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タイガースが得失点差71でも76勝86敗|セーブ失敗32回の代償をデータ検証

2026 10/13
データ検証・分析
2026年10月13日

デトロイト・タイガースの2026年シーズンは、9月27日のパイレーツ戦(2-4)を最後に76勝86敗で終わった。アメリカン・リーグ中地区4位で、2024年・2025年と続いたポストシーズン進出は途切れた。10月9日には球団がヘッドアスレティックトレーナーら2人と袂を分かったと報じられ、オフの立て直しが本格的に始まっている。

結論を先に書く。タイガースは今季、得点723・失点652で得失点差+71を記録した。これはメジャー30球団で8番目に良い数字で、この上にいる7球団はすべてポストシーズンに進んだ。それでも負け越したのは、セーブ失敗32回、1点差試合17勝27敗、サヨナラ負け11度という「終盤の取りこぼし」が重なったからだ。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)が、MLB公式Statsの数字でその中身を確かめる。

目次

得失点差+71で76勝86敗 30球団で最大の取りこぼし

得失点差から見込まれる勝ち数(ピタゴラス勝率・指数1.83、DiamondStats独自集計)を30球団で出すと、タイガースは約89勝が見込める数字だった。実際は76勝。差し引き約13勝は30球団で最大のマイナスで、2番目に大きいエンゼルス(約9勝)を4勝近く引き離している。

タイガース(直近10試合)の成績推移(MLB公式Statsの実測値をもとにDiamondStatsが作成)

日付 相手 球場 スコア(タイガース-相手) 結果
09/17 ホワイトソックス 敵地 1-3 負け
09/18 ホワイトソックス 敵地 11-8 勝ち
09/19 ホワイトソックス 敵地 1-3 負け
09/20 ホワイトソックス 敵地 1-8 負け
09/21 ナショナルズ 本拠地 9-2 勝ち
09/22 ナショナルズ 本拠地 1-3 負け
09/23 ナショナルズ 本拠地 2-4 負け
09/25 パイレーツ 本拠地 8-7 勝ち
09/26 パイレーツ 本拠地 4-3 勝ち
09/27 パイレーツ 本拠地 2-4 負け
タイガース 直近10試合の結果(MLB公式Stats)
球団 勝敗 得点 失点 得失点差 見込み勝数 差
タイガース 76勝86敗 723 652 +71 約89勝 -13
エンゼルス 62勝100敗 655 752 -97 約71勝 -9
ジャイアンツ 65勝97敗 669 760 -91 約72勝 -7
ロッキーズ 58勝104敗 752 944 -192 約64勝 -6
カブス 89勝73敗 850 703 +147 約95勝 -6
ナショナルズ 77勝85敗 821 815 +6 約82勝 -5

(2026年レギュラーシーズン最終。MLB公式Statsの得点・失点をもとにDiamondStats独自集計)

逆に見込みより勝ったのはレッズ(+10勝)、レイズ(+8勝)、パドレス(+6勝)。レイズは98勝で地区優勝、パドレスは91勝でワイルドカードに入った。同じ162試合でも、接戦をどちらに転がしたかで10勝以上の幅が出る。タイガースはその幅の、いちばん悪い側に立っていた。

セーブ失敗32回はアメリカン・リーグ最多 成功率50%は下から2番目

タイガースの今季のセーブ機会は64回。成功32、失敗32で、成功率はちょうど50.0%。セーブ失敗32回はナショナルズ(42回)に次いでメジャー2番目、アメリカン・リーグでは最多だった。

球団 セーブ 機会 失敗 成功率
エンゼルス 25 55 30 45.5%
タイガース 32 64 32 50.0%
ナショナルズ 42 84 42 50.0%
ジャイアンツ 30 57 27 52.6%
マリナーズ 35 63 28 55.6%
カブス 36 64 28 56.3%

(2026年レギュラーシーズン最終。成功率の低い順。MLB公式Stats)

