MLB公式が選ぶ「今季12の驚き」で、シカゴ・ホワイトソックスの躍進が1位に選ばれた。2年前の2024年に近代野球史上最多となる121敗を喫したチームが、2026年はア・リーグ中地区の首位を走っている。この落差の大きさが「衝撃的」と紹介された。ダイヤモンドスタッツでは、この2年間の勝率の推移を数字で追い、何が転機になったのかを検証する。
121敗から2.5ゲーム差首位へ 3年間の成績推移
まず土台となる3年間の成績を並べる。

| シーズン | 成績 | 勝率 | 地区順位 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 41勝121敗 | .253 | 5位(近代最多敗戦) |
| 2025年 | 60勝102敗 | .370 | 5位 |
| 2026年(8月25日時点) | 69勝63敗 | .523 | 1位 |
2024年の121敗は、1962年メッツの120敗を上回る近代野球(1901年以降)最多の敗戦記録。21連敗(ア・リーグ記録に並ぶ)を含む大型連敗も重なり、ペドロ・グリフォル監督は28勝89敗の時点で解任された。
2026年は8月25日時点で69勝63敗、勝率.523。2位ガーディアンズ(68勝66敗)とは2.5ゲーム差で首位を守っている。162試合換算ペース(ダイヤモンドスタッツ調べ、132試合消化時点の勝率から算出)では約85勝に到達する計算になり、実際に41勝で終わった2024年とは40勝以上の開きが出る見込みだ。
関連記事: ホワイトソックス5年ぶり首位をデータ検証|得失点でも、今季の首位浮上を得失点の面から検証している。
5月の18勝10敗が転機 月別勝率でみる逆転のプロセス
2026年の月別成績を見ると、どこで流れが変わったかがはっきり出る。
| 月 | 成績 | 勝率 |
|---|---|---|
| 3・4月 | 14勝17敗 | .452 |
| 5月 | 18勝10敗 | .643 |
| 6月 | 13勝12敗 | .520 |
| 7月 | 13勝12敗 | .520 |
| 8月(25日まで) | 11勝12敗 | .478 |
開幕から4月末までは借金3で貯金なしのスタートだったが、5月に18勝10敗と一気に勝率.643まで押し上げた。ここが今季最大の伸び幅で、以降は6月・7月とも.520前後を維持し、首位を守る展開に持ち込んでいる。8月はやや失速して.478まで落ちているが、貯金6を残したまま終盤戦に入った。1点差ゲームは17勝10敗と接戦にも強く、これが借金生活だった2024年との最大の違いになっている。
得点力と若手台頭を支える数字
2024年のホワイトソックスは総得点507でリーグ最少、2番目に少なかったレイズと約100点の差がついていた「打てないチーム」だった。2026年はGMクリス・ゲッツが進めた若手中心の再建が実を結び、複数の若手が数字を残している。
| 選手 | ポジション | 主な成績 |
|---|---|---|
| コルソン・モンゴメリー | 遊撃 | 本塁打21(チーム最多) |
| ミゲル・バルガス | 内野 | 本塁打19(82試合)・WAR3.3 |
| サム・アントナッチ | 外野 | 出塁率.391(リーグ6位) |
| トリスタン・ピータース | 中堅 | 出塁率.345・守備でも高評価 |
先発陣ではデイビス・マーティンとグラント・テイラーがオールスター級の内容を見せているとMLB関連メディアで評価されている。過去に検証した先発防御率のデータ(関連記事: MLB防御率ランキング2023~|FIPで見る真)と照らしても、投打がかみ合って勝率を押し上げている構図が見える。
「12の驚き」が示す異例さ 歴代最悪クラスとの比較
MLB公式が今回の躍進を1位に挙げた理由は、121敗からの立て直しの速さにある。歴代最多敗戦は1899年クリーブランド・スパイダーズの134敗、近代(1901年以降)では2024年ホワイトソックスの121敗が最多で、これに次ぐのが1962年メッツの120敗。いずれのチームも長期低迷が続いたのに対し、ホワイトソックスはわずか2年でリーグワーストから地区首位に浮上した点が特異とされている。
ゲッツGMは大型契約に頼らず、若手の育成と少額トレードでの補強を軸に据えてきた。過去に検証した大型契約の失敗例(関連記事: MLB不良債権契約ワースト検証|WARと年俸で数)と対比すると、今回の再建がいかに手堅い積み上げによるものかが分かる。
まとめ
2024年に121敗を喫したホワイトソックスは、2026年8月25日時点で69勝63敗・勝率.523、ア・リーグ中地区首位に立っている。5月の18勝10敗が流れを変えた転機で、162試合換算では約85勝ペース。得点力の底上げには複数の若手の台頭があり、MLB公式が「今季12の驚き」の1位に選んだのも、この落差の大きさゆえだ。ガーディアンズとの差は2.5ゲームとまだ僅差であり、残り試合の月別勝率がそのまま地区優勝の行方を左右する。今後の推移は関連記事とあわせて追っていきたい。
よくある質問
Q. ホワイトソックスは2024年に何敗した?
2024年は41勝121敗で、1901年以降の近代野球で最多となる121敗を記録した。
Q. 2026年のホワイトソックスの現在の順位は?
8月25日時点で69勝63敗、ア・リーグ中地区で首位。2位ガーディアンズとは2.5ゲーム差。
Q. どの月が今季の転機になった?
5月に18勝10敗(勝率.643)を記録し、開幕から続いていた借金生活から一気に貯金生活へ転換した。
Q. 121敗から立て直せた要因は?
GMクリス・ゲッツが進めた若手中心の再建が中心。コルソン・モンゴメリーやミゲル・バルガスら若手野手の台頭に加え、先発陣も成長を見せている。
Q. 過去に121敗より多いシーズンはあった?
近代(1901年以降)では2024年の121敗が最多。歴代全体では1899年クリーブランド・スパイダーズの134敗がある。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)





