ロサンゼルス・ドジャースは9月16日(米国時間)、外野手のライアン・ウォードをDFA(譲渡目的の指名)とし、9月22日に解雇した。2019年ドラフト8巡目で入団し、7年目の今季4月19日にようやくメジャー初昇格を果たした28歳は、わずか20試合でドジャースを去ることになった。報道では、日本の中日ドラゴンズへの移籍が伝えられている。
結論を先に書く。ウォードの20試合は打率.218ながら3本塁打12打点で、打点は5打席に1つのペースだった。2025年のトリプルエーでは36本塁打122打点でパシフィック・コーストリーグの本塁打王。それでも今季のドジャースには居場所がなかった。この記事では、MLB公式Statsのデータでその20試合とマイナー6年間を数字で振り返る。
ウォードのメジャー20試合 打率.218でも打点12は5打席に1つ
まずメジャーでの20試合をまとめる。ウォードは4月19日のロッキーズ戦でデビューし、2試合で再びオクラホマシティへ戻った。5月29日に再昇格してからは6月27日まで18試合に出場し、6月29日に降格。その後はメジャーに戻らないまま9月16日にDFAとなった。

| 項目 | 成績(2026年レギュラーシーズン) |
|---|---|
| 出場試合 | 20 |
| 打席/打数 | 60/55 |
| 安打/二塁打/本塁打 | 12/4/3 |
| 打点 | 12 |
| 四球/三振 | 5/17 |
| 打率/出塁率/長打率 | .218/.283/.455 |
| OPS | .738 |
打率は低いが、12安打のうち7本が長打で、長打率は.455ある。打点12は60打席で稼いだ数字で、DiamondStats調べで5.0打席に1打点のペースになる。これを162試合に換算すれば約97打点に相当するが、出場が20試合である以上、あくまで目安の数字だ。
特に目立ったのが6月10日のパイレーツ戦で、本塁打を含む3打数1安打4打点を記録した。5月31日のフィリーズ戦では復帰初戦で本塁打を打っている。6月7日のエンゼルス戦でも1本塁打を放ち、3本塁打はすべて5月31日から6月10日までの11日間に集中していた。
ただし、その後は6月11日から6月24日までの10試合で24打数3安打、打点0と失速している。この期間に三振は8個。短い機会で結果を出し続けることができなかった点が、9月の判断につながった。
トリプルエーで36本塁打 2位に8本差の本塁打王だった2025年
ウォードが「事実上の戦力外」と呼ばれるのは、マイナーでの実績との落差が大きいからだ。MLB公式Statsで2021年以降のマイナー成績を並べると、毎年20本塁打以上を打ち続けてきたことが分かる。
| 年 | 所属(級) | 試合 | 本塁打 | 打点 | 打率 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | グレートレイクス(ハイA) | 109 | 27 | 84 | .278 | .876 |
| 2022 | タルサ(ダブルA) | 116 | 28 | 78 | .255 | .805 |
| 2023 | オクラホマシティ(トリプルA) | 139 | 21 | 95 | .234 | .748 |
| 2024 | オクラホマシティ(トリプルA) | 120 | 33 | 101 | .258 | .860 |
| 2025 | オクラホマシティ(トリプルA) | 143 | 36 | 122 | .290 | .937 |
| 2026 | オクラホマシティ(トリプルA) | 106 | 18 | 82 | .249 | .779 |
2025年の36本塁打は、パシフィック・コーストリーグの本塁打部門で1位だった。MLB公式Statsの同年の順位を見ると、2位のニコ・カバダス(ソルトレイク)が28本で、ウォードは8本差をつけていた。打点122もリーグ1位で、2位の113打点に9打点差をつけていた。
| 2025年PCL本塁打 | 選手 | 本塁打 | 打点 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ライアン・ウォード(オクラホマシティ) | 36 | 122 |
| 2位 | ニコ・カバダス(ソルトレイク) | 28 | 84 |
| 3位 | ルイス・カンプサーノ(エルパソ) | 25 | 95 |
| 3位 | シェイ・ウィットコム(シュガーランド) | 25 | 64 |
| 5位 | マルコ・ルシアーノ(サクラメント) | 23 | 66 |
2021年から2026年までの6シーズンで、マイナー通算の本塁打は164本(2024年のルーキーリーグでの1本を含む)に達する。これだけ打っても昇格の機会は4月の2試合と、5月末から6月末までの1か月だけだった。
今季ドジャースがDFAした野手6人 ウォードの本塁打3は最多
ウォードは今季ドジャースがDFAした野手の中で、何番目の扱いだったのか。MLB公式Statsの取引記録を見ると、ドジャースは今季の開幕後に野手6人をDFAとしている(10月13日現在)。
