10月22日、ドジャースの今オフの補強候補として、パドレスの左腕リリーフアドリアン・モレホン(27歳)の名前が米メディアで挙がりました。今季は76登板・9勝3敗28ホールド3セーブ・防御率2.83。ワールドシリーズ3連覇を逃したドジャースにとって、地区のライバルのブルペンから主力を引き抜く形になる補強案です。
報道では「ゴロを多く打たせ、本塁打をほとんど許さない」と評価されています。獲得には相応の費用がかかるとも伝えられています。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)は、この評価が数字で裏付けられるのかをMLB公式Statsで確かめました。
モレホンの2026年成績は救援投手の中で何位か
今季60投球回以上を投げた救援投手は76人(先発3試合以下)。この76人の中でモレホンの順位を項目ごとに出しました(2026年レギュラーシーズン終了時点・DiamondStats独自集計)。

| 項目 | モレホンの数字 | 76人中の順位 | 1位の数字 |
|---|---|---|---|
| 投球回 | 86.0回 | 4位 | 96.0回 |
| 奪三振 | 107 | 4位 | 129 |
| ゴロアウト÷フライアウト | 1.67 | 4位 | 2.04 |
| 救援での勝利 | 9勝 | 3位 | 13勝 |
| ホールド | 28 | 6位 | 33 |
| 9回あたり被本塁打 | 0.42 | 10位 | 0.13 |
| 防御率 | 2.83 | 26位 | 1.27 |
| WHIP | 1.08 | 22位 | 0.81 |

防御率は26位で、トップクラスとは言えません。しかし投球回・奪三振・ゴロの多さの3項目で4位に入っています。報道の「ゴロを打たせ、本塁打を許さない」という評価は、数字とも合っています。
多くのイニングを投げながら三振も取れて、打球が上がらない。この3つがそろう救援投手は、76人の中でもほとんどいません。
ゴロも三振も取れる救援投手は少ない
奪三振とゴロ率(ゴロアウト÷フライアウト)の両方で上位10人に入った救援投手を並べました。
| 投手 | 球団 | 奪三振 | ゴロ÷フライ | 9回あたり被本塁打 |
|---|---|---|---|---|
| アドリアン・モレホン | パドレス | 107 | 1.67 | 0.42 |
| アーロン・アッシュビー | ブルワーズ | 116 | 1.64 | 0.81 |
| ルイス・バーランド | ブルージェイズ | 97 | 1.69 | 0.23 |
76人のうち両方の上位10人に入ったのは、この3人だけです。三振の多い投手はフライが多くなりやすく、ゴロの多い投手は三振が少なくなりがちです。モレホンは両方で上位にいます。
本拠地ドジャー・スタジアムで投げることを考えると、フライを上げさせない投手であることは大きな意味を持ちます。
2024年からの3年間で着実に良くなっている
モレホンは2019年にデビューしてから、2023年までは登板数が1桁から20台の年が続きました。救援の柱になったのは2024年からです。
| 年 | 登板 | 投球回 | 防御率 | 奪三振 | 9回あたり奪三振 | 9回あたり被本塁打 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 60 | 63.2 | 2.83 | 71 | 10.04 | 0.57 |
| 2025 | 75 | 73.2 | 2.08 | 70 | 8.55 | 0.24 |
| 2026 | 76 | 86.0 | 2.83 | 107 | 11.20 | 0.42 |
3年続けて60登板以上で、投球回は毎年増えています。3年間の合計は223.0回で自責点64、防御率は2.58です。2025〜2026年の2年間に絞ると159.2回で2.48になります(DiamondStats独自集計)。
今季は奪三振が前年の70から107へ、37個増えました。9回あたりでも8.55から11.20に上がっています。今季は対戦した352人の打者のうち約30.4%から三振を奪いました。
ドジャースとパドレスのブルペンを比べる
