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ドジャース ランドン・ナックDFAの可能性 xwOBA.340と40人枠を検証

2026 10/06
データ検証・分析
2026年9月4日2026年10月6日

ドジャース・ナックにDFAの可能性 xwOBA.340と満杯の40人枠をデータ検証9月3日(日本時間)、ロサンゼルス・ドジャースの右腕ランドン・ナック(29歳)が、9月の枠拡大にともなう有望株の昇格に押し出され、40人枠から外れる可能性があるとの見方が浮上した。今季のメジャーでは3登板で防御率5.87、3Aでは27回で防御率2.67と対照的な数字が並ぶ。

結論を先に書く。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)がMLB公式StatsとStatcastの数字を独自に集計したところ、ナックの弱点は運ではなく「打球の質」にある。今季の被xwOBAは.340でリーグ平均.315を上回り、通算の被本塁打率は9イニングあたり2.12本。3Aの好成績も27回という短い区間の話で、昨季3Aで投げた102.2回は防御率6.66だった。ブルペンで比べても、ナックより打球の質が悪い投手は2人しかいない。

独自検証で分かったこと:ナックはメジャーで「不運に見える不振」ではなく、3年連続で長打を許し続けている。40人枠が満杯の今、押し出される順番が早いのはデータの上でも自然だ。

目次

今季3登板の中身 7.2回で4本塁打

ナックは春先の3月22日(米国時間、以下同じ)に負傷者リスト入りし、60日枠へ移った。6月24日から3Aで実戦復帰し、7月11日にメジャー復帰。その後は7月21日にマイナー降格、8月12日に再昇格、翌13日に再降格と、行き来を繰り返している。8月27日には3Aで7日間の負傷者リストに入った。

ドジャース・ナックの成績推移(MLB公式Statsの実測値をもとにDiamondStatsが作成)

メジャーでの今季3登板をMLB公式Statsで並べる。

日付 相手 回 被安打 自責 被本塁打 奪三振
7月11日 ダイヤモンドバックス 3.0 4 3 2 2
7月20日 フィリーズ 2.0 2 2 2 2
8月12日 ロイヤルズ 2.2 2 0 0 2

合計7.2回で被本塁打4本。8月12日の登板だけは無失点だったが、翌日に降格した。ロースターで「使い道」を作れなかった典型的な起用のされ方だ。

xwOBAで見る3年間 運ではなく打球の質

被xwOBA(打球の速度と角度から求めた、打者に許した期待得点価値)で3年を並べる。リーグ平均はDiamondStatsが投手全員の打席数で重み付けして算出した。

年 打席 防御率 被wOBA 被xwOBA リーグ平均 xERA
2024 286 3.65 .304 .313 .316 3.99
2025 185 4.89 .350 .362 .316 5.66
2026 35 5.87 .407 .340 .315 4.95

2024年はリーグ平均並みの打球しか許していなかった。ところが2025年は.362へ悪化し、今季も.340でリーグ平均より.025悪い。今季は被wOBA.407に対して被xwOBAが.340なので、数字の上では不運も混ざっている。ただし35打席という小さな区間であり、不運を差し引いても平均より下という結論は変わらない。

被本塁打率(9イニングあたりの被本塁打)はさらにはっきりしている。

年 投球回 被本塁打 被本塁打率
2024 69.0 14 1.83
2025 42.1 10 2.13
2026 7.2 4 4.70
通算 119.0 28 2.12

通算119回で28本。3年連続で「1試合に2本以上打たれるペース」が続き、今季は区間が短いとはいえ4.70まで跳ね上がった。ドジャースの投手陣全体が今季1233.2回で被本塁打158本(9回あたり1.15本)であることを考えると、ナックの2.12は倍近い。

3Aの27回と昨季の102.2回 どちらが実力か

「マイナーでは好成績」という見方の根拠は、今季3Aの数字だ。

年 登板 投球回 防御率 奪三振 四球 被本塁打 被OPS
2025年 3A 21 102.2 6.66 94 55 15 .804
2026年 3A 7 27.0 2.67 26 8 1 .673

今季の27回は四球8、被本塁打1と確かに良い。ただし昨季は同じ3Aで102.2回を投げて防御率6.66、四球55だった。区間が4倍長い昨季の数字を無視して、今季の27回だけで「マイナーでは通用する」とは言い切れない。しかも今季の3Aは6月24日からのリハビリ登板が含まれ、8月18日の6回1失点が最長で、直後の8月25日は3.2回で四球3、8月27日に負傷者リスト入りした。

