山本由伸のゲームスコアが過去1000日で歴代3位 防御率2.60・奪三振136を独自検証
防御率2.60・12勝・奪三振136——2026年の実測値が「歴代3位」の評価を裏づけている
8月20日、山本由伸の過去1000日間のゲームスコアが歴代3位相当と報じられた。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)はMLB公式Statsの実測値から、その根拠と今季の立ち位置を検証する。
8月20日、山本由伸(ドジャース)が過去1000日間のゲームスコアで歴代3位に相当すると報じられた。ゲームスコアとは先発投手の登板ごとの質を数値化した指標で、一試合の出来をひとつの数字に落とし込める。2026年シーズン、山本は防御率2.60・12勝・奪三振136・投球回145.1という数字を積み上げており、大谷翔平が投手として登板しない今季のドジャースで文字通りの柱になっている。
ゲームスコアとは何か 防御率・勝利数と違って「一試合の質」を測る指標
ゲームスコアは、先発投手の一試合の出来を数値化する評価指標だ。投球回・奪三振・失点・被安打を組み合わせて算出し、50点前後が「平均的な先発」、70点以上が「好投」、90点以上が「傑出した試合」の目安となる。
ビル・ジェームズが考案し、トム・タンゴによる改良版が現在は広く使われている。勝利数や防御率とは異なり、打線の援護や守備の出来に左右されにくい点が特徴だ。チームが貧打でも、守備が乱れる日でも、「その日の登板の質」をより純粋に測れる指標として評価されている。
具体的な算出は、50点を出発点に、アウトを奪うごとに加点し、5回以降のイニング完了や奪三振で上乗せ、被安打・失点・与四球で減点していく積み上げ方式だ。あくまで1試合単位の「出来」を測る指標なので、対戦相手の打線の強さ、球場の広さ、時代ごとの得点環境までは補正しない。少数の傑出登板だけでも数字が跳ねやすいため、単発の高スコアよりも「長期間ならした水準」で見るほうが投手の実力に近い——今回の「1000日」という集計単位は、まさにこの弱点を補い、一発の好投ではなく継続性を評価する見方になっている。なお、ゲームスコアの各試合値はベースボール・リファレンスが公開しており、本文の防御率・奪三振・投球回といった数字はMLB公式Statsの実測値に基づく。
報道によれば、山本の直近1000日間(2023年来日前後から2026年8月現在まで)の全登板を通じた水準が、同じ条件で集計した歴代先発投手の中で3位にランクインするという。これは単年の成績ではなく、約2.7年にわたって質の高い登板を一貫して続けてきた積み重ねだ。ローテーションを年間通じて守りながら、毎回高水準の内容を出し続けることがいかに難しいかを考えると、この評価の重みは小さくない。逆に言えば、この数字が測っているのは「一番良かった日」ではなく「悪い日でも大きく崩れなかった」安定性であり、そこが単年のタイトル争いとは別の価値になる。
山本由伸の2026年シーズン実測値 MLB公式Statsが示す現在地
8月20日現在、MLB公式Statsから取得した山本由伸の2026年成績は以下のとおりだ。
| 指標 | 2026年実測値(8月20日現在) |
|---|---|
| 勝利 | 12 |
| 敗戦 | 7 |
| 防御率 | 2.60 |
| 奪三振 | 136 |
| 投球回 | 145.1 |
上表の数値はいずれも2026年8月20日時点のMLB公式Statsの実測値である。ゲームスコアの「過去1000日歴代3位」という順位は報道に基づく値で、DiamondStatsの独自集計ではない(今回の報道では歴代1位・2位の投手名は明示されていない)。以下で紹介する換算値だけがDiamondStatsによる独自算出で、算出条件はその都度明記する。
防御率2.60は、長丁場のシーズンを通じて2点台を維持することの難しさを考えると傑出した水準だ。奪三振136と投球回145.1はいずれもシーズン終了まで積み上げが続くため、最終的にはさらに大きな数字になる。投球回の多さはブルペンへの負担を軽減するという意味でも、チームへの貢献として重要だ。
