10月10日(日本時間11日)、ヤンキースがジャンカルロ・スタントンとの決別を検討している可能性がある、と米国の移籍情報サイトが伝えました。来季2027年は2014年にマーリンズと結んだ長期契約の最終保証年で、ヤンキースが残りを払って自由契約にする案も選択肢に含まれる、という内容です。
結論から言うと、ヤンキースの実質負担は約23.8億円まで下がります。残る保証額は約55.5億円ですが、2017年12月のトレード条項でマーリンズが約31.7億円を肩代わりするためです。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)はこの数字を、スタントンの「出場率」と「出たときの本塁打ペース」に並べて、放出検討が数字上どこから来ているのかを確かめました。
残り契約の中身 保証55.5億円のうちヤンキース負担は23.8億円
まず契約の構造です。金額は報道の換算(1ドル約158円)をそのまま使っています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 2027年の年俸(最終保証年) | 約39.6億円 |
| 2028年の球団オプションを行使しない場合の違約金 | 約15.8億円 |
| 残る保証額の合計 | 約55.5億円 |
| マーリンズの負担(トレード条項) | 約31.7億円 |
| ヤンキースの実質負担 | 約23.8億円 |
放出しても手元から出ていくのは約23.8億円です。「残りを払って自由契約」まで視野に入るのは、この肩代わりがあるからです。
ヤンキース9年の出場率は56.4% 2026年は24試合で止まった
次に、放出検討のいちばんの根拠になっている「出場できた試合の少なさ」を、MLB公式Statsの年度別出場試合で並べました(DiamondStats調べ。出場率は球団のレギュラーシーズン試合数で割ったもの)。

| 年 | 出場試合 | 球団の試合数 | 出場率 | 本塁打 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018 | 158 | 162 | 97.5% | 38 | .852 |
| 2019 | 18 | 162 | 11.1% | 3 | .895 |
| 2020 | 23 | 60 | 38.3% | 4 | .887 |
| 2021 | 139 | 162 | 85.8% | 35 | .870 |
| 2022 | 110 | 162 | 67.9% | 31 | .759 |
| 2023 | 101 | 162 | 62.3% | 24 | .695 |
| 2024 | 114 | 162 | 70.4% | 27 | .773 |
| 2025 | 77 | 162 | 47.5% | 24 | .944 |
| 2026 | 24 | 161 | 14.9% | 3 | .724 |
| 合計 | 764 | 1355 | 56.4% | 189 | ― |
9年で出場は764試合、出場率は56.4%。8割を超えた年は2018年と2021年の2回だけです。
2026年は4月24日のアストロズ戦を最後に、両ふくらはぎの肉離れで試合に出ていません。24試合96打席で打率.256、3本塁打、14打点、OPS.724。三振29は打席の約3割です。
ポストシーズンも代打の2打席は両方とも三振。レイズとの地区シリーズは0勝3敗で終わりました。試合の中身はヤンキースが地区シリーズで球団初の0勝3敗の記事でまとめています。
出れば40本ペース 現役最多の通算456本塁打
一方で、出たときの数字は衰えていません。ヤンキースでの764試合で189本塁打は、162試合に換算すると40.1本のペースです(DiamondStats独自集計)。2025年は77試合で24本塁打、OPS.944でした。
通算456本塁打は現役選手で最多です。MLB公式Statsから現役選手の通算本塁打を集計したトップ10は次のとおりです(2026年レギュラーシーズン終了時点)。
| 順位 | 選手 | 通算本塁打 | 出場試合 |
|---|---|---|---|
| 1 | ジャンカルロ・スタントン | 456 | 1750 |
| 2 | マイク・トラウト | 426 | 1790 |
| 3 | マニー・マチャド | 399 | 2052 |
| 4 | ブライス・ハーパー | 392 | 1947 |
| 5 | ポール・ゴールドシュミット | 390 | 2179 |
| 6 | アーロン・ジャッジ | 386 | 1211 |
| 7 | カイル・シュワーバー | 385 | 1447 |
| 8 | ノーラン・アレナド | 383 | 1939 |
| 8 | フレディ・フリーマン | 383 | 2332 |
| 10 | エウヘニオ・スアレス | 351 | 1755 |
2位のトラウトとの差は30本。スタントンより出場試合が少ないのは、6位のジャッジと7位のシュワーバーだけです。
ポストシーズンでも通算50試合で18本塁打、OPS.917。2024年はリーグ優勝決定シリーズMVPで、その年のポストシーズン14試合で7本塁打です。放出の検討は「打てないから」ではなく「出られないから」。数字の上でいちばんはっきりしている点です。
来季の指名打者をどう埋めるか ジャッジも66試合だった
ヤンキースの2026年は93勝68敗で地区2位、ワイルドカード1位でポストシーズンに進みました。ただ主軸の稼働は不安定で、アーロン・ジャッジも66試合の出場で18本塁打、OPS.871にとどまりました。経緯はアーロン・ジャッジが10日負傷者リスト入りで書いています。
報道では、球団は守備と走塁で動ける若い選手を優先する意向です。選択肢は3つ。残して指名打者で使う、トレードで放出する、残りを払って自由契約にする。本人がトレード拒否権を持つため、トレードには本人の同意も要ります。
DiamondStats編集部の独自視点!
この話の本質は、約23.8億円を「払って手放す」か「払って1年使う」かの比較です。2025年のように77試合で24本打てるなら、実質23.8億円の指名打者は高くありません。問題は、その77試合を来季も確保できると誰も約束できないことです。
もう1つの軸は通算500本塁打まで残り44本という節目です。40本ペースの打者が、節目に届くだけの出場機会を得られるか。春季キャンプで両ふくらはぎの状態がどう伝えられるかが、最初の判断材料になります。
よくある質問
Q. スタントンの契約はいつまでですか?
2027年が最終保証年です。2028年は球団オプションで、行使しなければ違約金約15.8億円が発生します。
Q. 放出したらヤンキースはいくら払うのですか?
残る保証額は約55.5億円ですが、マーリンズが約31.7億円を負担するため、ヤンキースの実質負担は約23.8億円です。
Q. スタントンの2026年の成績は?
24試合で打率.256、3本塁打、14打点、OPS.724です。4月24日を最後に両ふくらはぎの肉離れで欠場しました。
Q. スタントンの通算本塁打は現役で何位ですか?
通算456本で現役最多です。2位はマイク・トラウトの426本、3位はマニー・マチャドの399本です(2026年レギュラーシーズン終了時点)。
まとめ
放出検討が伝えられたスタントンは、ヤンキース9年で出場率56.4%、2026年は24試合で止まりました。一方で出れば162試合換算40本ペース、通算456本塁打は現役最多です。残りの実質負担は約23.8億円。球団は「打てるが出られない」打者に、この金額と来季の指名打者の枠を使うかを決めることになります。データはMLB公式Statsを独自に集計しました。
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