ブルペン10人の被xwOBA ナックは下から3番目

現在ドジャースの現役枠にいる救援投手と、ナックの今季被xwOBAを並べた(9月2日終了時点)。

投手 打席 被xwOBA 防御率
ブロック・スチュワート 78 .230 2.70
エドガルド・エンリケス 220 .243 2.77
タナー・スコット 217 .274 2.57
アレックス・ベシア 206 .281 3.14
ジャック・ドレイヤー 222 .281 2.93
カイル・ハート 187 .302 4.39
ランドン・ナック 35 .340 5.87
エバン・フィリップス 75 .341 4.08
ブレイク・トライネン 100 .348 3.52
セス・ハルボーセン 112 .383 4.70

ナックより打球の質が悪いのはフィリップス、トライネン、ハルボーセンの3人だが、フィリップスとトライネンはポストシーズンの実績を持つベテランで、ハルボーセンは今季途中に加わった投手だ。実績も打球の質も中位以下となると、押し出される順番が早いのは数字の上でも自然に見える。

満杯の40人枠 空ける先は27本塁打の外野手

ドジャースの40人枠は現在40人で埋まっている(60日負傷者リストの7人は枠外)。9月1日に現役枠が28人へ広がったが、40人枠に空きがなければ枠外の選手は昇格できない。

昇格が取り沙汰されるジェームズ・ティブス3世は、2025年7月31日にダスティン・メイとの交換で獲得した外野手。今季3Aで127試合に出て打率.294、出塁率.417、長打率.540、27本塁打、97打点をマークしている。ドジャースは9月2日終了時点で82勝57敗、ナ・リーグ西地区首位に立つ。ポストシーズンを見据えた打線の底上げなら、3Aで出塁率4割を超える打者を試す価値は大きい。

ロースター構成をめぐる同様の話題は、キム・ヘソンがドジャースのポストシーズン構想から外れた検証記事でも扱った。また、ドジャースの投手陣がどこで崩れたかは6連敗の正体をデータ分解した記事で読める。

まとめ

ナックの「不振」は、今季7.2回という短い区間だけの話ではない。被xwOBAは2年連続でリーグ平均を下回り、通算の被本塁打率2.12は球団の投手陣全体の倍近い。3Aの好成績は27回の区間に限られ、昨季102.2回の防御率6.66を覆すほどの材料にはなっていない。40人枠が満杯で、3Aに27本塁打の外野手が控えている以上、ロースターを空ける議論でナックの名前が挙がるのは避けにくい。

DiamondStats編集部の独自視点!

編集部が注目しているのは、ナックの2024年の被xwOBA.313だ。あの年は69回で69奪三振、四球はわずか18。打球の質もリーグ平均並みで、先発5番手として十分に機能していた。それが1年で.362まで崩れたのは、長打を許す率が上がったからで、球種や配球の変化が数字に出ている可能性がある。もし他球団がウェーバーで獲得するなら、狙いは今季の27回ではなく、2024年の姿に戻せるかどうかだろう。ドジャースの側から見れば、スクーバル加入で先発の層が厚くなった今、スクーバル合流の記事で触れたように「6番手以降の先発候補」の価値は下がっている。ナックの去就は、その余波を最初に受ける形になる。

よくある質問

Q. ランドン・ナックの今季成績は?

ドジャース・ナック 直近3登板の奪三振と自責点(2026年・MLB公式Statsの実測値)

メジャーでは3登板7.2回、防御率5.87、被本塁打4本(9月2日現在)。3Aでは7登板27回、防御率2.67。

Q. xwOBAとは何ですか?

打球の速度と角度から求める期待値で、投手なら「許した打球の質」を表す。運の要素を除いて実力に近い数字が分かる。ナックの今季被xwOBAは.340で、リーグ平均.315より悪い。

Q. DFAとは?

「譲渡指名」の略。40人枠から外して、7日以内にトレード、ウェーバー、マイナー降格のいずれかを決める手続き。

Q. ドジャースの40人枠は空いていますか?

空いていない。60日負傷者リストの7人を除いて40人が埋まっており、枠外の選手を昇格させるには誰かを外す必要がある。

Q. ジェームズ・ティブス3世はどんな選手?

2025年7月にダスティン・メイとの交換でドジャースに加わった外野手。今季3Aで127試合、打率.294、27本塁打、97打点、出塁率.417を記録している。

データはMLB公式StatsとStatcastをDiamondStatsが独自に集計。成績は9月2日(米国時間)終了時点。

⚾ 試合を観るには: MLB配信サービスの比較・視聴方法はこちら

文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年9月時点)


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