ヤンキースは2026年のポストシーズンで、ア・リーグ地区シリーズでレイズに3連敗して敗退しました。オフに入り、2027年に向けたロースター構築の議論が始まっています。
結論から書きます。2026年のヤンキースは投手力がメジャー最高級だった一方、打線は「出塁できない」チームでした。チーム防御率3.23はメジャー30球団で1位です。一方でチーム出塁率.311は24位でした。2027年の編成で埋めるべき穴は、数字の上ではっきりしています。
93勝でも地区2位 レイズとの差はどこにあったか
まず、レギュラーシーズン最終の順位を見ます(2026年レギュラーシーズン終了時点・MLB公式Stats)。

| 球団 | 勝 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
|---|---|---|---|---|---|
| レイズ | 98 | 64 | 736 | 650 | +86 |
| ヤンキース | 93 | 68 | 739 | 601 | +138 |
| レッドソックス | 87 | 75 | 689 | 611 | +78 |
| オリオールズ | 79 | 82 | 718 | 739 | -21 |
| ブルージェイズ | 79 | 83 | 648 | 694 | -46 |
意外なことに、得失点差はヤンキースが地区でいちばん上でした。レイズより得点が3点多く、失点は49点少なかったのです。それでも勝ち星はレイズより5つ少なく、地区優勝を逃しました。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)独自集計では、ヤンキースの1試合平均は得点4.59・失点3.73です。得点と失点の差は1試合あたり0.86点ありました。レイズは同じ計算で0.53点です。シーズン全体の力では上回っていながら、接戦を取り切れなかった形です。
投手陣はメジャー最高級 失点601は30球団で2位
投手陣の数字はリーグ屈指でした(2026年レギュラーシーズン終了時点)。
| 順位 | 球団 | チーム防御率 | 失点 |
|---|---|---|---|
| 1 | ヤンキース | 3.23 | 601 |
| 2 | ブルワーズ | 3.51 | 618 |
| 3 | レッドソックス | 3.54 | 611 |
| 4 | ドジャース | 3.55 | 600 |
| 5 | ブレーブス | 3.63 | — |
防御率は2位のブルワーズに0.28の差を付けての1位です。失点601は、ドジャースの600に1点及ばないメジャー2位でした。
主な投手の今季成績は次のとおりです。
| 投手 | 役割 | 登板 | 投球回 | 防御率 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|
| キャム・シュリットラー | 先発 | 33 | 193回2/3 | 1.95 | 239 |
| ポール・ブラックバーン | 救援 | 62 | 85回 | 1.59 | 69 |
| デービッド・ベドナー | 抑え | 64 | 69回1/3 | 2.47 | 76 |
| ライアン・ヤーブロー | 救援 | 38 | 63回1/3 | 3.69 | 49 |
先発のシュリットラーは防御率1.95です。救援のブラックバーンは85回を投げて防御率1.59でした。35セーブのベドナーを含め、来季の契約が焦点になる救援投手が多いのが今オフの特徴です。2027年の編成の第一歩は、この投手陣を崩さないことになります。
打線の弱点は出塁率 本塁打は多くても塁に出られない
問題は打線です。ヤンキースの今季の打撃成績を、得点上位の球団と並べます(2026年レギュラーシーズン終了時点)。
| 球団 | 1試合平均得点 | 打率 | 出塁率 | 本塁打 | 三振 |
|---|---|---|---|---|---|
| カブス | 5.25 | .251 | .339 | 220 | 1345 |
| ブルワーズ | 5.14 | .258 | .341 | 154 | 1383 |
| ドジャース | 4.94 | .257 | .338 | 204 | 1267 |
| ヤンキース | 4.59 | .235 | .311 | 223 | 1480 |
| レイズ | 4.54 | .258 | .326 | 169 | 1145 |
本塁打223本は、得点1位のカブス(220本)より多い数字です。それでも1試合平均得点は8位にとどまりました。打率.235、出塁率.311(30球団で24位)と、走者をためられなかったからです。
