10月13日現在、コロラド・ロッキーズは今オフの先発補強を仕切り直す局面に入りました。1月から2月にかけて1年契約で迎えたマイケル・ローレンゼン、菅野智之、ホセ・キンタナのベテラン3人は、ローレンゼンが8月に放出され、残る2人もシーズン終了とともにフリーエージェント(FA)になる見通しです。
その結果だけを見れば「補強は失敗」で片づけたくなりますが、数字は明暗がはっきり分かれています。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)がMLB公式Statsを独自に集計すると、ロッキーズの先発防御率6.28は30球団で30位。ただし、その中でも3人の成績は、契約額と逆の順番に並んでいました。
先発防御率6.28はメジャー30球団で最下位(10月13日現在)
まず順位を言い切ります。2026年レギュラーシーズン終了時点のロッキーズ先発陣は、防御率6.28で30球団中30位。29位のアスレチックスとも0.67差があり、下から2番目とすら接戦になっていません。

| 日付 | 相手 | 球場 | スコア(ロッキーズ-相手) | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 09/17 | パドレス | 本拠地 | 2-9 | 負け |
| 09/18 | マリナーズ | 本拠地 | 4-5 | 負け |
| 09/19 | マリナーズ | 本拠地 | 5-3 | 勝ち |
| 09/20 | マリナーズ | 本拠地 | 1-2 | 負け |
| 09/22 | Dバックス | 本拠地 | 2-7 | 負け |
| 09/23 | Dバックス | 本拠地 | 3-5 | 負け |
| 09/24 | Dバックス | 本拠地 | 8-12 | 負け |
| 09/25 | ホワイトソックス | 敵地 | 1-6 | 負け |
| 09/26 | ホワイトソックス | 敵地 | 9-6 | 勝ち |
| 09/27 | ホワイトソックス | 敵地 | 2-4 | 負け |
| 順位 | 球団 | 先発防御率 | 先発の勝敗 | WHIP |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ヤンキース | 3.30 | 52勝44敗 | 1.14 |
| 2位 | ドジャース | 3.43 | 63勝36敗 | 1.08 |
| 3位 | レイズ | 3.51 | 61勝43敗 | 1.09 |
| 28位 | レッズ | 4.97 | 43勝57敗 | 1.45 |
| 29位 | アスレチックス | 5.61 | 32勝68敗 | 1.50 |
| 30位 | ロッキーズ | 6.28 | 28勝70敗 | 1.58 |
30球団の先発防御率をイニングで加重した平均は4.24(DiamondStats調べ)。ロッキーズはそこから2点以上離れています。先発陣が許した本塁打146本も、アスレチックスの150本に次ぐ多さでした。
それでも前年比では改善しています。2025年のロッキーズ先発陣は防御率6.65で、これも30位。球団成績は43勝119敗でした。2026年は58勝104敗で15勝増え、先発防御率は0.37だけ良くなりました。「最下位のまま、ほんの少し前に進んだ」が、この補強の正直な総括です。
FA補強3人の成績比較 契約額と成績が逆転
3人の契約条件は報道ベースの数字で、年俸の大きい順にローレンゼン、キンタナ、菅野でした。ところが実際の貢献度は、きれいにその逆になりました。
| 投手 | 年齢 | 契約(報道では) | 先発 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 結末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| マイケル・ローレンゼン | 34 | 1年約12億7000万円 | 25 | 3勝11敗 | 7.08 | 115回2/3 | 8月19日に放出 |
| ホセ・キンタナ | 37 | 1年約9億5000万円 | 11 | 2勝3敗 | 5.44 | 48回 | 左ひじで約4か月離脱 |
| 菅野智之 | 36 | 1年約8億1000万円 | 29 | 12勝12敗 | 5.37 | 154回1/3 | 球団最多勝・FAへ |
※年齢はシーズン中の満年齢。円換算は1ドル159円で計算。
ローレンゼンは25先発で防御率7.08。8月17日に戦力外となり、19日に放出されました。移籍先のブルージェイズでも救援6試合で0勝2敗、防御率8.49に終わっています。今季の合計は3勝13敗、防御率7.21でした。
キンタナは開幕直前の3月30日に右太もも裏の張りで故障者リスト入り。4月15日に復帰したものの、5月25日に左ひじのねんざで再び離脱し、5月28日には60日間の故障者リストへ移りました。復帰は9月19日。登板は11先発にとどまり、投球回48回は1年契約の投手としては物足りません。故障者リストの仕組みはMLB故障者リスト(IL・負傷者リスト)2026で解説しています。
菅野は29先発で154回1/3を投げ、球団で唯一150回を超えました。防御率5.37は3人の中で最も良く、12勝は球団トップ。ただしこれは球団内の比較で、30球団全体ではけっして良い数字ではありません。
前半と後半で何が変わったか オールスター前後の比較
