ホセ・アルトゥーベがポストシーズン通算28号 歴代1位まであと1本に迫る現地9月30日、アストロズのホセ・アルトゥーベが、ダイキン・パークで行われたアメリカン・リーグ・ワイルドカードシリーズ第2戦(対ホワイトソックス)の4回裏先頭でソロ本塁打を放ちました。相手先発ショーン・バークのスライダーを左翼席へ運んだ一発は、飛距離353フィート(約107.6メートル)、打球速度98.0マイル(約157.7キロ)。これがポストシーズン通算28号で、歴代1位マニー・ラミレスの29本まであと1本に迫りました。
ただし試合は3-7で敗れ、アストロズは2連敗でシーズン終了。記録更新の挑戦は2027年秋へ持ち越しとなりました。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)がMLB公式Statsを独自集計したところ、アルトゥーベのポストシーズン本塁打ペースは公式戦の約2倍。歴代上位でここまで「秋だけ別人」になる打者はいません。
歴代ポストシーズン本塁打ランキング(10月13日現在)
まず、アルトゥーベが歴代のどこにいるのかを押さえます。MLB公式Statsの通算成績から上位を並べました。

| 順位 | 選手 | 本塁打 | 試合 | 打数 | 打数/本塁打 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | マニー・ラミレス | 29 | 111 | 410 | 14.1 |
| 2 | ホセ・アルトゥーベ | 28 | 107 | 444 | 15.9 |
| 3 | カイル・シュワーバー | 24 | 76 | 255 | 10.6 |
| 4 | ジョージ・スプリンガー | 23 | 83 | 343 | 14.9 |
| 5 | バーニー・ウィリアムス | 22 | 121 | 465 | 21.1 |
| 6 | デレク・ジーター | 20 | 158 | 650 | 32.5 |
| 7 | マックス・マンシー | 19 | 85 | 278 | 14.6 |
| 7 | アレックス・ブレグマン | 19 | 104 | 388 | 20.4 |
| 7 | アルバート・プホルス | 19 | 88 | 304 | 16.0 |
| 10 | レジー・ジャクソン ほか | 18 | – | – | – |
18本には、レジー・ジャクソン、ミッキー・マントル、ネルソン・クルーズ、ジャンカルロ・スタントン、フレディ・フリーマン、カルロス・コレア、ブライス・ハーパーが並びます。
注目したいのは3位との差です。アルトゥーベとシュワーバーの間には4本の開きがあり、歴代2位と3位の差としてはかなり大きい。そして1位ラミレスとの差は、わずか1本。歴代の分布を見ると「29本と28本」が突出していて、その下に20本台前半の集団が続く形になっています。
今年のポストシーズンに残っている選手で最多はドジャースのマンシーの19本(10月13日現在)。この秋にアルトゥーベを抜く選手はいません。シュワーバー(フィリーズ)とスプリンガー(ブルージェイズ)もすでに敗退しているため、2027年の開幕時点でも順位は変わらずに迎えることになります。
ラミレスとの比較で分かる「ペースはほぼ同じ」
29本と28本。本数だけでなく、どれだけの試合でそこへ到達したかを比べると、2人の形がよく似ています。
| 項目 | マニー・ラミレス | ホセ・アルトゥーベ |
|---|---|---|
| ポストシーズン出場試合 | 111 | 107 |
| 本塁打 | 29 | 28 |
| 1試合あたり本塁打 | 0.261 | 0.262 |
| 打率 | .285 | .270 |
| OPS | .938 | .842 |
| 打点 | 78 | 57 |
| 出場した年数 | 11年(1995〜2009年) | 10年(2015〜2026年) |
| 最後の本塁打時の年齢 | 37歳 | 36歳(現在) |
1試合あたりの本塁打は0.261対0.262。ほぼ同じペースで積み上げてきたことが分かります。ラミレスは111試合で29本、アルトゥーベは107試合で28本。つまりアルトゥーベが、あと4試合でラミレスと同じ試合数を迎え、その間に1本打てば並ぶ計算です。
もう1つ見逃せないのが年齢です。ラミレスが29本目を打ったのは2009年、37歳の秋でした。アルトゥーベは1990年5月生まれで、2027年のポストシーズンを37歳で迎えます。奇しくも、ラミレスが最後の1本を打ったのと同じ年齢で記録に挑むことになります。
公式戦の2倍で打つ「秋の打者」(DiamondStats独自集計)
アルトゥーベのすごさは、本数そのものより、公式戦との落差にあります。
| 区分 | 試合 | 本塁打 | 162試合換算 |
|---|---|---|---|
| 公式戦通算(2011〜2026年) | 2111 | 271 | 20.8本 |
| ポストシーズン通算 | 107 | 28 | 42.4本 |
公式戦では162試合あたり20.8本の打者が、ポストシーズンでは42.4本ペース。相手が各球団のエース級ばかりになる舞台で、本塁打の割合が2倍に跳ね上がっています。生涯本塁打に占めるポストシーズンの割合は9.4%。ラミレスは公式戦555本に対してポストシーズン29本で5.0%ですから、アルトゥーベの「秋への偏り」は際立っています。
