デトロイト・タイガースの2026年シーズンは、9月27日のパイレーツ戦(2-4)を最後に76勝86敗で終わった。アメリカン・リーグ中地区4位で、2024年・2025年と続いたポストシーズン進出は途切れた。10月9日には球団がヘッドアスレティックトレーナーら2人と袂を分かったと報じられ、オフの立て直しが本格的に始まっている。
結論を先に書く。タイガースは今季、得点723・失点652で得失点差+71を記録した。これはメジャー30球団で8番目に良い数字で、この上にいる7球団はすべてポストシーズンに進んだ。それでも負け越したのは、セーブ失敗32回、1点差試合17勝27敗、サヨナラ負け11度という「終盤の取りこぼし」が重なったからだ。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)が、MLB公式Statsの数字でその中身を確かめる。
得失点差+71で76勝86敗 30球団で最大の取りこぼし
得失点差から見込まれる勝ち数(ピタゴラス勝率・指数1.83、DiamondStats独自集計)を30球団で出すと、タイガースは約89勝が見込める数字だった。実際は76勝。差し引き約13勝は30球団で最大のマイナスで、2番目に大きいエンゼルス(約9勝)を4勝近く引き離している。

| 日付 | 相手 | 球場 | スコア(タイガース-相手) | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 09/17 | ホワイトソックス | 敵地 | 1-3 | 負け |
| 09/18 | ホワイトソックス | 敵地 | 11-8 | 勝ち |
| 09/19 | ホワイトソックス | 敵地 | 1-3 | 負け |
| 09/20 | ホワイトソックス | 敵地 | 1-8 | 負け |
| 09/21 | ナショナルズ | 本拠地 | 9-2 | 勝ち |
| 09/22 | ナショナルズ | 本拠地 | 1-3 | 負け |
| 09/23 | ナショナルズ | 本拠地 | 2-4 | 負け |
| 09/25 | パイレーツ | 本拠地 | 8-7 | 勝ち |
| 09/26 | パイレーツ | 本拠地 | 4-3 | 勝ち |
| 09/27 | パイレーツ | 本拠地 | 2-4 | 負け |
| 球団 | 勝敗 | 得点 | 失点 | 得失点差 | 見込み勝数 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| タイガース | 76勝86敗 | 723 | 652 | +71 | 約89勝 | -13 |
| エンゼルス | 62勝100敗 | 655 | 752 | -97 | 約71勝 | -9 |
| ジャイアンツ | 65勝97敗 | 669 | 760 | -91 | 約72勝 | -7 |
| ロッキーズ | 58勝104敗 | 752 | 944 | -192 | 約64勝 | -6 |
| カブス | 89勝73敗 | 850 | 703 | +147 | 約95勝 | -6 |
| ナショナルズ | 77勝85敗 | 821 | 815 | +6 | 約82勝 | -5 |
(2026年レギュラーシーズン最終。MLB公式Statsの得点・失点をもとにDiamondStats独自集計)
逆に見込みより勝ったのはレッズ(+10勝)、レイズ(+8勝)、パドレス(+6勝)。レイズは98勝で地区優勝、パドレスは91勝でワイルドカードに入った。同じ162試合でも、接戦をどちらに転がしたかで10勝以上の幅が出る。タイガースはその幅の、いちばん悪い側に立っていた。
セーブ失敗32回はアメリカン・リーグ最多 成功率50%は下から2番目
タイガースの今季のセーブ機会は64回。成功32、失敗32で、成功率はちょうど50.0%。セーブ失敗32回はナショナルズ(42回)に次いでメジャー2番目、アメリカン・リーグでは最多だった。
| 球団 | セーブ | 機会 | 失敗 | 成功率 |
|---|---|---|---|---|
| エンゼルス | 25 | 55 | 30 | 45.5% |
| タイガース | 32 | 64 | 32 | 50.0% |
| ナショナルズ | 42 | 84 | 42 | 50.0% |
| ジャイアンツ | 30 | 57 | 27 | 52.6% |
