ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキーが2026年レギュラーシーズンに投げた100マイル(約161キロ)以上の投球は1115球。投球速度が全球記録されるようになった2008年以降で、1シーズンの最多記録です。これまでの最多は2018年にジョーダン・ヒックス(当時カージナルス)が救援で投げた673球で、ミジオロウスキーはその1.66倍を1人で積み上げました(10月10日現在、MLB公式Statsを独自集計)。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)が投球追跡データを1球ずつ集計すると、この数字は「速い球を何球か投げた」話ではなく、全投球の42.1%が100マイル以上という投手としての設計そのものの話だと分かります。
100マイル超1115球の中身を数字で分ける
ミジオロウスキーの2026年レギュラーシーズンの総投球数は2649球。そのうち1115球が100マイル以上でした。速度の段階ごとに分けると次のとおりです。

| 速度の段階 | 球数 | 全投球に占める割合 |
|---|---|---|
| 100マイル以上 | 1115球 | 42.1% |
| 101マイル以上 | 743球 | 28.0% |
| 102マイル以上 | 365球 | 13.8% |
| 103マイル以上 | 143球 | 5.4% |
| 104マイル以上 | 22球 | 0.8% |
※2026年レギュラーシーズン・DiamondStats独自集計(MLB公式Stats)
102マイル以上だけでも365球。これは2016年のアロルディス・チャップマン(当時ヤンキース・カブス)が記録した100マイル以上の572球の6割を超えます。
球種で見ると、1115球のうち1113球がフォーシーム、残り2球はシンカーでした。フォーシームは今季1677球投げて平均100.6マイル。つまりミジオロウスキーのフォーシームは3球に2球(66.4%)が100マイル以上でした。
最速は現地6月26日のカブス戦で計測した105.5マイル。先発投手としては追跡史上最速で、全投手でも歴代3位タイの数字です。
歴代の上位と比べる 2位ヒックスとの差は442球
1シーズンの100マイル以上の球数を、2008年以降の主な速球派で集計しました。
| 順位 | 投手 | 年 | 100マイル以上 | 総投球数 | 割合 | 役割 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ジェイコブ・ミジオロウスキー | 2026 | 1115球 | 2649球 | 42.1% | 先発 |
| 2 | ジョーダン・ヒックス | 2018 | 673球 | 1282球 | 52.5% | 救援 |
| 3 | アロルディス・チャップマン | 2016 | 572球 | 976球 | 58.6% | 救援 |
| 4 | メイソン・ミラー | 2026 | 518球 | 1154球 | 44.9% | 救援 |
| 5 | メイソン・ミラー | 2024 | 510球 | 1037球 | 49.2% | 救援 |
| 6 | アロルディス・チャップマン | 2015 | 503球 | 1169球 | 43.0% | 救援 |
| 7 | アロルディス・チャップマン | 2014 | 497球 | 935球 | 53.2% | 救援 |
| 8 | ヨアン・ドゥラン | 2023 | 474球 | 1034球 | 45.8% | 救援 |
| 9 | ジョーダン・ヒックス | 2023 | 470球 | 1124球 | 41.8% | 救援 |
| 10 | ジャスティン・マルティネス | 2024 | 426球 | 1201球 | 35.5% | 救援 |
※レギュラーシーズン・DiamondStats独自集計(MLB公式Stats)。主な速球派の投球を集計
1位と2位の差は442球。2位から10位までの9人は全員が救援投手で、年間の総投球数は1000球前後です。ミジオロウスキーは先発として2649球を投げ、その4割強を100マイル以上で通しました。「割合」ではチャップマンの58.6%やヒックスの52.5%が上ですが、球数の母数が2倍以上あるため、合計で誰も届かない数字になりました。
先発投手としての従来の最多は、2022年のハンター・グリーン(レッズ)の337球。ミジオロウスキーはその3.3倍です。MLB公式Statsの集計では、2008年以降に1シーズン500球以上の100マイル超を投げた救援投手はチャップマン、ミラー、ヒックスの3人だけで、先発投手で通算1000球に達した投手もいませんでした。それを1シーズンで超えたのが今季の数字です。
1000球目は9月8日のカブス戦 月ごとの積み上げ