成功率の上位はアストロズ77.8%(49/63)、レッドソックス76.7%(46/60)、ブルージェイズ75.4%(52/69)、レイズ75.3%(58/77)。タイガースと上位の差は約25ポイント。64機会に当てはめると16回分、つまり勝ち負けが入れ替わる試合が16試合あった計算になる。

ここで押さえておきたいのは、投手陣全体の数字は悪くなかったことだ。チーム防御率3.67はメジャー6位(1位ヤンキース3.23、2位ブルワーズ3.51、3位レッドソックス3.54)。失点652は7番目に少ない。9回の2アウトまで良い投手陣が、最後の3アウトで崩れていた。

1点差17勝27敗・サヨナラ負け11度 2025年との比較

2025年のタイガースは87勝75敗でワイルドカードに入った。そのときの得失点差は+67。今季の+71はそれより良い。それなのに11勝減った。

項目 2024年 2025年 2026年
勝敗 86勝76敗 87勝75敗 76勝86敗
得失点差 +40 +67 +71
1点差試合 – 21勝12敗 17勝27敗
延長戦 – 5勝8敗 5勝9敗
セーブ失敗 – 22回 32回
セーブ成功率 – 64.5%(40/62) 50.0%(32/64)

(MLB公式Stats。2024年は勝敗と得失点差のみ)

1点差試合は2025年の21勝12敗から今季17勝27敗へ。勝率で言えば.636から.386まで落ちた。得点2点差以内の試合に広げると23勝52敗。サヨナラ負けはMLB公式の試合速報の回別得点から数えると11度で、4月17日のレッドソックス戦(延長10回0-1)から始まり、5月までに7度。終盤の9月4日から6日のガーディアンズ3連戦では、ダブルヘッダー2試合(6-7、延長10回3-4)と6日(延長10回2-3)で3度続けてサヨナラ負けを喫している。地区首位との直接対決で、3試合とも1点差で落とした。

5月の11回で崩れた 月別の勝敗とセーブ失敗

月別に並べると、シーズンの形がはっきり見える。

月 勝敗 セーブ失敗
3・4月 16勝16敗 5回
5月 6勝22敗 11回
6月 15勝11敗 3回
7月 15勝9敗 6回
8月 11勝16敗 3回
9月 13勝12敗 4回

(2026年レギュラーシーズン。3月26日開幕のため3月は4月に合算。MLB公式Statsの投手別記録からDiamondStats独自集計)

5月は6勝22敗で、この1か月だけでセーブ失敗11回。年間32回のうち3分の1がここに集まった。6月と7月は合計30勝20敗で、この2か月だけならワイルドカード争いに戻れる勝ち方だった。5月を他の月並みの12勝16敗で乗り切っていれば、年間82勝で、ワイルドカード3枠目のレッドソックス(87勝)にはまだ届かないが、地区2位ホワイトソックス(84勝)が見える位置にいた。

誰が失ったか 救援投手別のセーブ失敗

セーブ失敗32回のうち27回は、5人の投手に集中している。

投手 登板 投球回 防御率 セーブ 機会 セーブ失敗 ホールド
カイル・フィネガン 63 60.2 4.30 2 12 10 14
ケンリー・ジャンセン 50 45.0 3.20 22 28 6 1
ドルー・アンダーソン 49 108.0 3.67 2 8 6 6
ウィル・ベスト 27 26.2 6.08 2 7 5 7
タイラー・ホルトン 67 72.0 2.75 2 4 2 15

(2026年レギュラーシーズン最終。MLB公式Stats)

フィネガンは12機会で成功2回、失敗10回。1人でナショナルズを除くどの球団のセーブ失敗数の3分の1以上に相当する。守護神ジャンセンは22セーブを挙げたが、失敗6回のうち3回が3・4月に集中し、序盤の信頼を築けなかった。ベストは5月までに失敗3回、その後も27登板で防御率6.08のまま終わった。

一方でホルトンは67登板で防御率2.75、ホールド15。ブラント・ハーターも29登板で防御率3.06、セーブ失敗0と、つなぎは機能していた。崩れたのはあくまで「最後の1イニング」だった。

