現地10月10日(日本時間11日)、クリーブランド・ガーディアンズはアメリカン・リーグ地区シリーズ第5戦でホワイトソックスを2対0で下し、2連敗からの3連勝でリーグ優勝決定シリーズ進出を決めました。この試合でガーディアンズの4投手は合わせて21奪三振を記録。MLB公式サイトは「ポストシーズン・レギュラーシーズンを通じて9イニングの試合では最多(レギュラーシーズンは少なくとも1900年以降の記録)」と伝えています。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)はこの21個の三振を、投手ごと・イニングごと・シリーズ5試合の推移で分解しました。結論から言うと、第5戦は突発的な好投ではなく、5試合で75奪三振、9イニング換算15.0個というシリーズ全体の流れの到達点でした。
第5戦の21奪三振を投手ごとに分解(10月10日・MLB公式Stats)
この日のガーディアンズは先発ギャビン・ウィリアムズから守護神ケイド・スミスまで4人の継投。27個のアウトのうち21個が三振で、アウトの77.8%を三振で取ったことになります。

| 日付 | 相手 | 球場 | スコア(ガーディアンズ-相手) | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 09/16 | ホワイトソックス | 本拠地 | 6-3 | 勝ち |
| 09/18 | アスレチックス | 本拠地 | 5-3 | 勝ち |
| 09/19 | アスレチックス | 本拠地 | 12-6 | 勝ち |
| 09/20 | アスレチックス | 本拠地 | 1-0 | 勝ち |
| 09/22 | レッドソックス | 敵地 | 3-2 | 勝ち |
| 09/23 | レッドソックス | 敵地 | 0-1 | 負け |
| 09/24 | レッドソックス | 敵地 | 1-0 | 勝ち |
| 09/25 | ロイヤルズ | 敵地 | 12-9 | 勝ち |
| 09/26 | ロイヤルズ | 敵地 | 11-5 | 勝ち |
| 09/27 | ロイヤルズ | 敵地 | 2-3 | 負け |
| 投手 | 投球回 | 被安打 | 四球 | 奪三振 | 球数 |
|---|---|---|---|---|---|
| ギャビン・ウィリアムズ(先発) | 5回2/3 | 1 | 2 | 12 | 94 |
| エリック・サブロウスキー | 1/3 | 0 | 0 | 1 | 5 |
| ハンター・ギャディス | 1回1/3 | 2 | 0 | 4 | 24 |
| ケイド・スミス(セーブ) | 1回2/3 | 0 | 0 | 4 | 27 |
| 合計 | 9回 | 3 | 2 | 21 | 150 |
ウィリアムズは94球で12奪三振。6回途中で降板したので、9回換算では19個の三振を奪うペースでした。ギャディスは4つのアウトを全部三振で取り、スミスは5つのアウトのうち4つが三振。救援3人は合計10個のアウトのうち9個が三振という内容です。
イニングごとに見ると、三振が1個だけだったのは初回のみ。2回・4回・7回・9回は3者連続三振で、9イニングすべてで最低1個の三振を奪っています。21個のうち14個は空振り三振でした。
ホワイトソックス打線は3安打無得点。得点はホセ・ラミレスが4回に放った2ランの2点だけで、投手陣が1点差にも持ち込ませない展開でした。
シリーズ5試合の奪三振推移 第1戦10個から第5戦21個へ
21奪三振は第5戦だけの数字ではありません。シリーズを通じた奪三振の推移を並べると、ホワイトソックス打線が試合ごとに追い込まれていった形が見えます。
| 試合(現地日付) | スコア | ガーディアンズ奪三振 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1戦(10月3日) | 0-3 | 10 | 負 |
| 第2戦(10月5日) | 3-4 | 13 | 負 |
| 第3戦(10月7日) | 9-3 | 19 | 勝 |
| 第4戦(10月8日) | 9-5 | 12 | 勝 |
| 第5戦(10月10日) | 2-0 | 21 | 勝 |
| 合計 | 75 | 3勝2敗 |
5試合すべて9イニング(45回)で75奪三振。9イニング換算で15.0個です。レギュラーシーズンのガーディアンズ投手陣は奪三振1530個で30球団3位、9イニング換算9.58個でした(DiamondStats調べ)。シリーズでは平常時の1.5倍以上の割合で三振を奪っていたことになります。
注目は第3戦の19奪三振です。この試合は先発ダニエル・エスピーノが2/3回で降板し、フォスター・グリフィンが2回2/3で7奪三振、スミスが2回で5奪三振と、救援陣が19個のうち17個を稼ぎました。負ければ敗退の第3戦から、ホワイトソックス打線はガーディアンズの速球系の救援陣に対応できなくなっていました。
