ニューヨーク・メッツが10月9日(米国時間)、編成部門の内部システムを作る「ソフトウェアエンジニア(ベースボールシステムズ)」の求人を公開しました。提示された年収は12万〜16万ドル。1ドル158.17円(三菱UFJ銀行10月9日仲値)で換算すると約1898万〜2531万円です。
この求人には、1年前にも同じ職名・同じ年収で募集が出ていました。つまりメッツは、今季74勝88敗で地区最下位に沈んだ直後に、現場の裏側を支える技術者を同じ条件でもう一度探しに出たことになります。選手の年俸ではなく「裏方の値段」から、球団の今を数字で見ていきます。
求人票に書かれた条件を円で読む
公開された求人票の主な条件は次のとおりです。金額は上記のレートで換算した目安です。

| 日付 | 相手 | 球場 | スコア(メッツ-相手) | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 09/17 | フィリーズ | 本拠地 | 0-3 | 負け |
| 09/18 | フィリーズ | 本拠地 | 6-3 | 勝ち |
| 09/19 | フィリーズ | 本拠地 | 10-3 | 勝ち |
| 09/20 | フィリーズ | 本拠地 | 2-7 | 負け |
| 09/22 | レンジャーズ | 敵地 | 6-3 | 勝ち |
| 09/23 | レンジャーズ | 敵地 | 7-2 | 勝ち |
| 09/24 | レンジャーズ | 敵地 | 1-3 | 負け |
| 09/25 | ナショナルズ | 敵地 | 6-7 | 負け |
| 09/26 | ナショナルズ | 敵地 | 7-1 | 勝ち |
| 09/27 | ナショナルズ | 敵地 | 4-6 | 負け |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職名 | ソフトウェアエンジニア(ベースボールシステムズ) |
| 年収 | 12万〜16万ドル(約1898万〜2531万円) |
| 勤務地 | シティ・フィールド(ニューヨーク州クイーンズ)・出社必須 |
| 経験 | 実務3年以上 |
| 必須技能 | Webの画面を作る枠組み(React)・データベース(SQL)・データ連携の仕組みづくり |
| あると望ましい | 監視の仕組み・クラウド・iOSアプリ開発・生成AIを使った開発ツール |
| 働き方 | シーズン中は夜間や週末の対応あり |
注目は最後の行です。求人票は「編成部門の各担当からの急な依頼に素早く応える」ことを仕事の中心に置き、シーズン中は夜や週末も重要なシステムを支えると明記しています。試合が動いている時間に、裏側でも人が動いている。データ戦略の現場はそういう勤務形態で成り立っています。
野球の知識は「あれば望ましいが必須ではない」とも書かれています。選手を評価する統計の専門家ではなく、データを現場へ届ける道具を作る人を探している求人です。
1年前と同じ職名・同じ年収で再募集
メッツのベースボールシステムズ部門の過去の募集を並べると、条件の推移が見えます。
| 公開日 | 職名 | 提示額 | 円換算の目安 |
|---|---|---|---|
| 2023年2月8日 | 同部門のアソシエイト(3職種) | 時給18.15ドル | 時給約2871円 |
| 2025年10月13日 | ソフトウェアエンジニア | 年収12万〜16万ドル | 約1898万〜2531万円 |
| 2026年10月9日 | ソフトウェアエンジニア | 年収12万〜16万ドル | 約1898万〜2531万円 |
2025年10月と2026年10月の求人は、職名も年収の幅も経験年数(3年以上)も同じです。シーズン終了直後の10月に募集を出す点も一致しています。1年で提示額が動かなかったことは、この職種の相場を球団が「据え置き」と判断したと読めます。
一方で2023年2月の募集は時給制のアソシエイト(見習いに近い枠)が3職種で、同じ部門の中に入口の役割と中核の役割が分かれていたことが分かります。
74勝88敗の中身を成績で確かめる
求人が出た今季のメッツはどんなチームだったのか。成績はMLB公式Statsを独自に集計しました(10月12日現在・レギュラーシーズン全162試合終了)。
| 年 | 勝敗 | 得失点差 | 地区順位 |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 77勝85敗 | -32 | 3位 |
