2026年のメジャーリーグは、ボールとストライクをロボット審判がサポートするABSチャレンジ制を全面導入しました。シーズン序盤の集計では、フレーミングの得点価値が前年から約2割減り、変わったのは得点ではなく四球の増加でした。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)は、報じられた数字を並べ直して、何が減って何が増えたのかを検証します。
結論:フレーミングは約2割減、四球は昨季より増えた
シーズン序盤の集計で、フレーミング価値の上位30人は100イニングあたり0.565点でした。前年は0.704点なので、差は0.139点、約19.7%の減少です。
| 指標 | 前年 | 2026年序盤 | 変化 |
|---|---|---|---|
| フレーミング価値(上位30人・100イニングあたり) | 0.704点 | 0.565点 | -0.139点(約-19.7%) |
| 四球率 | 8.4%(昨季最終値) | 9.4% | 報道では昨季最終値より1%高い |

四球率9.4%がこのまま続くと、四半世紀以上で最も高い水準になると報じられています。数字はいずれもシーズン序盤の集計で、その後動いている可能性があります。MLB公式Statsでシーズン終了後に集計し直すと、2026年の四球率(故意四球を含む)は8.9%で、2025年の8.4%を0.5ポイント上回りました。
フレーミング価値は「上位30人」で2割減った
フレーミングは、きわどい球をストライクに見せる捕手の技術です。審判の目に頼る部分が大きかったので、ABSチャレンジで投手か捕手か打者が判定に異議を出せるようになると、捕手が得をする場面は減ります。
今回の数字は全捕手ではなく、前年に高く評価された上位30人の平均です。名手ほど、これまで稼いでいた分が減りやすい形です。
DiamondStatsの独自換算では、100イニングあたりの差を1000イニングに直すと次のようになります。
| 守備イニング | 前年の水準 | 今季序盤の水準 | 差 |
|---|---|---|---|
| 100イニング | 0.704点 | 0.565点 | 0.139点 |
| 1000イニング(単純換算) | 7.04点 | 5.65点 | 1.39点 |

1000イニング守る捕手1人あたりで1.39点です。数字は小さく見えますが、フレーミングが主な武器だった捕手には、評価の根拠が薄くなったことになります。
四球率9.4%という数字の意味
増えたのは四球です。四球率は9.4%で、昨季の最終値より1%高いと報じられています。上げ幅の単位は報道の表記どおりです。
ABSでは、ゾーンの端の球が機械で判定されます。投手は、これまでのように審判がストライクと取ってくれる球に頼りにくくなり、ボールが増える形です。
MLB公式は事前に、全面ABSを使ったマイナーリーグの試合で四球が多く、試合が長くなったと説明していました。今回の四球増加は、その見立てと同じ向きです。
ABSチャレンジの成功率は、球団ごとの差が大きい項目でもあります。球団別の数字は、関連記事で確かめられます。
得点が増えたとは言えない
「四球が増えたなら得点も増えた」と考えがちですが、今回の集計に得点の増加を示す数字はありません。DiamondStatsでは、リーグ全体の得点の増減を確認できていないので、書きません。
四球が増えても、走者が増えた分だけ点が入るわけではありません。安打や本塁打が増えていない限り、得点は大きく動きにくいからです。
整理すると次のとおりです。
- 減ったもの:上位30人のフレーミング価値(約2割)
- 増えたもの:四球率(9.4%)
- 確認できていないもの:リーグ全体の得点の変化
捕手の価値はどこへ向かうか
フレーミングの価値が下がると、捕手の評価は次の3点に移ります。
- 盗塁阻止やブロッキングなど、フレーミング以外の守備
- 投手との配球の組み立て
- 打撃
ABSチャレンジの判断も、これからの捕手の仕事に入ってきます。きわどい球でチャレンジするかしないかを決める力は、新しい評価の軸になりそうです。
ABSチャレンジの成功数を球団別に見た記事も、あわせてご覧ください。
DiamondStats編集部の独自視点!
数字の差は約2割です。それでも、フレーミング名手の評価がこれまでの前提から離れ始めたことを示す数字として、重く受け止める価値があります。
編集部が注目するのは、上位30人の0.565点という序盤の数字が、その後の集計で戻ったのか、さらに下がったのかです。四球率はシーズン終了時点で8.9%となり、序盤の9.4%からは下がったものの、昨季の8.4%は上回りました。序盤の数字は動くので、最新の集計と照らして差が広がったか縮まったかを見てください。
よくある質問
Q. ABSでフレーミング価値はどれくらい下がりましたか?
シーズン序盤の集計で、上位30人の捕手は100イニングあたり0.704点から0.565点へ下がりました。約19.7%、ほぼ2割の減少です。
Q. 四球率はどうなりましたか?
四球率は9.4%で、昨季の最終値より1%高いと報じられています。このペースが続くと、四半世紀以上で最も高い水準になります。
Q. 得点は増えましたか?
今回確認できた集計には、リーグ全体の得点が増えたことを示す数字はありません。増えたのは四球です。
Q. この数字はシーズンを通しても変わらないですか?
序盤の集計なので、その後変わっている可能性があります。上位30人の平均という限られた集団の数字でもあります。
まとめ
- フレーミング価値は上位30人で0.704点から0.565点へ、約2割減った
- 四球率は9.4%で、昨季の最終値より高い
- 得点が増えたことを示す数字は確認できていない
- 注意点は、これが序盤の集計であり、その後に両方の数字が動いている可能性があること
データはMLB公式Statsと公式発表を独自に集計しています。
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