ホワイトソックスの地区シリーズ進出までの歩みは「ホワイトソックスが7対3でワイルドカード2連勝」で扱っています。ワイルドカードシリーズを2連勝で突破した打線が、地区シリーズでは5試合で75三振。この落差がシリーズの結果そのものでした。
9イニング20奪三振以上の試合との比較 投手1人の記録との違い
MLB公式サイトが「9イニングの試合で最多」と伝えた21奪三振を、過去の9イニング20奪三振の試合と並べます。これまで9イニングで20奪三振に到達した例は、いずれも投手1人の完投による記録でした。
| 年月日 | 投手・球団 | 相手 | 奪三振 | 形 |
|---|---|---|---|---|
| 1986年4月29日 | ロジャー・クレメンス(レッドソックス) | マリナーズ | 20 | 1人で完投 |
| 1996年9月18日 | ロジャー・クレメンス(レッドソックス) | タイガース | 20 | 1人で完投 |
| 1998年5月6日 | ケリー・ウッド(カブス) | アストロズ | 20 | 1人で完投 |
| 2016年5月11日 | マックス・シャーザー(ナショナルズ) | タイガース | 20 | 1人で完投 |
| 2026年10月10日 | ガーディアンズ4投手 | ホワイトソックス | 21 | 4人の継投 |
ランディ・ジョンソンも2001年5月8日に9回で20奪三振を記録しましたが、その試合は延長11回まで続いたため9イニング試合の記録には数えられていません。
つまり21個は、エースが1人で投げ切る時代の記録を、先発5回2/3+救援3人という現代型の継投が上回った数字です。先発ウィリアムズの12個に救援陣の9個を足す構成は、球数制限と役割分担が当たり前になった今の野球でなければ生まれない形でした。
さらにこれがポストシーズンの、負けたら終わりの第5戦で出た点が大きい。レギュラーシーズンの記録でも20個が壁だったものを、最も失点が許されない場面で4投手が更新しました。
ウィリアムズとスミス 地区シリーズの数字をシーズンと比べる
21奪三振の柱になった2人の数字を、レギュラーシーズンの成績と並べます。
| 投手 | 区分 | 登板 | 投球回 | 奪三振 | 四球 | 自責点 | 9回換算奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ギャビン・ウィリアムズ | レギュラーシーズン | 32(全て先発) | 184回1/3 | 248 | 61 | 防御率3.76 | 12.11 |
| ギャビン・ウィリアムズ | 地区シリーズ | 3 | 11回2/3 | 24 | 5 | 2 | 18.5 |
| ケイド・スミス | レギュラーシーズン | 69 | 74回 | 107 | 23 | 防御率1.95・41セーブ | 13.01 |
| ケイド・スミス | 地区シリーズ | 5 | 6回2/3 | 11 | 1 | 1 | 14.9 |
ウィリアムズはレギュラーシーズンで248奪三振、9回換算12.11個とすでに高い水準でしたが、地区シリーズでは11回2/3で24奪三振。9回換算18.5個まで跳ね上がりました。第2戦では5回で11奪三振を奪いながら2失点で負け投手。第4戦では救援で1回を投げ、第5戦で中3日の先発として12奪三振。3試合に投げて全部で24個という起用法も含めて異例です。
スミスはシーズン41セーブ・防御率1.95の守護神。地区シリーズは5試合全てに登板し、6回2/3で11奪三振・四球1個。第3戦の2回5奪三振、第5戦の1回2/3・4奪三振と、イニングをまたぐ起用に応えています。
ガーディアンズがどのような成績でレギュラーシーズンを終えたかは「ガーディアンズのマジックナンバー 2026」でたどれます。85勝77敗で地区優勝。2位ホワイトソックスとは1ゲーム差で、その2球団が地区シリーズでぶつかり5試合まで争った結果が、この21奪三振でした。
相手打線の三振の中身 1番から9番まで誰が何個
21個の三振を、ホワイトソックスの打者別に見ます。先発した9人全員が最低1個は三振しており、突出した1人ではなく打線全体が抑え込まれた形です。
| 打者 | 打数 | 安打 | 三振 |
|---|---|---|---|
| カイル・ティール | 4 | 1 | 3 |
| 村上宗隆 | 4 | 0 | 4 |
| アンドリュー・ベニンテンディ | 4 | 0 | 4 |
| チェイス・マイドロス | 3 | 0 | 3 |
| コルソン・モンゴメリー | 2 | 0 | 2 |
| ブレントン・ドイル | 2 | 0 | 2 |
| その他4人 | 11 | 2 | 3 |
| 合計 | 30 | 3 | 21 |
4打席すべて三振が2人、3打席のうち3三振が2人。ワイルドカードシリーズで3ランを放った「チェイス・マイドロス」も3打数3三振でした。
DiamondStats編集部の独自視点!