| 2022年 | 101勝61敗 | +166 | 2位(ワイルドカード進出) |
| 2023年 | 75勝87敗 | -12 | 4位 |
| 2024年 | 89勝73敗 | +71 | 3位(ワイルドカード進出) |
| 2025年 | 83勝79敗 | +51 | 2位 |
| 2026年 | 74勝88敗 | -32 | 5位(最下位) |
74勝は、162試合制の年では2017年の70勝以来もっとも少ない数字です。得失点差の-32は2021年と同じで、ナショナル・リーグ東地区では唯一のマイナスでした。
今季の攻守の順位(30球団中)は次のとおりです。
| 指標 | 数値 | 30球団中の順位 |
|---|---|---|
| チームOPS | .706 | 24位 |
| 得点 | 699 | 21位 |
| チーム防御率 | 4.15 | 17位 |
| 失点 | 731 | – |
得点699・失点731からDiamondStats独自集計で算出した期待勝率(ピタゴラス勝率)は.478。162試合換算で約77勝です。実際の74勝はそれを3勝ほど下回っており、接戦の落とし方にも課題が残った1年でした。
ちなみにメジャー全体で見ると、メッツより勝ち数が少なかったのはロッキーズ(58勝)・エンゼルス(62勝)・アスレチックス(64勝)・ジャイアンツ(65勝)・ロイヤルズ(69勝)の5球団だけです。
選手の年俸と並べると見える「裏方の値段」
メッツはフアン・ソトに今季6187万5000ドル(約97.9億円)を支払っています。これはメジャー全体で1位の年俸です(当サイトのMLB年俸ランキング2026で日本円の比較ができます)。
| 比べるもの | 金額 | 技術者の年収上限との倍率 |
|---|---|---|
| フアン・ソトの2026年年俸 | 約97.9億円 | 約387倍 |
| 技術者1人の年収上限 | 約2531万円 | 1倍 |
DiamondStats独自集計では、ソト1人の年俸で、この求人の上限額の技術者を約387人雇える計算になります。もちろん人数を比べる話ではありません。ただ、現代の球団が「選手にかける金額」と「選手を活かすデータの道具にかける金額」のあいだに、これだけの桁の差があることは知っておいて損はない数字です。
DiamondStats編集部の独自視点!
今回の求人でいちばん気になったのは、必須技能に野球の知識が入っていないことです。必要なのは画面を作る力とデータを扱う力。球団の裏側はいま、野球の専門家よりも「道具を作れる人」を求めています。
もう一つは、1年前と同じ条件で、同じ時期に、同じ職名の募集が出た事実です。地区最下位の年でも裏方への投資は削らず、しかし増やしもしなかった。ここに、オフにチームをどう組み直すかの温度が表れていると編集部は見ています。
来季、メッツの得失点差がプラスに戻るか。それはグラウンドの話であると同時に、シティ・フィールドの事務所で夜や週末に動いている人たちの仕事の結果でもあります。
よくある質問
Q. メッツの求人の年収はいくらですか
年収12万〜16万ドルです。1ドル158.17円で換算すると約1898万〜2531万円です。勤務地はニューヨーク州クイーンズのシティ・フィールドで出社が必須です。
Q. 野球の知識がなくても応募できますか
求人票では野球の知識は「あれば望ましいが必須ではない」とされています。必須は実務経験3年以上と、Webの画面づくり・データベース・データ連携の技術です。
Q. メッツの2026年の成績はどうでしたか
74勝88敗でナショナル・リーグ東地区の最下位でした。得失点差は-32で、162試合制の年では2017年以来もっとも少ない勝ち数です。
Q. 1年前の求人と何が違いますか
職名・年収の幅・経験年数はすべて同じです。公開時期も2025年10月13日と2026年10月9日で、どちらもシーズン終了直後でした。
まとめ
- メッツは10月9日(米国時間)に編成部門の技術者を募集。年収は約1898万〜2531万円で、1年前と同じ条件
- 今季は74勝88敗の地区最下位。得失点差-32は地区で唯一のマイナスで、期待勝率より約3勝少なかった
- ソトの年俸約97.9億円は、この求人の上限額の約387倍
同じ地区のライバルは、どんな数字で来季に向かうのか。フィリーズの三塁に補強待望論 今季チームOPS.707は30球団22位をデータで検証もあわせてどうぞ。
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