- 試合: カブス 7、ドジャース 6(2026年8月5日、シカゴ)。今永: 5回8安打1失点・四球0・6奪三振・89球、8勝目。初回先頭の大谷に本塁打、以降は単打のみで無失点。
- ドジャース: 今季ワースト6連敗(2025年7月の7連敗以来)、連続スイープ負け。
- 今永 2026年通算(8/6時点・スポナビ): 23登板 8勝9敗 防御率3.60、132.2回、125奪三振、29四球、被安打116、WHIP1.09。
- 復調: 直近5登板は防御率1.21(報道)、直近7登板連続2失点以内。開幕〜5/7は8登板2.28(週ベ)。
8月5日、本拠地リグレー・フィールドでのドジャース戦にカブスの今永昇太が先発し、5回8安打1失点・四球0・6奪三振の粘投で今季8勝目を手にした。この勝利でドジャースは今季ワーストの6連敗。日本人左腕が「ロサンゼルスの泥沼」に引導を渡した一戦だった。
ただ、この記事で見たいのは勝敗そのものではない。通算防御率は3.60。数字だけ見れば平凡だ。しかしその内側では、はっきりと復調の波が起きている。8月5日の投球を起点に、今永の2026年をデータで分解していく。
8月5日の投球|初回・大谷の一発以外は封じ込めた
立ち上がり、初回先頭打者の大谷翔平に本塁打を許した。だが崩れたのはそこだけ。以降に打たれた安打はすべて単打で、失点は初回の1点のみに抑えた。
あわせて大谷翔平、4打数1安打の一日をデータで検証|103試合・打率.289を支える「静かな日」の意味も参考になります。
注目したいのは四球0という内容だ。8安打を浴びながらもランナーを溜めず、89球で5回をまとめた。1イニングあたり約17.8球という省エネ投球で、走者を背負っても最少失点でしのぐ「かわす技術」が光った。
| 8月5日 ドジャース戦 | 記録 |
|---|---|
| 投球回 | 5回 |
| 被安打 | 8(初回の本塁打以外は全て単打) |
| 自責点 | 1 |
| 与四球 | 0 |
| 奪三振 | 6 |
| 球数 | 89球 |
派手な奪三振ショーではない。失点を1点で止め、四球を出さない——先発投手に求められる「試合を壊さない仕事」を淡々とやり切った登板だった。
シーズン防御率3.60でも「直近は別人」|時期別の推移
通算成績の3.60という数字は、今永の"今"を正しく表していない。時期を区切ると、まったく違う顔が見えてくる。
| 時期 | 登板数 | 防御率 |
|---|---|---|
| 開幕〜5月7日 | 8登板 | 2.28 |
| 2026通算(8月5日時点) | 23登板 | 3.60 |
| 直近5登板 | 5登板 | 1.21(報道) |
開幕から5月上旬までは防御率2.28、被打率.179と好スタートを切っていた。その後、夏場にかけて数字を落とし、通算防御率は3.60まで上がった。ところが直近5登板の防御率は1.21まで再び急降下している(報道)。報道では直近7登板は連続して2失点以内とも伝えられており、8月5日の1失点はその流れをそのまま延長した内容だった。
「通算3.60の投手」ではなく、「今いちばん状態のいい先発の一人」——それがデータの示す今永の現在地だ。似た構図は、前半戦を数字で解き明かした菅野智之2026年前半戦の解析とも重なる。日本人先発は、通算値だけでは調子を読み違える。
制球で稼ぐタイプ|四球0が象徴するコントロール
今永の武器は速球の球速ではなく、四球の少なさにある。8月5日の四球0は偶然ではない。
2026年通算の132.2回・125奪三振・29四球を元に、ダイヤモンドスタッツで基本レートを算出した。
| 指標(ダイヤモンドスタッツ調べ) | 2026年の今永 |
|---|---|
| 奪三振率(K/9) | 8.48 |
| 与四球率(BB/9) | 1.97 |
| 奪三振と四球の比率(奪三振÷四球) | 4.31 |