この数字を観戦や選手評価にどう使うかまで踏み込むと、注目すべきは防御率と投球回の両立だ。防御率だけが低い投手は、短いイニングで交代して数字を守っている場合がある。だが山本は145.1回という投球回を抱えながら2.60を維持している——つまり「長い回を投げてなお失点が少ない」という、エースにもっとも求められる形で数字を積んでいる。次の登板を観るときは、6回・7回まで球威が落ちないか、走者を背負った場面で長打や四球を出してゲームスコアを押し下げていないかを見ると、この「歴代3位」という評価が肌感覚でつかめるはずだ。
実測値から独自に算出すると、奪三振率(K/9)は約8.4になる。これは奪三振136を投球回145.1(=145回1/3)で割って9イニングに換算した値で、四球や被打球の質は含めない単純換算だ。9イニングあたり8個以上を奪いながら防御率2.60を保っているという事実は、三振でアウトを重ねて走者を出さない形が失点の少なさに直結していることを示している。この「三振で片づけられる」形はゲームスコアでも加点が積み上がりやすく、歴代3位という評価と矛盾しない。
失点の少なさを支えるもう一つの要素が、一発(被本塁打)の抑制だ。下のグラフは月別の被本塁打の推移で、失点が一気に膨らむ長打を月をまたいで抑えられているかどうかは、防御率2.60を維持できている理由を読み解く手がかりになる。

図:月別の被本塁打の推移。夏場に入っても一発を抑え込めていることが、防御率2.60を下支えしている(MLB公式Statsより作成)。
サイ・ヤング賞を狙える根拠 4指標をひとつずつ読む
NLサイ・ヤング賞の選考では、防御率・勝利数・奪三振・投球回の4指標が評価の中心に置かれる。8月20日現在の山本の数字をこの枠組みで見ると、全項目で競争力のある水準にある。
防御率2.60 シーズン全体を通じて2点台を維持できれば、選考者の評価を大きく引き付ける。規定投球回に達しながら防御率2点台を保つ先発はリーグでも一握りで、この希少さがそのまま評価につながる。
12勝7敗 勝利数はチームの援護にも依存するが、現時点で12勝を積み上げていることは先発として機能している証明でもある。残り試合での積み上げ次第で最終的な数字が変わる。
奪三振136 サイ・ヤング選考では奪三振数が大きく取り上げられる場面が多い。8月時点のこの数字はシーズン終了まで伸び続ける。奪三振は打者との勝負を自力で完結できる力を示すため、ゲームスコアでも加点対象になっている。
投球回145.1 完投に近い登板を重ねてイニングを食えることは「エースの本来の仕事」だ。ブルペンへの信頼と、年間を通じた安定性の両方を示している。
この4指標がそろって高水準にあることが、ゲームスコア歴代3位という評価を数字の面から裏打ちしている。単発の好投ではなく、4指標すべてで穴がないからこそ「1000日ならした水準」でも上位に残る——ここが今季の山本を読み解く核心だ。
大谷不在が際立たせる 山本の「完全なる投手エース」としての2026年
2026年シーズン、大谷翔平は打者・走者として専念しており投手として登板していない。ドジャースの先発ローテーションの核は山本由伸が一手に担う形だ。
大谷がマウンドに立っていた頃は、日本人選手のMLB投手としての評価は自然と大谷を中心に語られることが多かった。今季は山本の成績がドジャースの投手指標の大部分を代表するかたちになっており、「過去1000日Game Score歴代3位」という評価がそのまま山本個人の実力として結びついている。
サイ・ヤング賞レースの行方は残り試合の積み上げで決まる。防御率2.60を維持しながら勝利を重ね、奪三振を積み上げる山本の後半戦に注目が集まる。
今季の山本由伸に関する過去の詳細は山本由伸の12勝目を歴代ドジャース日本人投手と比較した記事にまとめている。同じ日本人先発の系譜のなかで今季の数字がどの位置にあるかは、この比較記事を読むとつかみやすい。また山本由伸をヘルナンデスの逆転2ランが援護|11勝では11勝時点の状況を記録している。
DiamondStats編集部の独自視点!