先発と打線は悪くなかった

主力投手2人が抜けたローテーションも、数字の上では持ちこたえている。トロイ・メルトンは20先発で防御率2.76、ケイダー・モンテロは25先発を含む32登板で防御率3.48。新加入のフランバー・バルデスは31先発174回で10勝12敗、防御率4.03と期待には届かなかったが、イニングは稼いだ。

打線は得点723で30球団14位、本塁打181本、OPS.720。突出してはいないが、ワイルドカード入りしたレッドソックス(689点)やガーディアンズ(678点)より多い。遊撃手ケビン・マッゴニグルは156試合で打率.278、出塁率.376、長打率.430、18本塁打、12盗塁。新人王の有力候補で、オールMLBチームの遊撃手部門の最終候補にも残った。

つまり先発・打線・つなぎの救援まではポストシーズン級の数字で、9回だけが別の球団だった。それが得失点差+71と76勝86敗の間にある13勝分の正体だ。

2027年に向けて

今季のタイガースは40人枠から延べ41人を故障者リストに登録した。2026年の故障者リストの一覧で振り返ると、投手陣の入れ替わりの多さが分かる。オフには救援陣の補強が最優先になる。2026-27年のFA・移籍の一覧で、どの救援投手が市場に出るかを追える。

ポストシーズンに進んだ12球団の戦いはMLBポストシーズン2026のトーナメント表にまとめている。得失点差でタイガースを下回りながら進出したアストロズ(-32)やガーディアンズ(+11)が、短期決戦でどう戦うかも見比べてほしい。

DiamondStats編集部の独自視点!

得失点差+71で負け越した球団は、記憶に残る範囲でそう多くない。普通なら「運が悪かった」で片づけられる数字だが、32回のセーブ失敗と27敗の1点差試合は、運というより構造だ。守護神・セットアッパー・ロングリリーフの3枚を実績のあるベテランの短期契約で埋める方針は、2年続けて春に崩れた。

来季の見どころは、ジャンセン、フィネガンという名前ではなく、セーブ成功率という1つの数字に絞っていい。この数字が65%(2025年並み)に戻るだけで、同じ得失点差なら取りこぼした約13勝の多くが戻ってくる。マッゴニグルとメルトンという若い軸は、もう手元にある。

よくある質問

Q. タイガースの2026年の成績は?

76勝86敗でアメリカン・リーグ中地区4位。得点723・失点652で得失点差は+71だったが、ポストシーズンには進めなかった。

Q. タイガースのセーブ失敗は何回?

32回。ナショナルズ(42回)に次いでメジャー2番目で、アメリカン・リーグでは最多。セーブ機会64回のうち半分を失った。

Q. タイガースの1点差試合の成績は?

17勝27敗。2025年は21勝12敗だった。延長戦は5勝9敗、サヨナラ負けは11度。

Q. タイガースで最も多くセーブを失った投手は?

カイル・フィネガンの10回。ケンリー・ジャンセンとドルー・アンダーソンが6回ずつ、ウィル・ベストが5回で続く。

Q. タイガースは2025年とどこが違ったのか?

得失点差は+67から+71へ良くなったが、セーブ成功率が64.5%から50.0%へ落ち、1点差試合の勝率が.636から.386へ下がった。勝ち数の差11勝は、ほぼ終盤の試合の取りこぼしで説明できる。

まとめ

  • タイガースは得失点差+71(30球団8位)で76勝86敗。得失点差から見込まれる勝ち数との差は約13勝で30球団最大
  • セーブ失敗32回はアメリカン・リーグ最多、成功率50.0%は30球団で下から2番目
  • 1点差試合17勝27敗、サヨナラ負け11度、5月だけでセーブ失敗11回
  • チーム防御率3.67は30球団6位。崩れたのは9回だけ

データはMLB公式Statsを独自に集計(2026年レギュラーシーズン最終)。

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