| WHIP | 1.09 |
与四球率1.97はエース級の水準だ。奪三振を1イニング1個近く奪いながら、四球は9イニングに2個未満。奪三振と四球の比率4.31は、走者を無駄に増やさず打たせて取る今永の投球スタイルをそのまま数字にしている。
球威で押し込むのではなく、ゾーンの出し入れと制球で試合を組み立てる。8安打を浴びても1失点で収まるのは、この土台があるからだ。カブスの先発事情はシカゴ・カブス完全ガイドでも整理しているが、ローテの軸として今永の安定感は貴重だ。
防御率3.60で8勝9敗|「勝ち運」に恵まれない一年
もう一つ、データが浮かび上がらせるのが援護の薄さだ。防御率3.60の先発が8勝9敗と負け越しているのは、いかにも分が悪い。
直近5登板は防御率1.21(報道)という一級の内容ながら、そのうち2試合は敗戦がついた。好投しても打線の援護が届かず勝ちに結びつかない——この構図は、今永昇太が5回1失点でも援護ゼロだった一戦の分析でも同じ現象として検証している。
詳しくは今永昇太、5回1失点でも援護ゼロ 直近5登板ERA3.33で見えた復調の兆しでまとめています。
8月5日は打線が7点を挙げ、久々に投球内容と勝敗が噛み合った。今永にとっては「良い投球がようやく白星に変換された」1勝でもある。防御率と勝敗の乖離が大きい投手ほど、こうして援護に恵まれた日の勝利価値は高い。
まとめ
8月5日、今永昇太はドジャースを5回1失点に抑え、今季8勝目を挙げた。相手の6連敗という派手な見出しの裏で、データはもっと静かな事実を語っている。
- 四球0・89球で5回——走者を溜めない省エネ投球
- 通算防御率3.60でも直近5登板は1.21(報道)と復調が鮮明
- 与四球率1.97・奪三振と四球の比率4.31の卓越した制球
- 好投しても8勝9敗、援護に恵まれない一年でつかんだ価値ある白星
通算成績の「3.60」だけを見て今永を評価するのは早計だ。夏場の失速を抜け、今いちばん状態のいい状態でシーズン終盤に入ろうとしている。次回登板はナショナルズ戦。この復調が本物かどうか、次の1試合が答え合わせになる。
よくある質問
Q. 今永昇太の2026年シーズン成績は?
8月5日時点で23登板、8勝9敗、防御率3.60。投球回132.2回、125奪三振、29四球、WHIP1.09です(MLB公式Statsを独自に集計)。
この点は今井達也はなぜ防御率5.59でも6勝できたのか|奪三振71・K/9で読み解く「粘投」データ検証【2026年MLB】で詳しく整理しています。
Q. 8月5日のドジャース戦の投球内容は?
5回を投げて8安打1失点、四球0、6奪三振、89球でした。初回先頭の大谷翔平に本塁打を許しましたが、以降の安打はすべて単打で、失点は初回の1点のみに抑えて8勝目を手にしました。
Q. 今永の直近の調子は?
直近5登板の防御率は1.21(報道ベース)で、直近7登板は連続して2失点以内。通算防御率3.60という数字以上に、状態は上向いています。
Q. ドジャースの6連敗はいつ以来?
報道によると、今回の6連敗は2025年7月の7連敗以来。連続してスイープ負けを喫し、今季ワーストの連敗となりました。
Q. 今永の投球スタイルの特徴は?
球速で圧倒するタイプではなく、制球で試合を組み立てる左腕です。与四球率1.97、奪三振と四球の比率4.31と四球が極端に少なく、走者を溜めずに最少失点でしのぐ点が持ち味です。
データはMLB公式Statsを独自に集計。
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背景は大谷翔平 MLB通算300号は歴代5位の速さ 打者として1,102試合で到達で解説しています。
文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)





