このテーマの最新の集計と分析はア・リーグMVPは誰か WAR・OPS・打点で見る2026年のレースにまとめています。
MLB.comが記者投票をもとに実施した中間調査では、37人中34人がアルバレスに1位票を投じた。だが選手の総合的な貢献度を測るWARで見ると、首位は別の選手になる。ダイヤモンドスタッツが公式成績を突き合わせたところ、今季のア・リーグMVP争いには「打撃成績で選ぶか、WARで選ぶか」という2つの見方が併存していることが分かった。
アストロズのヨルダン・アルバレスが、打率・本塁打・打点・OPSのいずれでもア・リーグ上位に立ち、記者投票でも大差の支持を集めている。一方でロイヤルズのボビー・ウィット・ジュニアはWARでリーグ首位に立ち、守備・走塁を含めた総合力でアルバレスに割って入る。レイズのフニオール・カミネロ、ヤンキースのベン・ライスも本塁打30本台で存在感を示す。MLB公式サイトの選手成績をもとに、11月のMVP発表まで4人の候補を数字で追う。
レギュラーシーズン最終成績(MLB公式Stats)
この欄はレギュラーシーズン終了時点の数字です。本文の分析は公開時点の数字です。
| 部門 | 順位 | 選手 | 数字 |
|---|---|---|---|
| WAR(野手) | 1位 | ボビー・ウィット Jr.(ロイヤルズ) | 7.0 |
| WAR(野手) | 2位 | ヨルダン・アルバレス(アストロズ) | 6.8 |
| WAR(野手) | 3位 | ランディ・アロザレーナ(マリナーズ) | 5.5 |
| OPS | 1位 | ヨルダン・アルバレス(アストロズ) | 1.033 |
| OPS | 2位 | ウィルソン・コントレラス(レッドソックス) | .902 |
| OPS | 3位 | ベン・ライス(ヤンキース) | .897 |
| 本塁打 | 1位 | ピート・アロンソ(オリオールズ) | 43 |
| 本塁打 | 2位 | ヨルダン・アルバレス(アストロズ) | 42 |
| 本塁打 | 2位 | フニオール・カミネロ(レイズ) | 42 |
| 打点 | 1位 | ピート・アロンソ(オリオールズ) | 113 |
| 打点 | 2位 | ヨルダン・アルバレス(アストロズ) | 106 |
| 打点 | 3位 | フニオール・カミネロ(レイズ) | 101 |
出典:MLB公式Stats。WAR・FIPはMLB公式Statsの算出値で、ほかの算出元の数字とは異なることがある。
8月28日時点、4候補の成績を並べる
MLB公式サイトの集計による、現時点(8月28日終了時点)の4候補の成績は次の通り。
| 選手 | チーム | 試合 | 打率 | OPS | 本塁打 | 打点 | WAR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヨルダン・アルバレス | アストロズ | 132 | .319 | 1.043 | 36 | 91 | 5.7 |
| ボビー・ウィット・ジュニア | ロイヤルズ | 116 | .289 | .825 | 16 | 49 | 6.2 |
| フニオール・カミネロ | レイズ | 133 | .280 | .897 | 35 | 84 | 4.0 |
| ベン・ライス | ヤンキース | 128 | .253 | .882 | 35 | 83 | 2.5 |
打率・OPS・本塁打・打点の4部門で、アルバレスが単独または同列の首位に立つ。とりわけOPS1.043は4人の中で唯一の大台超えで、2位カミネロの.897に146ポイントの差をつける。出場試合数が116試合とやや少ないウィットが打点49にとどまっているのも、打撃3部門でアルバレスに水をあけられている一因だ。
WARで見ると首位が入れ替わる
打撃成績とは対照的に、選手の総合的な価値を1つの数字にまとめるWARでは、ウィットが6.2でア・リーグ首位に立つ。遊撃の守備でリーグ屈指の評価を受けており、打撃だけでなく守備・走塁の貢献がWARを押し上げている。アルバレスは5.7で2位、カミネロ4.0、ライス2.5と続く。
詳しくはWARとは?セイバーメトリクスで見る選手の「本当の価値」【2026年データ付き】でまとめています。
出場試合数の差を踏まえ、ダイヤモンドスタッツ独自に162試合換算したWARのペースを算出した。
