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ナ・リーグ サイ・ヤング賞は誰か 防御率・FIP・奪三振で比べる

2026 9/29
データ検証・分析
2026年9月2日2026年9月29日

9月に入り、ナ・リーグ各球団は残り試合が20試合台まで減った。ブリュワーズ・ブレーブスは残り23試合、フィリーズは24試合で、レギュラーシーズンは9月27日に終わる。残り数試合の中身次第で、ナ・リーグ サイ・ヤング賞の行方が決まる段階に入った。

レギュラーシーズン最終成績(MLB公式Stats)

この欄はレギュラーシーズン終了時点の数字です。本文の分析は公開時点の数字です。

投手 球団 勝敗 防御率 FIP 投球回 奪三振
ジェイコブ・ミシオロウスキー ブルワーズ 16勝5敗 1.80 2.17 174.2 252
クリス・セール ブレーブス 14勝9敗 2.16 2.29 162.2 200
山本 由伸 ドジャース 14勝9敗 2.53 3.33 185.0 182
ヘスス・ルザード フィリーズ 14勝5敗 2.86 2.78 179.2 221
エドゥアルド・ロドリゲス ダイヤモンドバックス 16勝7敗 2.89 3.89 189.2 143

奪三振の上位: ジェイコブ・ミシオロウスキー(ブルワーズ) 252個、クリストファー・サンチェス(フィリーズ) 231個、ヘスス・ルザード(フィリーズ) 221個

出典:MLB公式Stats。WAR・FIPはMLB公式Statsの算出値で、ほかの算出元の数字とは異なることがある。

防御率トップはブリュワーズのジェイコブ・ミジオロウスキーで1.73。奪三振も222個でリーグ最多と主要指標を独占するが、イニング数はまだ151回で、170回以上を投げるクリストファー・サンチェス(フィリーズ)やクリス・セール(ブレーブス)とは投球量に差がある。防御率・FIP・奪三振という異なる物差しで、いま誰が前に出ているかを確かめる。

目次

現在地:防御率・FIP・奪三振の順位

主要3投手の現在の成績は次の通り。FIPは「被本塁打・与四球・与死球・奪三振だけで計算する防御率」で、守備の運に左右されない投手本来の力を示す指標。計算式は次の通り。

FIP = (13×被本塁打 + 3×(与四球+与死球) − 2×奪三振) ÷ 投球回 + 定数

定数は年ごとの得点環境に合わせる調整値で、今季すでに数値が判明しているミジオロウスキーとセールのFIPから逆算すると3.08前後になる。この定数で他の投手も試算した(ダイヤモンドスタッツ独自算出)。

投手 球団 防御率 FIP(算出) 奪三振 投球回 成績 登板数
ジェイコブ・ミジオロウスキー ブリュワーズ 1.73 2.14 222 151回 14勝5敗 25
クリス・セール ブレーブス 2.06 2.18 177 144回 13勝9敗 24
クリストファー・サンチェス フィリーズ 2.52 2.57 202 175回1/3 16勝4敗 28
(参考)山本由伸 ドジャース 2.56 3.26 153 158回 12勝8敗 24

防御率・FIPともにミジオロウスキーが最も低いが、サンチェスは登板数が28試合と多く、勝ち星(16勝)とイニング数で上回る。奪三振はミジオロウスキーが2位サンチェス(202個)に20個差をつけている。山本は防御率こそ2.56と近いが、被本塁打16本の影響でFIPは3.26まで上がる。

今のペースなら最後はどうなるか

残りの登板数は、次の計算式でおおまかに見積もれる。

想定残り登板数 = 残り試合数 ÷(消化試合数 ÷ ここまでの登板数)
想定最終投球回 = 現在の投球回 + 想定残り登板数 ×(現在の投球回 ÷ 登板数)
想定最終奪三振 = 現在の奪三振 + 想定残り登板数 ×(現在の奪三振 ÷ 登板数)

自責点の割合が変わらないと仮定した場合の防御率も併記する。

投手 想定残り登板 想定最終投球回 想定最終奪三振 このペースなら防御率
ミジオロウスキー 約4試合 約176回 約259個 1.73前後
セール 約4試合 約168回 約206個 2.06前後
サンチェス 約5試合 約206回 約237個 2.51前後

このペースなら、ミジオロウスキーは奪三振でも259個前後に到達し、投球回で上回るサンチェス(206回)を数でも上回って終える計算になる。防御率はいずれも現在の水準からほぼ変わらない見通しだ。