両球団の今季の救援陣の成績を並べると、補強案が「ライバルの弱体化」とも言われる意味が見えてきます。
| 救援陣(2026年) | 防御率 | 30球団中 | 9回あたり被本塁打 | ゴロ÷フライ |
|---|---|---|---|---|
| パドレス | 3.53 | 5位 | 0.92 | 1.03 |
| ドジャース | 3.74 | 9位 | 0.96 | 0.88 |
パドレスの救援陣は683.2回を投げて防御率3.53。ドジャースより投球回が127.2回多く、防御率も良い数字でした。モレホンはその中で2番目に多い86.0回を投げています。
ドジャースの救援左腕と比べると、モレホンの「量」が目立ちます。
| 投手 | 登板 | 投球回 | 防御率 | 奪三振 | ゴロ÷フライ |
|---|---|---|---|---|---|
| アドリアン・モレホン(パドレス) | 76 | 86.0 | 2.83 | 107 | 1.67 |
| アレックス・ベシア | 72 | 58.0 | 2.64 | 74 | 0.46 |
| タナー・スコット | 69 | 63.2 | 2.69 | 82 | 0.81 |
| ジャック・ドライヤー | 67 | 64.2 | 3.20 | 73 | 1.05 |
詳しくはタナー・スコット 年俸14位9.2億円|防御率4.74から2.57へ復権を検証でまとめています。
ドジャースの救援左腕3人は、防御率ではモレホンと同じくらいか少し良い数字です。しかし投球回はどの投手も約20回以上少なく、ゴロの割合はモレホンが大きく上回っています。イニングを食える左腕が、ドジャースのブルペンにいなかった型です。
ドジャースの投手運用と守備の数字については、こちらの記事も参考になります。
メジャーリーグのフレーミング価値 ABS導入で2
DiamondStats編集部の独自視点!
モレホンの防御率2.83は、数字だけ見ると「よくいる好リリーバー」です。けれど86回を投げて被本塁打は4本だけ。登板の多さと打球の質の両方で信頼できる左腕は、市場にそう出てきません。
注目したいのは2026年の三振の増え方です。ゴロを打たせる投手のまま、三振でも打者を抑えられるようになりました。27歳という年齢を考えると、これが一時的なものか、新しい形なのかが来季の見どころです。
同じ地区のライバルから主力を引き抜けば、自軍を強くするだけでなく相手の戦力も削れます。ただ、報道の段階であり、実際に動くかは未定です。
まとめ
- 10月22日、パドレスの左腕アドリアン・モレホンがドジャースの補強候補として米メディアで報じられた
- 今季は76登板・86.0回・防御率2.83・107奪三振。60投球回以上の救援投手76人の中で、投球回・奪三振・ゴロ率はいずれも4位
- 奪三振とゴロ率の両方で上位10人に入った救援投手は3人だけで、モレホンはその1人
- 2024〜2026年の3年間の防御率は2.58(DiamondStats独自集計)
- ドジャースの救援左腕3人より投球回が約20回以上多く、ゴロの割合も高い
データはMLB公式Statsを独自に集計しています。
よくある質問
Q. アドリアン・モレホンの2026年の成績は?
76登板で9勝3敗28ホールド3セーブ、防御率2.83でした。86.0回を投げて107個の三振を奪い、被本塁打は4本です(MLB公式Stats・レギュラーシーズン終了時点)。
Q. モレホンは先発投手ですか、救援投手ですか?
2024年から2026年までの3年間は、すべて救援での登板です。先発の登板はありません。
Q. モレホンの強みは何ですか?
打球を上げさせないことです。ゴロアウト÷フライアウトは1.67で、60投球回以上の救援投手76人の中で4位でした。9回あたりの被本塁打0.42も10位です。
Q. ドジャースとパドレスの救援陣はどちらが良かった?
2026年の救援陣の防御率は、パドレスが3.53(30球団中5位)、ドジャースが3.74(9位)でした。
Q. モレホンのドジャース移籍は決まったのですか?
決まっていません。10月22日の時点では、米メディアが補強候補として名前を挙げた段階です。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年10月時点)







