2026年シーズン、カブスが今季70勝に到達した試合で、先発の今永昇太は9勝目の権利まであと1死のところで降板した。チームは乱打戦を制して連勝を伸ばし、鈴木誠也の一発と好守も光った一戦だったが、今永個人は「あと1つのアウト」で白星のチャンスを逃した。
この「あと1死」というわずかな差は、今永の2026年をそのまま象徴している。防御率3.74という内容の良さと、8勝9敗という負け越しの成績。この二つの数字のギャップを、MLB公式Statsの実測値およびファングラフス等のデータをもとにDiamondStatsが検証する。(成績はいずれも8月12日時点)
今永昇太 2026年の実測データ
まずは今季ここまでの数字を整理する。
| 項目 | 2026年 実測 |
|---|---|
| 勝敗 | 8勝9敗 |
| 防御率 | 3.74 |
| 投球回 | 137回1/3 |
| 奪三振 | 130 |
| 奪三振率(K/9・ダイヤモンドスタッツ調べ) | 8.52 |
| 勝敗の決着数(ダイヤモンドスタッツ調べ) | 17試合 |
防御率3.74は、先発ローテーションを一年通して任される投手として十分に計算できる数字だ。にもかかわらず勝敗は8勝9敗と負け越している。勝ち星と投球内容が噛み合っていない——これが今永の2026年を読み解く最大のポイントになる。
防御率3.74で「負け越し」が意味すること
投手の勝敗は、本人の投球内容だけで決まらない。味方打線の援護、救援陣の出来、降板のタイミングといった「自分では動かせない要素」に大きく左右される。
今永は今季17回、勝敗のついた試合(勝ち+負け)に立ち、そのうち白星は8。勝率にすると.471で、5割をわずかに下回る。だが防御率3.74は、先発投手として見劣りする数字ではない。防御率が示す「投球の質」と、勝敗が示す「結果」がずれているとき、その差の多くは援護点の少なさに起因する。
今季のカブス打線において今永登板時の平均援護率は約3.2点と、チーム全体の平均得点力を下回る傾向が見られる。また、FIP(守備無関係防御率)や、不運な被安打を測る残塁率などの周辺データを参照すると、防御率3.74という結果自体は運に大きく左右されたものではなく、投球内容(FIP周辺の実力値)と自責点のバランスが概ね一致していることがわかる。それにもかかわらず勝ち星が先行しない最大の要因は、防御率が示す投球の質に対し、味方からの得点援護や救援陣による勝利の継承が噛み合っていない「打線・リリーフとのタイミングの不一致(不運なゲームメイク)」にある。
今永の「援護に恵まれない」傾向は今回が初めてではない。DiamondStatsでは以前、今永昇太、5回1失点でも援護ゼロという試合を検証しており、好投が白星に結びつかない場面が今季たびたび起きてきた。今回の「あと1死で降板」も、その延長線上にある一戦だった。
奪三振130・K/9=8.52が示す支配力
勝敗の数字が地味でも、今永の投球内容そのものは崩れていない。奪三振は130に到達し、投球回137回1/3から計算した奪三振率(K/9)は8.52。9イニングあたり8個以上の三振を奪えている計算で、これは先発として明確な武器になる数値だ。
三振を安定して奪えているということは、走者を背負っても自力で局面を打開できるということ。防御率3.74がフロックではなく、地力に支えられた数字であることを、K/9が裏づけている。ここで留意すべき指標の意味と限界として、K/9は奪三振の総数を測る上で有効な一方、打者との対戦全体(与四球や被安打)を直接反映しないため、WHIPやFIPといった他の指標と併せて投手評価の全体像を捉える必要がある。
次のグラフは、今永の月別の推移をMLB公式Statsの実測値からDiamondStatsが作図したものだ。シーズンを通した波を視覚的に確認できる。

好不調の波はあっても、シーズンを通して大きく崩れず一定のラインを保っていることが読み取れる。
「あと1死」が続く今永とチームの現在地
皮肉なことに、今永が勝ち星を逃したこの試合で、カブスはしっかり勝ち切って今季70勝に到達した。個人の白星は伸びなくても、チームは今永の先発試合で確実に星を積み上げている。エースの投球が、勝敗という個人記録以上にチームへ効いている証拠だ。
カブスがこのまま勝ち星を伸ばした先にあるのがポストシーズンだ。進出の条件やシード権については2026年MLBプレーオフの仕組みとシード権で、球団の全体像はシカゴ・カブス完全ガイドで整理している。今永の一勝一勝が、その先の10月にどうつながるかが後半戦の見どころだ。
DiamondStats編集部の独自視点!
今永昇太の2026年は、「数字の見方」を教えてくれる一年だ。8勝9敗という勝敗だけを見れば平凡に映る。しかし防御率3.74、奪三振130、そして9イニングあたり8.52奪三振という中身を並べると、まったく違う投手像が浮かび上がる。勝敗は運とチーム事情に揺さぶられるが、防御率と奪三振は本人の腕がそのまま出る。編集部が注目したいのは、この「あと1死」の悔しさを、今永が次の登板でどう白星に変えていくか。援護さえ噛み合えば、二桁勝利は決して遠くない位置にある。後半戦、今永の一球一球にぜひ注目してほしい。
まとめ
- 2026年シーズン、カブスが70勝に到達した試合で、今永昇太は9勝目の権利まであと1死で降板した。
- 今季の実測は8勝9敗・防御率3.74・奪三振130・投球回137回1/3(8月12日時点)。
- 防御率3.74と8勝9敗の落差は、援護に恵まれない試合が多かったことを映している。
- K/9=8.52という支配力は健在で、白星が伸びる下地は十分にある。
よくある質問
Q. 今永昇太の2026年の成績は?
8月12日時点で8勝9敗、防御率3.74、奪三振130、投球回137回1/3です(MLB公式Stats)。
Q. 防御率3.74は良い数字ですか?
先発投手として一年間ローテーションを守れる水準の数字です。8勝9敗と負け越しているのは、投球内容よりも援護点など本人以外の要素が影響しています。

Q. 今永昇太の奪三振のペースは?
奪三振は130で、投球回から計算した奪三振率(K/9)は8.52です(ダイヤモンドスタッツ調べ)。9イニングあたり8個以上を奪える支配力があります。
Q. カブスは今どのくらい勝っていますか?
このニュースの試合で今季70勝に到達しました。順位やプレーオフ進出の見通しは、DiamondStatsのプレーオフ関連ページで確認できます。
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