1000球目に達したのは現地9月8日のカブス戦。この試合の3回、32球目の100マイル超で大台に乗りました。この日は93球のうち45球が100マイル以上でした。
月ごとの積み上げを見ると、夏場に割合が跳ね上がっています。
| 月 | 総投球数 | 100マイル以上 | 割合 | フォーシーム平均速度 |
|---|---|---|---|---|
| 3・4月 | 555球 | 109球 | 19.6% | 99.0マイル |
| 5月 | 531球 | 241球 | 45.4% | 100.7マイル |
| 6月 | 391球 | 219球 | 56.0% | 101.5マイル |
| 7月 | 333球 | 193球 | 58.0% | 101.9マイル |
| 8月 | 460球 | 169球 | 36.7% | 100.3マイル |
| 9月 | 379球 | 184球 | 48.5% | 100.8マイル |
※2026年レギュラーシーズン・DiamondStats独自集計(MLB公式Stats)
開幕直後の3・4月はフォーシーム平均99.0マイルで、100マイル以上は5球に1球でした。5月に平均が100マイルを超え、7月は平均101.9マイル、100マイル以上が58.0%まで上がりました。8月に一度落ちたあと、9月に再び48.5%へ戻しています。「シーズン後半に速度が落ちる」という先発投手の一般的な傾向とは逆の形です。
1試合単位でも記録を塗り替えました。現地7月26日のロッキーズ戦は83球のうち66球が100マイル以上(79.5%)。1試合の最多記録で、101マイル以上63球、102マイル以上54球、103マイル以上33球も同時に1試合の最多です。この日は立ち上がりから7者連続三振を奪い、最速104.7マイルを計測しました。
| 日付(現地) | 相手 | 総投球数 | 100マイル以上 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| 7月26日 | ロッキーズ | 83球 | 66球 | 79.5% |
| 6月12日 | フィリーズ | 95球 | 58球 | 61.1% |
| 7月7日 | カージナルス | 103球 | 57球 | 55.3% |
| 5月25日 | カージナルス | 96球 | 57球 | 59.4% |
| 6月26日 | カブス | 107球 | 55球 | 51.4% |
※1試合の100マイル以上の球数・上位5試合(2026年レギュラーシーズン・DiamondStats独自集計)
球団1チーム分を1人で投げた 1年前の自分との比較
ブルワーズの投手陣が2026年に投げた100マイル以上の球は合計1206球。そのうちミジオロウスキーが1115球で、球団全体の92.5%を1人で占めました。2番手はアブネル・ウリベの76球です。

2026年より前の「1チームの1シーズン最多」は2018年カージナルスの673球で、その673球はすべてヒックスが投げたものでした。ミジオロウスキーの1115球は、過去のどの球団の年間合計よりも多い数字です。
1年前の自分との比較も、変化の大きさを示します。
| 年 | 先発 | 投球回 | 総投球数 | 100マイル以上 | 割合 | 防御率 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 14 | 66回 | 1165球 | 213球 | 18.3% | 4.36 | 87 |
| 2026 | 30 | 174回2/3 | 2649球 | 1115球 | 42.1% | 1.80 | 252 |
※レギュラーシーズン・MLB公式Stats
2025年はメジャー1年目で100マイル以上が213球。2026年はその5.2倍に増え、割合も18.3%から42.1%へ2.3倍になりました。速度を上げながら防御率を4.36から1.80に下げたのが、この1115球の価値です。防御率1.80の中身はこちらの記事で詳しく集計しています。
速さは結果に結びついたか 防御率・被打率でも1位
100マイル以上を1115球投げたうえで、ミジオロウスキーの2026年レギュラーシーズンは16勝5敗・防御率1.80・252奪三振。防御率と奪三振の両方でメジャー1位でした(防御率2位はキャム・シュリットラーの1.95、奪三振2位はギャビン・ウィリアムズの248)。
| 項目 | ミジオロウスキー 2026 | 比較 |
|---|---|---|
| 被打率 | .157 | 2000年ペドロ・マルティネス .167 |
| WHIP | 0.80 | 2000年ペドロ・マルティネス 0.74/2019年ジャスティン・バーランダー 0.80 |
| 奪三振率(9回あたり) | 12.98 | 2026年メジャー1位の252奪三振 |
| 与四球 | 44 | 174回2/3で |
※レギュラーシーズン・MLB公式Stats