| マリナーズ | 35 | 63 | 28 | 55.6% |
| カブス | 36 | 64 | 28 | 56.3% |
(2026年レギュラーシーズン最終。成功率の低い順。MLB公式Stats)
成功率の上位はアストロズ77.8%(49/63)、レッドソックス76.7%(46/60)、ブルージェイズ75.4%(52/69)、レイズ75.3%(58/77)。タイガースと上位の差は約25ポイント。64機会に当てはめると16回分、つまり勝ち負けが入れ替わる試合が16試合あった計算になる。
ここで押さえておきたいのは、投手陣全体の数字は悪くなかったことだ。チーム防御率3.67はメジャー6位(1位ヤンキース3.23、2位ブルワーズ3.51、3位レッドソックス3.54)。失点652は7番目に少ない。9回の2アウトまで良い投手陣が、最後の3アウトで崩れていた。
1点差17勝27敗・サヨナラ負け11度 2025年との比較
2025年のタイガースは87勝75敗でワイルドカードに入った。そのときの得失点差は+67。今季の+71はそれより良い。それなのに11勝減った。
| 項目 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|
| 勝敗 | 86勝76敗 | 87勝75敗 | 76勝86敗 |
| 得失点差 | +40 | +67 | +71 |
| 1点差試合 | – | 21勝12敗 | 17勝27敗 |
| 延長戦 | – | 5勝8敗 | 5勝9敗 |
| セーブ失敗 | – | 22回 | 32回 |
| セーブ成功率 | – | 64.5%(40/62) | 50.0%(32/64) |
(MLB公式Stats。2024年は勝敗と得失点差のみ)
1点差試合は2025年の21勝12敗から今季17勝27敗へ。勝率で言えば.636から.386まで落ちた。得点2点差以内の試合に広げると23勝52敗。サヨナラ負けはMLB公式の試合速報の回別得点から数えると11度で、4月17日のレッドソックス戦(延長10回0-1)から始まり、5月までに7度。終盤の9月4日から6日のガーディアンズ3連戦では、ダブルヘッダー2試合(6-7、延長10回3-4)と6日(延長10回2-3)で3度続けてサヨナラ負けを喫している。地区首位との直接対決で、3試合とも1点差で落とした。
5月の11回で崩れた 月別の勝敗とセーブ失敗
月別に並べると、シーズンの形がはっきり見える。
| 月 | 勝敗 | セーブ失敗 |
|---|---|---|
| 3・4月 | 16勝16敗 | 5回 |
| 5月 | 6勝22敗 | 11回 |
| 6月 | 15勝11敗 | 3回 |
| 7月 | 15勝9敗 | 6回 |
| 8月 | 11勝16敗 | 3回 |
| 9月 | 13勝12敗 | 4回 |
(2026年レギュラーシーズン。3月26日開幕のため3月は4月に合算。MLB公式Statsの投手別記録からDiamondStats独自集計)
5月は6勝22敗で、この1か月だけでセーブ失敗11回。年間32回のうち3分の1がここに集まった。6月と7月は合計30勝20敗で、この2か月だけならワイルドカード争いに戻れる勝ち方だった。5月を他の月並みの12勝16敗で乗り切っていれば、年間82勝で、ワイルドカード3枠目のレッドソックス(87勝)にはまだ届かないが、地区2位ホワイトソックス(84勝)が見える位置にいた。
誰が失ったか 救援投手別のセーブ失敗
セーブ失敗32回のうち27回は、5人の投手に集中している。
| 投手 | 登板 | 投球回 | 防御率 | セーブ | 機会 | セーブ失敗 | ホールド |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カイル・フィネガン | 63 | 60.2 | 4.30 | 2 | 12 | 10 | 14 |
| ケンリー・ジャンセン | 50 | 45.0 | 3.20 | 22 | 28 | 6 | 1 |
| ドルー・アンダーソン | 49 | 108.0 | 3.67 | 2 | 8 | 6 | 6 |
| ウィル・ベスト | 27 | 26.2 | 6.08 | 2 | 7 | 5 | 7 |
| タイラー・ホルトン | 67 | 72.0 | 2.75 | 2 | 4 | 2 | 15 |
(2026年レギュラーシーズン最終。MLB公式Stats)