3人の明暗は、7月14日のオールスターを境に見ると、さらにはっきりします。
| 投手 | 前半(7月13日まで) | 後半(7月16日以降) |
|---|---|---|
| ローレンゼン | 20先発 3勝9敗 防御率6.22 | 5先発 0勝2敗 防御率11.57(放出まで) |
| キンタナ | 9先発 2勝3敗 防御率5.27 | 2先発 0勝0敗 防御率6.43 |
| 菅野 | 16先発 8勝4敗 防御率4.80 | 13先発 4勝8敗 防御率6.04 |
前半の菅野は、本拠地が標高1600メートルのロッキーズとしては十分に機能していました。しかし7月1日から背中のけいれんで故障者リストに入り、復帰後の13先発では被本塁打17本。前半の16先発で16本だった一発が、投球回が14回少ないのに1本増えました。後半の失速は、球団が最後まで悩んだ「ベテラン先発を1年契約で何人そろえるか」という問いの答えを難しくしています。
ローレンゼンは後半5先発で18回2/3を投げて自責点24。これが放出の直接の数字です。
12勝は2021年マルケス以来の球団最多勝
ロッキーズで12勝を挙げた投手は、2021年のヘルマン・マルケス以来5年ぶりでした。ここ6年の球団最多勝を並べると、この球団の先発陣がどれだけ勝ち星に縁がなかったかが分かります。
| 年 | 球団最多勝の投手 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 |
|---|---|---|---|---|
| 2021 | ヘルマン・マルケス | 12勝11敗 | 4.40 | 180回 |
| 2022 | カイル・フリーランド | 9勝11敗 | 4.53 | 174回2/3 |
| 2023 | オースティン・ゴンバー | 9勝9敗 | 5.50 | 139回 |
| 2024 | カル・クアントリル | 8勝11敗 | 4.98 | 148回1/3 |
| 2025 | タナー・ゴードン | 6勝8敗 | 6.33 | 75回1/3 |
| 2026 | 菅野智之 | 12勝12敗 | 5.37 | 154回1/3 |
2025年の最多勝が6勝だったことを思えば、12勝は球団にとって大きな数字です。ただ、他球団の12勝投手と比べると見え方が変わります。パドレスのマイケル・キングは今季12勝10敗で防御率3.21。ロイヤルズではランディ・ドブナックが独立リーグ出身から12勝を挙げました。同じ12勝でも、防御率で2点以上の差があります。
12勝の価値を決めるのは「どの球団で、どの球場で投げたか」。ロッキーズの先発陣が最下位の中で積んだ12勝は、球団史の文脈では光り、リーグ全体の文脈では埋もれる数字です。
DiamondStats編集部の独自視点!
今オフのロッキーズは、3人分の年俸約30億円(報道では合計1910万ドル)が一度に空きます。1年契約のベテランを3人まとめて取る手法は、ひとりでも当たれば夏に売却して若手を得られるのが利点ですが、今季は唯一機能した1人が7月に故障者リストへ入り、売り時を逃しました。
先発防御率6.28という順位を動かすには、球団の若手がどれだけ先発の枠を埋められるかが鍵です。今季13先発して勝ち星が無かったガブリエル・ヒューズ、12先発で防御率が6点台だったタナー・ゴードンの来季が、FAでだれを取るかより先に見るべき数字だと編集部は考えています。
今オフの契約の動きはMLB FA・移籍 一覧 2026-27で随時更新していきます。ロッキーズが再び1年契約のベテランを並べるのか、方針を変えるのか。先発防御率の順位がどこまで動くかを追い続けます。
まとめ
- ロッキーズの先発防御率6.28は30球団で30位(10月13日現在)。2025年の6.65からは0.37改善したが順位は変わらず
- FA補強3人は、契約額の大きい順に成績が悪かった。ローレンゼンは8月19日に放出、キンタナは故障で11先発
- 唯一機能した菅野も後半13先発は4勝8敗で防御率6.04。12勝は2021年マルケス以来の球団最多勝だが、他球団の12勝投手とは防御率で2点以上の差がある
- 今オフは3人分の年俸約30億円が空く。先発の順位を動かすのは、若手の先発枠がどこまで埋まるかにかかっている
データはMLB公式Statsを独自に集計しました。
よくある質問
Q. ロッキーズの2026年の先発防御率は何位ですか?
防御率6.28で30球団中30位です(10月13日現在)。29位のアスレチックスは5.61で、その差は0.67あります。
Q. ロッキーズの2026年の成績は?
58勝104敗で、ナショナル・リーグ西地区の最下位です。2025年の43勝119敗からは15勝増えました。
Q. ロッキーズの2026年FA補強3人は誰で、結果はどうなりましたか?
マイケル・ローレンゼン、菅野智之、ホセ・キンタナの3人です。ローレンゼンは防御率7.08で8月19日に放出、キンタナは左ひじの故障で11先発にとどまり、菅野は12勝12敗で球団最多勝でした。3人とも1年契約のため、今オフにそろって球団を離れる見通しです。
Q. ロッキーズで最後に12勝した投手は?
2021年のヘルマン・マルケス(12勝11敗、防御率4.40)です。2026年の菅野智之が5年ぶりに12勝に並びました。
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