8月29日(日本時間30日)、ジャイアンツ本拠地でのダイヤモンドバックス戦第1試合、まだ1球も投げられていないメンバー表交換の場で、ロン・ウォータス上級アドバイザー(65、元三塁コーチ)が退場を告げられた。責任審判はアラン・ポーター氏(48)。前日の試合について尋ねたところ、話を打ち切りたいポーター氏との間で押し問答になり、プレーボール前に退場処分となった。
独自検証:ポーター氏は前日の試合でも判定が大きく乱れ、ジャイアンツの監督とエースを退場させたばかりだった。同一審判・同一球団で24時間のうちに3人が退場するという異例の事態を、判定精度のデータから検証する。
24時間で3人退場 まずは時系列で確認
ポーター氏が絡んだ退場は、2試合にまたがって計3件に及んだ。プレーボール前の退場は、通常の乱闘や判定への抗議とは性質が異なる。
| 日時 | 場面 | 退場者 |
|---|---|---|
| 8/28 試合中(球審) | 3回、判定を巡る抗議 | ジャイアンツ監督・エース投手 |
| 8/29 試合前(メンバー表交換) | 前日の判定を巡る口論 | ウォータス上級アドバイザー |
同一審判が同一球団の関係者を2試合連続、しかもプレーボール前に退場させるケースは珍しい。ウォータス氏は第1試合中はクラブハウス待機となったが、第2試合からはベンチに戻ることが認められた。
前夜の判定はどれほど乱れていたか
ウォータス氏の退場の伏線となったのが、前日8月28日の球審としての内容だ。
| 指標 | 8/28の試合 |
|---|---|
| ミスコール数 | 21球(うち前半5回で18球) |
| チャレンジ差し戻し数 | 9度=今季2位タイ |
| 両チーム合計チャレンジ数 | 14回(成功10回) |
9度の差し戻しは今シーズンの1試合としては2番目に多い数字で、この日は「その日で最も荒れた球審の試合」とも評された。前半5回だけで18球ものミスコールが出ており、序盤から判定への不信が積み重なっていたことが分かる。
通算ペースの何倍か ダイヤモンドスタッツ調べ
ポーター氏は2010年からMLBの審判を務め、直近では2025年ワールドシリーズ第5戦(ブルージェイズ対ドジャース)の球審も担当し、159球中155球的中=的中率97%という高精度を記録した実績がある。その同じ審判が、なぜこの週末は乱調に陥ったのか。通算成績と照らして確認する。
17年のキャリアで通算52度の退場を経験しており、1シーズンあたりに換算すると平均3.06度になる(ダイヤモンドスタッツ調べ)。対して2026年は、8月29日時点で判明しているだけで8度の退場に関わっている。
| 期間 | 退場数 | 1シーズン換算 |
|---|---|---|
| 通算17シーズン | 52度 | 3.06度 |
| 2026年(8/29時点) | 8度 | 平均の約2.6倍のペース |
さらにUmpScorecardsのデータでは、2026年シーズン通算のABSチャレンジ被的中率は50.8%(120回中61回)。ワールドシリーズでの97%という実績と並べると、今季のポーター氏がシーズンを通じて苦しんでいることがうかがえる。
よくある質問
Q. ウォータス氏はどんな役職なのか
1998年から2021年までジャイアンツのコーチを務め、3度のワールドシリーズ制覇に貢献した人物。現在はチームの上級アドバイザーを務めている。
Q. 試合前の退場は珍しいのか
1球も投じられていないメンバー表交換の段階での退場は、通常の抗議や乱闘による退場とは異なる場面で起きており、今回のケースはその点が話題になった。
Q. ポーター氏はこの後も球審を続けるのか
今回の件でリーグから追加の処分が出たかどうかは、本記事作成時点では公表されていない。
Q. ジャイアンツとダイヤモンドバックスの対戦はまだ続くのか
同カードはダブルヘッダーとして組まれており、ウォータス氏も第2試合からベンチに復帰している。
まとめ
試合前のメンバー表交換という異例の場面での退場は、前日の乱れた判定への不信が引き金になった。ミスコール21球、チャレンジ差し戻し9度という前日のデータと、通算平均の2.6倍という2026年の退場ペースを重ねると、今回の一件は偶発的なトラブルというより、シーズンを通じた判定精度の乱れの延長線上にある出来事として読み取れる。DiamondStatsでは今後もABSチャレンジの成否や審判ごとの判定データを継続して追跡していく。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年8月時点)