フィネガンは12機会で成功2回、失敗10回。1人でナショナルズを除くどの球団のセーブ失敗数の3分の1以上に相当する。守護神ジャンセンは22セーブを挙げたが、失敗6回のうち3回が3・4月に集中し、序盤の信頼を築けなかった。ベストは5月までに失敗3回、その後も27登板で防御率6.08のまま終わった。
一方でホルトンは67登板で防御率2.75、ホールド15。ブラント・ハーターも29登板で防御率3.06、セーブ失敗0と、つなぎは機能していた。崩れたのはあくまで「最後の1イニング」だった。
先発と打線は悪くなかった
主力投手2人が抜けたローテーションも、数字の上では持ちこたえている。トロイ・メルトンは20先発で防御率2.76、ケイダー・モンテロは25先発を含む32登板で防御率3.48。新加入のフランバー・バルデスは31先発174回で10勝12敗、防御率4.03と期待には届かなかったが、イニングは稼いだ。
打線は得点723で30球団14位、本塁打181本、OPS.720。突出してはいないが、ワイルドカード入りしたレッドソックス(689点)やガーディアンズ(678点)より多い。遊撃手ケビン・マッゴニグルは156試合で打率.278、出塁率.376、長打率.430、18本塁打、12盗塁。新人王の有力候補で、オールMLBチームの遊撃手部門の最終候補にも残った。
つまり先発・打線・つなぎの救援まではポストシーズン級の数字で、9回だけが別の球団だった。それが得失点差+71と76勝86敗の間にある13勝分の正体だ。
2027年に向けて
今季のタイガースは40人枠から延べ41人を故障者リストに登録した。2026年の故障者リストの一覧で振り返ると、投手陣の入れ替わりの多さが分かる。オフには救援陣の補強が最優先になる。2026-27年のFA・移籍の一覧で、どの救援投手が市場に出るかを追える。
ポストシーズンに進んだ12球団の戦いはMLBポストシーズン2026のトーナメント表にまとめている。得失点差でタイガースを下回りながら進出したアストロズ(-32)やガーディアンズ(+11)が、短期決戦でどう戦うかも見比べてほしい。
DiamondStats編集部の独自視点!
得失点差+71で負け越した球団は、記憶に残る範囲でそう多くない。普通なら「運が悪かった」で片づけられる数字だが、32回のセーブ失敗と27敗の1点差試合は、運というより構造だ。守護神・セットアッパー・ロングリリーフの3枚を実績のあるベテランの短期契約で埋める方針は、2年続けて春に崩れた。
来季の見どころは、ジャンセン、フィネガンという名前ではなく、セーブ成功率という1つの数字に絞っていい。この数字が65%(2025年並み)に戻るだけで、同じ得失点差なら取りこぼした約13勝の多くが戻ってくる。マッゴニグルとメルトンという若い軸は、もう手元にある。
よくある質問
Q. タイガースの2026年の成績は?
76勝86敗でアメリカン・リーグ中地区4位。得点723・失点652で得失点差は+71だったが、ポストシーズンには進めなかった。
Q. タイガースのセーブ失敗は何回?
32回。ナショナルズ(42回)に次いでメジャー2番目で、アメリカン・リーグでは最多。セーブ機会64回のうち半分を失った。
Q. タイガースの1点差試合の成績は?
17勝27敗。2025年は21勝12敗だった。延長戦は5勝9敗、サヨナラ負けは11度。
Q. タイガースで最も多くセーブを失った投手は?
カイル・フィネガンの10回。ケンリー・ジャンセンとドルー・アンダーソンが6回ずつ、ウィル・ベストが5回で続く。
Q. タイガースは2025年とどこが違ったのか?
得失点差は+67から+71へ良くなったが、セーブ成功率が64.5%から50.0%へ落ち、1点差試合の勝率が.636から.386へ下がった。勝ち数の差11勝は、ほぼ終盤の試合の取りこぼしで説明できる。
まとめ
- タイガースは得失点差+71(30球団8位)で76勝86敗。得失点差から見込まれる勝ち数との差は約13勝で30球団最大
- セーブ失敗32回はアメリカン・リーグ最多、成功率50.0%は30球団で下から2番目
- 1点差試合17勝27敗、サヨナラ負け11度、5月だけでセーブ失敗11回
- チーム防御率3.67は30球団6位。崩れたのは9回だけ
データはMLB公式Statsを独自に集計(2026年レギュラーシーズン最終)。
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