ブルワーズは本塁打154本でもヤンキースより1試合あたり0.55点多く取っています。出塁率の差は.030です。本塁打に頼る打線の限界が、数字に出ています。
アーロン・ジャッジ不在の66試合という事情
もう一つの事情が、アーロン・ジャッジの出場数です。今季はレギュラーシーズン66試合の出場にとどまりました。
| 項目 | 2026年の成績 |
|---|---|
| 出場 | 66試合 |
| 本塁打 | 18本 |
| 出塁率 | .360 |
| OPS | .871 |
出塁率.360はチーム平均の.311を大きく上回ります。DiamondStats独自集計で162試合に換算すると、本塁打は約44本のペースでした。主砲が半分以上の試合で不在だったことを考えると、打線の数字はある程度割り引いて見る必要があります。ただし、ジャッジの出場数に頼らない打線を組むことが来季の課題であることに変わりはありません。
捕手のオースティン・ウェルズは122試合で打率.186、出塁率.292でした。正捕手の打撃も、出塁率を押し下げた要因の一つです。
短期決戦で見えた得点力の差
ポストシーズンの得点を見ると、課題はさらにはっきりします(MLB公式Stats)。
| シリーズ | 相手 | 結果 | ヤンキースの得点 | 1試合平均 |
|---|---|---|---|---|
| ワイルドカードシリーズ | レッドソックス | 2勝0敗 | 18 | 9.00 |
| ア・リーグ地区シリーズ | レイズ | 0勝3敗 | 5 | 1.67 |
レイズとの地区シリーズでは、0-1、2-5、3-4で敗れました。3試合とも投手陣が試合を作りながら、3試合で5得点しか取れていません。シーズン平均の4.59点から大きく落ち込みました。1点差の初戦と第3戦は、出塁して1点をもぎ取る力の差がそのまま出た試合です。
DiamondStats編集部の独自視点!
2027年のヤンキースは、ゼロから作り直すチームではありません。防御率1位の投手陣と、得失点差で地区1位の地力があります。
私たちが注目するのは、本塁打を減らさずに出塁率を.320台に乗せられるかです。今季の.311から.015上がれば、レイズ(.326)と同じ水準になります。四球を選べる打者や、三振の少ない打者を1人か2人加えるだけでも、地区シリーズのような1点差の試合の結果は変わるはずです。
もう一つは救援陣です。ブラックバーンとベドナーの2人で154回1/3を投げました。この2人の去就が、オフの最初の山場になります。
まとめ
- ヤンキースは2026年に93勝。得失点差+138は地区1位だったが、地区優勝はレイズ
- チーム防御率3.23はメジャー1位、失点601はメジャー2位
- 打線は本塁打223本でも出塁率.311で30球団24位、1試合平均得点は8位
- ジャッジの出場は66試合。162試合換算では約44本塁打のペースだった
- 地区シリーズは3試合で5得点。2027年の編成の焦点は出塁力と救援陣の維持
データはMLB公式Statsを独自に集計しています。
よくある質問
Q. 2026年のヤンキースの成績は?
レギュラーシーズンは93勝68敗で、ア・リーグ東地区2位でした。ワイルドカードシリーズでレッドソックスに2連勝したあと、地区シリーズでレイズに3連敗して敗退しました。
詳しくはヤンキースがワイルドカード2連勝で19対2|レッドソックスをスイープし地区シリーズへでまとめています。
Q. ヤンキースのチーム防御率は何位だった?
3.23でメジャー30球団の1位です。失点601はドジャースの600に次ぐ2位でした。
Q. ヤンキース打線の弱点は何?
出塁率です。チーム出塁率.311は30球団で24位でした。本塁打223本と長打は多かったものの、打率.235と走者をためられませんでした。
Q. アーロン・ジャッジは2026年に何試合出場した?
レギュラーシーズンは66試合の出場で、18本塁打・OPS.871でした。
Q. 2027年のヤンキースの編成の焦点は?
出塁率の高い打者を加えて得点力を上げることと、ブラックバーンやベドナーら好成績だった救援投手を維持することです。
ヤンキースのオフの動きは、移籍や契約が決まりしだいデータで追いかけます。ほかの球団のポストシーズンの振り返りも、DiamondStatsのトップページからご覧ください。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年10月時点)