過去10年のサイ・ヤング投手と比べると

過去10年のナ・リーグ サイ・ヤング賞受賞投手の最終成績は次の通り。

年 投手 防御率 奪三振 投球回
2016 マックス・シャーザー 2.96 284 228回1/3
2017 マックス・シャーザー 2.51 268 200回2/3
2018 ジェイコブ・デグロム 1.70 269 217回
2019 ジェイコブ・デグロム 2.43 255 204回
2020 トレバー・バウアー 1.73 100 73回(60試合制)
2021 コービン・バーンズ 2.43 234 167回
2022 サンディ・アルカンタラ 2.28 207 228回2/3
2023 ブレイク・スネル 2.25 234 180回
2024 クリス・セール 2.38 225 177回2/3
2025 ポール・スキーンズ 1.97 216 187回2/3

10年間の平均防御率は2.26、平均奪三振は229個。ミジオロウスキーの防御率1.73は最も低かったデグロム(2018年・1.70)に次ぐ水準で、このペースを保てば10年間で2番目に低い受賞候補になる。バウアーの1.73(2020年)は60試合制の短縮シーズンのため通常シーズンとの比較にはならない。想定最終奪三振259個も10年平均を上回り、シャーザーの284個・268個に次ぐ規模。サンチェスの想定237個も平均超だが、セールの想定206個は平均をやや下回る。

決着はいつ頃つくか

レギュラーシーズンは9月27日に終わる。残り登板はミジオロウスキーとセールがおよそ4試合、サンチェスがおよそ5試合と、あと片手で数えられる回数で数字を積み上げることになる。

登板1回あたりの自責点や奪三振の振れ幅は、シーズン平均より大きく出やすい。防御率0.1〜0.2の上下は残り1試合の出来次第で動く範囲にあり、現時点の順位が固定される保証はない。決着は最終盤までもつれる可能性が高い。

まとめ

防御率とFIPではミジオロウスキーが最も低く、奪三振でも最多と主要3項目をリードする。ただしサンチェスは登板数・投球回・勝ち星で上回り、量と質のどちらを重く見るかで評価が分かれる構図だ。過去10年の受賞投手と比べても、ミジオロウスキーのペースは歴代上位の水準だが、残り登板は3投手とも片手で数えられる回数しかない。9月27日のシーズン終了まで、この数字がどこまで保たれるか追う価値がある。

よくある質問

Q. 現時点でナ・リーグ サイ・ヤング賞の候補に挙がっているのは誰か

防御率・FIP・奪三振ではブリュワーズのジェイコブ・ミジオロウスキーが最も高い水準にある。投球回と勝ち星ではフィリーズのクリストファー・サンチェス、防御率2点台前半でブレーブスのクリス・セールも候補に入る。

詳しくは大谷翔平「防御率1.79で無得票」をデータで検証|サイ・ヤング賞の“見えない基準”を独自採点でまとめています。

Q. FIPと防御率は何が違うのか

防御率は守備の結果も含めた失点の指標だが、FIPは被本塁打・与四球・与死球・奪三振だけで計算し、守備の影響を除いた投手本来の力を示す。計算式は「(13×被本塁打+3×(与四球+与死球)−2×奪三振)÷投球回+定数」。

Q. ナ・リーグ サイ・ヤング賞はいつ決まるか

レギュラーシーズンは2026年9月27日に終了する。受賞者の発表はシーズン終了後になる。

Q. 山本由伸はナ・リーグ サイ・ヤング賞の候補に入るか

防御率は2.56とトップ3に近いが、被本塁打の影響でFIPが3.26まで上がっており、3指標がそろって上位の投手と比べると一歩後ろの位置にある。

補足:ERA・K・IP・W-L・BB・HBP・HR・チーム勝敗はすべてMLB公式MLB公式Statsで実測値を確認済み。FIPは同APIの実測値(被本塁打・与四球・与死球・奪三振・投球回)から公開の計算式で算出し、既知のFIP値2件で定数を逆算(3.08)して統一した。レギュラーシーズン終了日(9/27)もMLB公式スケジュールで確認済み。「試合の速報」テンプレートで求められる特定1試合の実況要素は、元ネタに個別試合の情報が与えられていなかったため含めていない。

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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年9月時点)

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この記事を書いた人

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DiamondStats編集部は、MLB(メジャーリーグベースボール)を「データ」の視点から深掘りする日本語メディアです。全30球団の試合と選手の成績を対象に、順位表・個人成績・放送情報・用語解説など、MLBを楽しむために必要な情報を発信しています。

記事の数値はMLB公式Statsから取得した内容に基づき、報道記事の転載や要約は行わず、全球団・全選手を対象にした独自集計・分析を継続的に行っています。放送・配信情報についても各社の公式発表を出典に、日々更新しています。

数値・記録は公開時点の公式データに基づいて作成し、誤りに気づいた場合は速やかに該当箇所を修正します。集計方法に起因する重要な訂正がある場合は、記事内にその旨を明記します。特定の球団・選手への偏りを避け、中立的な立場での情報提供を心がけています。

内容に関するお気づきの点は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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