ABSチャレンジ(自動ボール・ストライク判定への異議申し立て)を導入した2026年のレギュラーシーズンが終わり、10月に全試合の集計がそろいました。メジャーリーグ全体では1万557回のチャレンジのうち5,686回で判定が覆り、成功率は53.9%でした。捕手のJ.T.リアルミュート(フィリーズ)は86回中70回を当て、81.4%を記録しています。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)はMLB公式Statsの数字を、役割別・球団別・取り逃した判定の3つに分けて独自に集計しました(数字はすべて10月22日現在)。
役割別の成功率 捕手と打者の差は9.7ポイント
チャレンジができるのは打者・投手・捕手の3者です。役割ごとに分けると、成功率ははっきり違いました。
| 役割 | チャレンジ数 | 判定が覆った数 | 成功率 |
|---|---|---|---|
| 捕手 | 5,613 | 3,287 | 58.6% |
| 打者 | 4,765 | 2,328 | 48.9% |
| 投手 | 179 | 71 | 39.7% |
| 全体 | 10,557 | 5,686 | 53.9% |

捕手は打者より9.7ポイント高い数字です。捕手は毎球ミットで投球の位置を受け止めており、際どい球を判断する材料が打者より多いといえます。
投手のチャレンジは179回で、全体のわずか1.7%でした。マウンドから本塁まで約18.4メートルあるため、投手は自分で申し立てず、捕手に任せている球団が多いことが数字からも分かります。
捕手の成功率ランキング 1位はリアルミュートの81.4%
チャレンジ20回以上の捕手で比べると、上位と下位の差は40ポイント以上ありました。
| 順位 | 捕手(球団) | 回数 | 成功 | 成功率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | J.T.リアルミュート(フィリーズ) | 86 | 70 | 81.4% |
| 2 | サンディ・レオン(ブレーブス) | 21 | 16 | 76.2% |
| 3 | ミッチ・ガーバー(マリナーズ) | 34 | 25 | 73.5% |
| 4 | アンドリュー・キズナー(ジャイアンツ) | 36 | 26 | 72.2% |
| 5 | ダニー・ジャンセン(レンジャーズ) | 32 | 23 | 71.9% |
| 6 | サルバドール・ペレス(ロイヤルズ) | 65 | 46 | 70.8% |
| 7 | カイル・ヒガシオカ(レンジャーズ) | 43 | 30 | 69.8% |
| 8 | カーソン・ケリー(カブス) | 93 | 64 | 68.8% |
| 9 | タイラー・スティーブンソン(レッズ) | 136 | 93 | 68.4% |
| 10 | ハンター・グッドマン(ロッキーズ) | 113 | 77 | 68.1% |

リアルミュートは2位のレオンと5.2ポイント差です。しかもレオンの4倍の86回を申し立てたうえでの数字で、回数と精度の両方で抜けていました。
最も多く申し立てた捕手はウィリアム・コントレラス(ブルワーズ)の185回で、成功率は56.8%でした。下位はエンディ・ロドリゲス(パイレーツ)の40.9%(22回中9回)、フランシスコ・アルバレス(メッツ)の46.7%(90回中42回)などです。
球団別ランキング 1位レッズと30位パイレーツの差は14.6ポイント
| 順位 | 球団 | 回数 | 成功 | 成功率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | レッズ | 370 | 228 | 61.6% |
| 2 | アスレチックス | 373 | 225 | 60.3% |
| 3 | ダイヤモンドバックス | 308 | 184 | 59.7% |
| 4 | カブス | 338 | 199 | 58.9% |
| 5 | レンジャーズ | 293 | 170 | 58.0% |
| 26 | オリオールズ | 326 | 162 | 49.7% |
| 27 | カージナルス | 285 | 141 | 49.5% |
| 28 | ホワイトソックス | 441 | 218 | 49.4% |
| 29 | ガーディアンズ | 339 | 165 | 48.7% |
| 30 | パイレーツ | 355 | 167 | 47.0% |
レッズは守りの申し立て(捕手・投手)が200回中136回成功で68.0%でした。スティーブンソンの精度がそのまま球団1位につながっています。シーズン途中の経過はレッズがABSチャレンジ成功率62%で30球団1位で紹介しました。
最下位のパイレーツは攻撃側が43.6%、守り側が50.0%で、どちらも全体平均を下回りました。回数が最も多かったのはツインズの450回、最も少なかったのはカージナルスの285回です。
取り返せた誤審は4本に1本だけ DiamondStats独自集計
MLB公式Statsには「申し立てていれば覆った可能性のある判定」の数も記録されています。実際に申し立てて覆した割合と比べました。
| 立場 | 覆る可能性があった判定 | 実際に覆した数 | 取り返した割合 |
|---|---|---|---|
| 攻撃側(打者) | 11,852 | 2,328 | 19.6% |
| 守り側(捕手・投手) | 10,395 | 3,358 | 32.3% |
| 合計 | 22,247 | 5,686 | 25.6% |
打者は覆せた判定の5本に1本しか取り返していません。1チーム1試合あたりの申し立ては平均2.18回でした。試合終了時に2回分を残していた試合は1,344試合(27.7%)、1回分を残していた試合は2,274試合(46.9%)です。4分の3近くの試合で権利が余っていたことになります。
ABSが打席の中身をどう変えたかはメジャーリーグの四球率が8.9%に上昇、捕球技術への影響はフレーミング価値 ABS導入ででまとめています。
DiamondStats編集部の独自視点!
1年目の数字が示したのは「捕手に任せれば勝てる」という単純な答えでした。打者の成功率が5割を切った一方で、上位の捕手は7割を超えています。
2年目に差がつくのは、余らせている権利の使い方です。終盤に1回残す球団が増えれば、捕手の精度がそのまま勝敗を分けるでしょう。来季はリアルミュートの81.4%を超える捕手が出るのか、パイレーツが最下位から抜け出せるのかに注目します。
まとめ
- 2026年のABSチャレンジは1万557回で、成功率は53.9%
- 捕手58.6%・打者48.9%・投手39.7%で、捕手が最も正確
- 個人1位はリアルミュートの81.4%、球団1位はレッズの61.6%
- 覆せた判定のうち、実際に取り返したのは25.6%だけ
データはMLB公式Statsを独自に集計しました。ポストシーズンの使われ方はドジャースがABSチャレンジ6回中2回成功で取り上げています。
よくある質問
Q. ABSチャレンジの成功率は2026年に何%でしたか?
メジャーリーグ全体で1万557回中5,686回の判定が覆り、成功率は53.9%でした(10月22日現在)。
Q. ABSチャレンジの成功率が最も高かった捕手は誰ですか?
フィリーズのJ.T.リアルミュートです。86回中70回を当て、成功率は81.4%でした(20回以上の捕手で1位)。
Q. 成功率が最も高かった球団はどこですか?
レッズの61.6%(370回中228回)が30球団で1位、最下位はパイレーツの47.0%でした。
Q. 打者と捕手ではどちらが成功率が高いですか?
捕手が58.6%、打者が48.9%で、捕手が9.7ポイント上回りました。投手は39.7%でした。
Q. 1試合で何回チャレンジできますか?
各チームは1試合2回の権利を持ち、判定が覆れば権利は減りません。1チーム1試合あたりの平均は2.18回でした。
⚾ 試合を観るには: MLB配信サービスの比較・視聴方法はこちら







