 21 3.63 9.1 3.8 4試合(19.0%)
ロビー・レイ パドレス・ジャイアンツ 2021 29 3.75 7.5 5.1 11試合(37.9%)
ジェイコブ・デグローム レンジャーズ 2018・2019 30 3.86 11.1 4.3 10試合(33.3%)
ポール・スキーンズ パイレーツ 2025 31 3.91 10.3 5.2 10試合(32.3%)
サンディ・アルカンタラ マーリンズ 2022 33 3.92 6.5 4.6 9試合(27.3%)

得点直後に失点した試合の割合は、スクーバルが32.0%で7人中5番目。いちばん高いのはロビー・レイの37.9%、いちばん低いのはゲリット・コールの19.0%で、スクーバル以外の6人の平均は30.7%だった。スクーバルだけが「取った直後に返されやすい」わけではない。防御率2.85は7人中2番目に低い。ドジャース入りの経緯はドジャース入りのスクーバル 2年連続サイ・ヤングで詳しく書いている。

タイガースとドジャースで何が変わったか

スクーバルは7月29日までタイガースで先発し、8月4日のカブス戦からドジャースで投げている。同じ物差しで両方を並べた。スクーバル ドジャース合流|大谷との初共演をデーでも、合流直後の登板を扱っている。

指標 タイガース(〜7月29日) ドジャース(8月4日〜9月19日)
先発 16試合(96.2回) 9試合(55.0回)
防御率 2.79 2.95
奪三振率(K/9) 10.8 9.8
先発1試合あたりチーム得点 4.4 3.9
先発した試合のチーム勝敗 9勝7敗 7勝2敗
得点直後に失点した試合 5試合(31.2%) 3試合(33.3%)

▶この場面の映像を見るMLB公式サイト(別のタブで開きます)

ドジャースに移ってからの先発1試合あたりのチーム得点は3.9点で、タイガースの4.4点より少ない。それでも先発した試合のチーム勝敗は7勝2敗と大きく勝ち越している。得点直後の失点の割合は31.2%から33.3%で、ほとんど変わっていない。

その後の登板(9月25日〜地区シリーズ第1戦)

9月19日の次の登板、9月25日のジャイアンツ戦(敵地)では、7回0失点・10奪三振・無四球で勝利投手になった。これがレギュラーシーズン最後の登板で、2026年のレギュラーシーズンは26先発・12勝7敗・防御率2.72で終えた(タイガースで16先発、ドジャースで10先発)。

ポストシーズンでは、10月3日の地区シリーズ第1戦(ブレーブス戦)に先発し、6回1失点・7奪三振で勝利投手になった。失点は6回表のショーン・マーフィーのソロ本塁打だけで、ドジャースが点を取った直後の回ではない。9月19日のあとの2登板では、得点直後の失点は1度も起きていない。

まとめ

  • 9月19日のジャイアンツ戦は、ドジャースが勝ち越すたびにスクーバルが3回・4回・5回に同点にされた。得点直後の失点が1試合に3回起きた試合だった
  • シーズン全体では、得点直後の失点があった試合は25先発中8試合(32.0%)。サイ・ヤング賞投手7人の中で5番目で、特別に多いわけではない
  • ドジャースでは援護が1試合3.9点とタイガース時代(4.4点)より少ないが、先発した試合は7勝2敗と勝てている
  • その後の2登板(9月25日・地区シリーズ第1戦)では得点直後の失点は無く、どちらも勝利投手になった

よくある質問

Q. スクーバルはなぜ帽子とグラブをベンチに投げたのか

本人の説明は出ていない。試合の記録で分かるのは、ドジャースが2対0、3対2、4対3と3度リードしたのに、スクーバルが3回・4回・5回に毎回同点にされた流れだ。5回4失点で降板したが、5回裏にドジャースが勝ち越したため勝利投手になり、試合は10対4で勝った。

Tarik Skubal 直近5登板の奪三振と自責点(2026年・MLB公式Statsの実測値)

Q. 得点直後の失点はスクーバルに多いのか

多くない。9月20日時点の25先発で、得点直後の失点があった試合は8試合(32.0%)。比べたサイ・ヤング賞投手7人の中で5番目で、ほかの6人の平均30.7%とほぼ同じだった。9月19日のように1試合で3回起きた試合は今季この1試合だけだ。

Q. スクーバルの2026年の防御率は比べた投手の中でどの位置か

9月20日時点で防御率2.85(151.2回)。比べたサイ・ヤング賞投手7人の中では2番目に低い。いちばん低いのはクリス・セールの2.18。

Q. ドジャース入りで援護点は増えたか

増えていない。先発1試合あたりのチーム得点は、タイガースで4.4点、ドジャースで3.9点。ただし先発した試合のチーム勝敗は、タイガースの9勝7敗に対し、ドジャースでは7勝2敗と勝ちが多い。

DiamondStats編集部の独自視点!

帽子とグラブがベンチに飛んだ場面だけを見ると、「勝ち越しを守れない投手」に見える。だが数えてみると、スクーバルの得点直後の失点はほかのサイ・ヤング賞投手と同じくらいで、9月19日は今季でも珍しい試合だった。怒りが出たのは、めったに起きない展開が1試合に3回重なったからだと読める。ポストシーズンでは1点の重みがさらに増す。次に見るべきは、勝ち越した直後の回を0点で終えられるかどうかだ。

⚾ 試合を観るには: MLB配信サービスの比較・視聴方法はこちら

文:DiamondStats編集部|データ出典:MLB公式Stats(比較は2026年9月20日時点の試合記録をDiamondStatsが集計。その後の登板は10月3日の地区シリーズ第1戦まで)


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数値・記録は公開時点の公式データに基づいて作成し、誤りに気づいた場合は速やかに該当箇所を修正します。集計方法に起因する重要な訂正がある場合は、記事内にその旨を明記します。特定の球団・選手への偏りを避け、中立的な立場での情報提供を心がけています。

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