| 選手 | 現在の試合数 | 現在のWAR | 162試合換算ペース |
|---|---|---|---|
| ボビー・ウィット・ジュニア | 116 | 6.2 | 8.7 |
| ヨルダン・アルバレス | 132 | 5.7 | 7.0 |
| フニオール・カミネロ | 133 | 4.0 | 4.9 |
| ベン・ライス | 128 | 2.5 | 3.2 |
(ダイヤモンドスタッツ調べ。実際のシーズン成績は残り試合の出来次第で変動する)
ペースで見てもウィットの優位は変わらない。守備の負担が大きい遊撃を守りながら打率.289を残している総合力は、WAR型の評価軸では最有力候補と言える。
過去のMVP受賞者の最終成績と比べる
現在の4候補の数字が、実際にMVPを獲得した選手の最終成績と比べてどの位置にあるかを見る。比較対象は直近のア・リーグMVPであるアーロン・ジャッジの2025年と、本塁打62本のリーグ記録を打ち立てた2022年。
| シーズン | 選手 | 打率 | OPS | 本塁打 | 打点 | WAR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025年(MVP) | アーロン・ジャッジ | .331 | 1.145 | 53 | 114 | 9.7 |
| 2022年(MVP) | アーロン・ジャッジ | .311 | 1.111 | 62 | 131 | 10.6 |
| 2026年・現在 | ヨルダン・アルバレス | .319 | 1.043 | 36 | 91 | 5.7 |
| 2026年・現在 | ボビー・ウィット・ジュニア | .289 | .825 | 16 | 49 | 6.2 |
アルバレスの本塁打36本を162試合換算すると約44本、打点91は約112打点まで伸びる計算になる。OPSは1.043とジャッジの過去2シーズン(1.145、1.111)にやや及ばないものの、大きく懸け離れた数字ではない。一方でWARは、過去のMVPシーズンが9〜10台だったのに対し、現時点の首位ウィットでも6.2にとどまる。残り1カ月強で、打撃・WARのどちらの指標でも「歴代MVP級」と呼べる領域まで伸ばせるかが、11月の投票を左右しそうだ。
まとめ
打率・OPS・本塁打・打点の主要4部門はアルバレスが独走し、記者による中間投票でも支持を集めている。ただしWARで見るとウィットが首位で、162試合換算でもその差は縮まらない。過去のMVPシーズンと比べると、打撃成績・WARともにまだ伸びしろがあり、残り1カ月の成績次第で順位が変わる余地は残る。ダイヤモンドスタッツはこのページを11月のMVP発表まで毎日更新し、4候補の数字の変化を追っていく。
WARの考え方や、逆に数字が伴わなかった契約の例はMLBの不良債権契約をWARと年俸で検証した記事で詳しく扱っている。ナ・リーグ側のMVP争いはクロウアームストロングと大谷翔平の本塁打争いを追った記事を参照。ポストシーズンの日程はプレーオフ日程発表の記事にまとめている。
よくある質問
Q. ア・リーグMVPは誰が最有力ですか。
8月28日時点では、打率・OPS・本塁打・打点の主要4部門で首位に立つアストロズのヨルダン・アルバレスが最有力とされる。MLB.comの記者投票でも大差の支持を集めている。
Q. WARで見ても同じ結果になりますか。
ならない。WARではロイヤルズのボビー・ウィット・ジュニアが6.2でア・リーグ首位に立ち、アルバレスの5.7を上回る。打撃成績とWARで評価が分かれているのが今季の特徴だ。

Q. MVP候補の成績はいつ更新されますか。
このページは11月のMVP発表まで、4候補の打率・OPS・本塁打・打点・WARを毎日更新する予定。
Q. WARとは何ですか。
打撃・走塁・守備の貢献をすべて1つの数字にまとめた指標で、平均的な控え選手と比べてチームの勝利数をどれだけ増やしたかを表す。数字が大きいほど総合的な貢献度が高い。
Q. 過去のMVP受賞者と比べて、今季の候補の数字はどうですか。
本塁打・打点は162試合換算するとアーロン・ジャッジの過去のMVPシーズンに近づくが、WARはまだ届いていない。残りの試合でどこまで伸ばせるかが焦点になる。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)