この21奪三振で編集部が注目したいのは、ガーディアンズが「打てないチーム」のまま勝ち上がったことです。第5戦の自軍の安打は6本、得点は2点。2連敗した第1戦・第2戦も合計3得点しか取れていませんでした。そこから第3戦・第4戦で9点ずつ取って流れを変え、最後は再び投手陣だけで締める。得点力に頼らず三振で守り切る形は、短期決戦で最も崩れにくい勝ち方です。
次の相手はレイズ。ヤンキースを3連勝で退けた球団で、リーグ優勝決定シリーズは現地10月12日からタンパベイで始まります。レイズ打線はヤンキース投手陣から3試合で10得点。ガーディアンズの救援陣が9イニング換算15個の三振をレイズ相手にも続けられるか。そしてウィリアムズが中3日・中4日の連投をどこまで引き受けるかが最大の見どころです。
もう一つ。21個の三振の内訳で、救援3人が取った10個のアウトのうち9個が三振だった点は忘れないでください。サブロウスキー・ギャディス・スミスの3人は、ボールを打たせずに試合を終わらせました。守備や打球運に左右されない勝ち方ができる救援陣は、7試合制の優勝決定シリーズでさらに価値が増します。
ナショナル・リーグ側の組み合わせは「ドジャースが3年連続リーグ優勝決定シリーズ進出」で確かめられます。両リーグのトーナメント全体は「MLBポストシーズン2026 トーナメント表と結果」にまとめています。
よくある質問
Q. ガーディアンズの21奪三振はMLB記録ですか
MLB公式サイトによると、ポストシーズン・レギュラーシーズンを通じて9イニングの試合では最多です(レギュラーシーズンは1900年以降の記録)。これまでの9イニング試合は、クレメンス2回・ウッド・シャーザーの20奪三振が最多で、いずれも投手1人の完投でした。
Q. 21奪三振のうち誰が何個奪いましたか
先発のギャビン・ウィリアムズが5回2/3で12個。救援はエリック・サブロウスキー1個、ハンター・ギャディス4個、ケイド・スミス4個です。救援3人は10個のアウトのうち9個を三振で取りました。
Q. 地区シリーズ5試合のガーディアンズの奪三振数は
第1戦10個、第2戦13個、第3戦19個、第4戦12個、第5戦21個で合計75個です。45イニングで75個なので9イニング換算15.0個。レギュラーシーズンの9.58個を大きく上回りました。
Q. ガーディアンズの次の相手と日程は
アメリカン・リーグ優勝決定シリーズでレイズと対戦します。第1戦は現地10月12日(日本時間13日)にタンパベイで行われ、第3戦から第5戦はクリーブランドが本拠地です。
Q. 2連敗から3連勝で地区シリーズを突破したのは珍しいですか
5試合制の地区シリーズで初戦から2連敗した球団が逆転突破するのは、地元での2連敗だけに本拠地の利を失っていた点を含めて簡単ではありません。ガーディアンズは第3戦・第4戦を敵地シカゴで9得点ずつ取って追いつき、第5戦を本拠地で勝ちました。
まとめ
- 現地10月10日の地区シリーズ第5戦で、ガーディアンズ4投手が合計21奪三振。MLB公式サイトは9イニングの試合で最多と伝えた
- 先発ウィリアムズ12個、救援3人で9個。27アウトのうち21個が三振で割合は77.8%
- シリーズ5試合で75奪三振、9イニング換算15.0個。レギュラーシーズンの9.58個の1.5倍以上
- ウィリアムズは地区シリーズ3登板11回2/3で24奪三振。スミスは5試合全てに登板し6回2/3で11奪三振・四球1個
- 2連敗からの3連勝でリーグ優勝決定シリーズへ。相手はレイズで、現地10月12日に開幕する
データはMLB公式Statsを独自に集計(2026年10月10日現在)。
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