今季の公式戦は135試合で16本塁打、打率.250、OPS.701。2018年以来の静かな数字でした。それでもポストシーズンの初戦から2試合目で一発を放ったあたりに、この打者の性格が出ています。
28本の内訳 リーグ優勝決定シリーズに12本
ポストシーズンといっても、どの段階で打ったかで意味は変わります。MLB公式Statsの試合ログから28本を分けました。

| シリーズ | 本塁打 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ワイルドカードシリーズ | 1 | 2026年 対ホワイトソックス |
| 地区シリーズ | 11 | 2017年 対レッドソックス第1戦で1試合3本 |
| リーグ優勝決定シリーズ | 12 | 2019年 対ヤンキース第6戦のサヨナラ弾 |
| ワールドシリーズ | 4 | 2017年 対ドジャース、2021年 対ブレーブス |
12本はリーグ優勝決定シリーズで、しかも相手は2019年のヤンキース、2020年のレイズ、2021年のレッドソックス、2023年のレンジャーズと毎年違います。対戦相手別では、レイズ6本、レッドソックス5本、ヤンキース4本、レンジャーズ3本。特定の投手陣を苦手にしていない、という見方もできます。
年ごとの積み上げでも、一気に稼いだ年はありません。2017年に7本、2019年と2020年と2021年に5本ずつ、2023年に4本。2022年は13試合で0本に終わりましたが、翌年すぐに4本を上積みしています。ラミレスも1年の最多は4本(1997年、1998年、2007年、2008年)で、2人とも「毎年コツコツ型」でした。
2027年に向けた見通し
アストロズは今季81勝81敗でアメリカン・リーグ西地区を制しましたが、ワイルドカードシリーズで2連敗。公式戦では226本塁打でメジャー最多を記録したチームの打線が、秋は2試合で3得点ずつにとどまりました。
来年の記録更新に必要なのは2本。アルトゥーベのペースなら約8試合分です。ワイルドカードシリーズから地区シリーズまで勝ち上がれば試合数は届きますが、ワイルドカードシリーズで敗退すると最大3試合しかありません。つまり「アストロズがどこまで勝ち進むか」が、そのまま記録の行方を決めます。
敗退したアストロズを破ったホワイトソックスについては、121敗から2年で地区シリーズに進んだ道のりを別の記事で追っています。
DiamondStats編集部の独自視点!
1本差で持ち越し、という結果だけ見れば惜しい話です。でも編集部が注目したいのは、107試合と111試合という「土俵の広さ」です。ジーターは158試合で20本、ウィリアムスは121試合で22本。ヤンキース黄金期の2人より少ない試合数で、アルトゥーベはすでに上を行っています。
もう1つ。2027年、アルトゥーベが37歳で挑むのと同じ秋に、シュワーバー(34歳)とスプリンガー(38歳)が追ってきます。シュワーバーの10.6打数に1本というペースは歴代上位で突出していて、仮にフィリーズが長いシリーズを戦えば、1年で5本を上積みしても不思議ではありません。来年の秋は「アルトゥーベが抜くか」と「シュワーバーが追いつくか」が同時に進む、珍しい記録争いになりそうです。
今年のポストシーズンの個人成績は2026年ポストシーズン個人成績ランキングで毎日更新しています。ドジャースのフリーマンが18本目を記録した経緯は、フリーマンのポストシーズン通算本塁打の記事でまとめました。
まとめ
- アルトゥーベは9月30日のワイルドカードシリーズ第2戦でポストシーズン通算28号。歴代1位ラミレスの29本まであと1本
- 1試合あたり本塁打は0.262で、ラミレスの0.261とほぼ同じペース
- 公式戦の162試合換算20.8本に対し、ポストシーズンは42.4本ペース(DiamondStats独自集計)
- 内訳はリーグ優勝決定シリーズ12本、地区シリーズ11本、ワールドシリーズ4本、ワイルドカードシリーズ1本
- アストロズは敗退したため、記録更新の挑戦は2027年秋、37歳で迎える
データはMLB公式Statsを独自に集計しました。
よくある質問
Q. ポストシーズン本塁打の歴代最多は誰で何本?
マニー・ラミレスの29本です。1995年から2009年にかけて、インディアンス(現ガーディアンズ)、レッドソックス、ドジャースで111試合に出場して記録しました。2位がアルトゥーベの28本です。
Q. アルトゥーベはあと何本で記録に並ぶ?
あと1本で並び、2本で単独1位になります。アストロズは2026年のワイルドカードシリーズで敗退したため、次の機会は2027年のポストシーズンです。
Q. アルトゥーベのポストシーズン28本の内訳は?
リーグ優勝決定シリーズ12本、地区シリーズ11本、ワールドシリーズ4本、ワイルドカードシリーズ1本です。1試合3本は2017年の地区シリーズ第1戦(対レッドソックス)の1度だけです。
Q. 現役でアルトゥーベに次ぐ選手は?
カイル・シュワーバーの24本、ジョージ・スプリンガーの23本です(10月13日現在)。シュワーバーは76試合で24本と、1本あたりの打数が歴代上位で最も少ない打者です。
Q. 2026年のポストシーズン本塁打はいつ打った?
現地9月30日、ダイキン・パークで行われたワイルドカードシリーズ第2戦の4回裏です。ホワイトソックス先発ショーン・バークから左翼へのソロ本塁打で、飛距離は353フィートでした。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年10月時点)