| DFAの日付 | 選手 | 守備 | ドジャースでの試合 | 本塁打 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 5月12日 | マイケル・シアニ | 外野 | 0 | 0 | 0 | - |
| 5月25日・6月16日 | サンティアゴ・エスピナル | 内野 | 36 | 1 | 7 | .651 |
| 7月6日・8月4日 | チャッキー・ロビンソン | 捕手 | 8 | 0 | 1 | .174 |
| 9月1日 | ベン・ロートベット | 捕手 | 16 | 0 | 1 | .370 |
| 9月5日 | アレク・トーマス | 外野 | 7 | 0 | 3 | .513 |
| 9月16日 | ライアン・ウォード | 外野 | 20 | 3 | 12 | .738 |
DiamondStats調べでは、本塁打3・打点12・OPS.738はこの6人の中で最も良い数字だ。2番目に打点が多いエスピナルの7と比べても、ウォードは半分以下の出場試合で12打点を挙げている。それでもDFAとなったのは、成績の良し悪しより40人枠の枠組みの問題だった。
9月16日は、左腕クリス・ビュービックが60日間の負傷者リストから復帰した日でもある。復帰選手を40人枠に戻すには、誰かを外す必要があった。マイナーオプションの残る若手は温存され、28歳でトリプルAに6年いたウォードが枠を空ける役回りになった。
ドジャース外野の壁 ウォードが入れなかった左翼と指名打者
ウォードは左打ちの外野手で、守備位置は左翼が主だ。だがドジャースの左翼と指名打者には、今季も厚い選手層があった。指名打者の枠には投打二刀流の大谷翔平が固定され、外野にはアンディ・パヘス、テオスカー・ヘルナンデス、マイケル・コンフォートらが並ぶ。
さらに今季は、同じ左打ちの若手ホスウェイ・デパウラが昇格と降格を繰り返しながら代打の役割を担った。デパウラのトリプルA降格後の打席については、ホスウェイ・デパウラの記事でまとめている。22歳のデパウラと28歳のウォードでは、球団が将来に向けて残す優先順位が違っていた。
球団が優勝争いの最中にいたことも大きい。ドジャースは今季も地区を制し、3年連続でリーグ優勝決定シリーズに進出している。ポストシーズンのロースターに外野手を加える余地は小さく、9月のロースター拡張でもウォードは呼ばれなかった。
DiamondStats編集部の独自視点!
ウォードの20試合は、数字だけ見れば「もう少し見たい」水準だった。打率.218は褒められないが、60打席で長打7本・12打点は代打や左翼の控えとして十分に機能する。問題は年齢と枠だ。トリプルAで本塁打王になっても、28歳でオプションを使い切りつつある選手は、優勝を狙う球団では真っ先に枠の調整に使われる。
編集部が注目するのは、ウォードがこの先どこで打つかだ。報道どおりに日本球界へ移るなら、トリプルAで年30本以上を打ち続けた左の長距離砲が、日本の投手にどこまで対応するかが見どころになる。2025年の36本塁打は、マイナーの打者としては最高峰の数字だ。その打球がメジャーでは1か月しか見られなかったという事実が、ドジャースという球団の層の厚さを物語っている。
まとめ
ライアン・ウォードは2019年の入団から7年目の今季4月19日にメジャー初昇格を果たし、20試合で打率.218、3本塁打12打点を残した。2025年にはトリプルAで36本塁打122打点を記録し、パシフィック・コーストリーグの本塁打王になっていた。それでも9月16日にDFA、9月22日に解雇となり、今季ドジャースがDFAした野手6人の中では最も良い成績のまま球団を去った。
ドジャースの戦力層については、ABS(自動ボール・ストライク判定)で三振判定を25回覆した戦術の記事でも触れている。ポストシーズンを戦うドジャースの試合は、配信サービスで視聴できる。
よくある質問
Q. ライアン・ウォードはなぜドジャースをDFAになった?
成績不振というより40人枠の調整だった。9月16日に左腕クリス・ビュービックが60日間の負傷者リストから復帰し、その枠を空けるためにウォードがDFAとなった。メジャーでの20試合は打率.218、3本塁打12打点だった。
Q. ライアン・ウォードのメジャー成績は?
2026年に20試合に出場し、55打数12安打、3本塁打12打点、打率.218、出塁率.283、長打率.455、OPS.738だった(MLB公式Stats、10月13日現在)。メジャーデビューは4月19日のロッキーズ戦。
Q. ライアン・ウォードはマイナーで何本塁打を打った?
2025年にトリプルAのオクラホマシティで36本塁打122打点を記録し、パシフィック・コーストリーグの本塁打と打点の両部門で1位だった。2021年から2026年までの6シーズンでマイナー通算164本塁打を打っている。
Q. ライアン・ウォードはどこへ移籍する?
9月22日にドジャースから解雇され、報道では中日ドラゴンズへの移籍が伝えられている。10月13日現在、MLB公式Statsの取引記録には解雇以降の所属は登録されていない。
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