過去1000日間ゲームスコア歴代3位という評価が今日出てきたが、これはある意味で当然の帰結だと思っている。2023年来日以来、山本由伸は故障で出遅れた時期を乗り越えながらも、登板のたびに安定した内容を積み上げてきた。その積み重ねが「1000日」という単位で集計されたとき、歴代3位という数字が出てきた——これは驚きというより、「データがついに追いついてきた」という感覚だ。
サイ・ヤング争いで気になるのは、防御率2.60がシーズン後半にどう動くかだ。後半戦は打者が投手のクセをつかんでいる局面でもあり、数字が悪化しやすい。それでも、ゲームスコアのような1試合単位の積み上げで長期間にわたって高水準を保ってきた投手は、そう簡単には崩れない。ここが単年のホットストリークで上位に来た投手との決定的な違いで、「悪い日をどれだけ小さく抑えられるか」が山本の強みだと見ている。今季の実測値でいえば、K/9約8.4で三振を奪いつつ防御率2.60・投球回145.1を両立させている点が、その「崩れにくさ」を数字の面から支えている。
最終的にサイ・ヤングを獲れるかは他候補の動き次第だが、「山本由伸がその候補にいる」という状況自体、MLBでの3年間が作り出したものだ。今季の後半戦、この投手がどこまで積み上げるかを見届けたい。
まとめ
山本由伸は2026年8月20日現在、防御率2.60・12勝7敗・奪三振136・投球回145.1という実測値で今季を積み重ねている。報道によれば過去1000日間のゲームスコアが歴代3位相当とされ、一試合ごとの登板質の高さが裏づけられている。この評価が測っているのは単発の好投ではなく「悪い日でも崩れない安定性」であり、防御率と投球回を両立させている点がその根拠だ。大谷翔平が投手として登板しない今季、山本がドジャースの投手エースとしてNLサイ・ヤング争いの最前線に立っている。
よくある質問
Q. 山本由伸の2026年シーズン成績は?
2026年8月20日現在のMLB公式Statsによると12勝7敗・防御率2.60・奪三振136・投球回145.1。
Q. ゲームスコアとは何ですか?
先発投手の一試合の出来を数値化した指標。投球回・奪三振・失点・被安打をもとに算出し、50点前後が平均的な先発、70点以上が好投、90点以上が傑出した試合の目安とされる。各試合の値はベースボール・リファレンスが公開している。
Q. ゲームスコアに弱点はないのですか?
ある。対戦打線の強さ・球場・時代ごとの得点環境を補正しないため、単発の高スコアだけでは実力を測りにくい。だからこそ「1000日」のように長期間ならして見ると、継続的な実力に近づく。
Q. 山本由伸の奪三振率(K/9)はどのくらいですか?
2026年8月20日時点の奪三振136・投球回145.1(=145回1/3)から単純換算すると約8.4。9イニングあたり8個以上を奪う水準で、四球や被打球の質は含めないDiamondStatsの独自算出値だ。三振でアウトを取りながら防御率2.60を保っている点が、ゲームスコア歴代3位という評価と整合する。
図:直近5登板の奪三振(多いほど良い)と自責点(少ないほど良い)の対比。三振で押しつつ失点を抑える登板が続いていることが、登板ごとに読み取れる。
Q. 山本由伸はサイ・ヤング賞を取れる可能性がありますか?
2026年8月20日現在の防御率2.60・12勝・奪三振136は選考で競争力のある水準。残り試合の積み上げと他候補の最終成績次第で可能性がある。
Q. 大谷翔平はなぜ2026年に投手として登板しないのですか?
大谷翔平は2026年シーズン、打者・走者として専念しており投手登板はない。ドジャースの先発投手の主力は山本由伸が担っている。
Q. 過去1000日間のゲームスコア歴代3位とはどういう意味ですか?
2023年来日前後から2026年8月までの約1000日間の全登板を集計し、その登板質の水準を歴代の先発投手と比較したときに3位にランクインするという指標。単年の成績ではなく、約2.7年の蓄積を評価したものだ。
データはMLB公式Statsを独自に集計。
⚾ 試合を観るには: MLB配信サービスの比較・視聴方法はこちら
文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)