被打率.157は、2000年のペドロ・マルティネス(レッドソックス)の.167を下回ります。WHIP0.80は2019年のバーランダーと同じ数字で、1995年のグレッグ・マダックス(0.81)より良い値です。
速球派の先発にありがちな「速いが制球が荒れる」型ではなく、174回2/3で与四球44。100マイル以上の球を4割投げながら、9イニングあたりの四球は2.27個でした。
ポストシーズンでも続く 104.8マイルは追跡史上最速
レギュラーシーズンが終わっても、球数は積み上がっています。現地10月3日のパドレスとの地区シリーズ初戦では、88球のうち52球が100マイル以上。初回にフェルナンド・タティスJr.へ投げた104.8マイルは、ポストシーズンの追跡史上最速でした(これまでの最速は2025年のメイソン・ミラーの104.5マイル)。この試合の投球内容は地区シリーズ初戦の記事で分けて集計しています。
ポストシーズンを含めると、2026年の100マイル以上は10月10日現在で1167球です。ブルワーズは地区シリーズを3勝1敗で勝ち上がり、ドジャースとのリーグ優勝決定シリーズに進みました。球団史上初の100勝を支えた投手陣の全体像は、100勝到達の記事にまとめています。
100マイルの球を「たまに出す」投手と「土台にする」投手の違いは、救援のエドウィン・ディアスが2年ぶりに100マイルを超えたときのこちらの記事と並べると分かりやすいです。救援投手にとって100マイルは山場で出す一球、ミジオロウスキーにとっては1試合に40球から60球投げる通常の球です。
DiamondStats編集部の独自視点!
1115球という数字は、来年以降の記録の物差しを変えます。2位のヒックスの673球は救援投手が1年間ほぼ全力で投げて届いた数字で、先発投手がそれを超えるには、1試合で40球以上の100マイル超を30試合続ける必要がありました。ミジオロウスキーはそれをやったうえで、7月は投球の58%が100マイル以上でした。
編集部が注目しているのは、来季のフォーシームの割合です。今季のフォーシームは1677球で全投球の63%。カッター369球、スライダー297球、カーブ273球が残りを占めます。相手が100マイルの球を待ち構えるようになれば、フォーシームを減らして変化球を増やす選択も出てきます。そのとき100マイル超の球数が1000球を割るのか、それとも投球回を増やして上積みするのか。1115球は到達点ではなく、来季の比較の基準になります。
まとめ
- ミジオロウスキーの2026年レギュラーシーズンの100マイル以上は1115球。2008年以降の1シーズン最多で、2位ジョーダン・ヒックス(2018年・673球)の1.66倍
- 全投球2649球の42.1%が100マイル以上。フォーシーム1677球のうち1113球(66.4%)が100マイル超
- 1試合の最多は現地7月26日ロッキーズ戦の66球。1000球目は現地9月8日カブス戦の3回
- ブルワーズ全体の1206球のうち92.5%を1人で投げ、過去のどの球団の年間合計も上回った
- 速度だけでなく、防御率1.80・252奪三振・被打率.157でメジャー1位(10月10日現在)
よくある質問
Q. ミジオロウスキーの100マイル超は何球ですか?
2026年レギュラーシーズンで1115球です。2008年に投球の全球追跡が始まってからの1シーズン最多記録です。ポストシーズンの地区シリーズ初戦の52球を加えると、10月10日現在で1167球になります。
Q. これまでの記録は誰が持っていましたか?
2018年のジョーダン・ヒックス(当時カージナルス)の673球です。ヒックスは救援で73試合に登板し、1282球のうち673球が100マイル以上でした。3位は2016年のアロルディス・チャップマンの572球です。
Q. ミジオロウスキーの最速は何マイルですか?
レギュラーシーズンの最速は現地6月26日のカブス戦で計測した105.5マイル(約169.8キロ)です。先発投手としては追跡史上最速です。ポストシーズンでは現地10月3日に104.8マイルを計測し、ポストシーズンの追跡史上最速になりました。
Q. 1試合で100マイル以上を何球投げましたか?
最多は現地7月26日のロッキーズ戦の66球です。この試合の総投球数は83球で、約8割が100マイル以上でした。101マイル以上63球、102マイル以上54球、103マイル以上33球も1試合の最多記録です。
Q. 2026年の成績はどうでしたか?
30試合に先発し16勝5敗、防御率1.80、174回2/3で252奪三振です。防御率と奪三振の両方でメジャー1位でした。被打率.157、WHIP0.80もメジャー1位の数字です(レギュラーシーズン・MLB公式Stats)。
データはMLB公式Statsを独自に集計。数字は2026年10月10日現在。
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