現地10月17日、アメリカン・リーグ優勝決定シリーズ第4戦でレイズがガーディアンズに7-3で勝ち、シリーズは2勝2敗に戻った。9番・遊撃で先発したテイラー・ウォールズは3打数1安打1得点1盗塁、守備では8度の機会を無失策でさばいた。
ウォールズの今季レギュラーシーズンのOPSは.607。ポストシーズンに進んだ12球団のレギュラー(400打席以上の88人)で最も低い数字だ。それでもレイズはポストシーズン7試合すべてで彼を遊撃に置いている。「プレーオフ球団で最も成績の悪いレギュラーは誰か」という海外の野球ファンの問いに、2026年の答えはこの選手になる。なぜ先発し続けるのかを、MLB公式Statsの数字で確かめる。
進出12球団のレギュラー88人でOPS最低
レギュラーシーズン400打席以上を「レギュラー」とし、ポストシーズン進出12球団の選手を並べた(DiamondStats調べ、10月18日現在)。

| 順位 | 選手 | 球団 | 守備 | 打席 | 打率 | OPS | 本塁打 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | テイラー・ウォールズ | レイズ | 遊撃 | 433 | .222 | .607 | 2 |
| 2 | J.T.リアルミュート | フィリーズ | 捕手 | 467 | .205 | .614 | 11 |
| 3 | ジャレン・デュラン | レッドソックス | 左翼 | 608 | .207 | .627 | 20 |
| 4 | セドリック・マリンズ | レイズ | 中堅 | 502 | .205 | .628 | 15 |
| 5 | ジェイク・クローネンワース | パドレス | 二塁 | 425 | .225 | .629 | 7 |
| 6 | ドルトン・バーショ | アストロズ | 中堅 | 526 | .221 | .636 | 12 |
| 7 | オースティン・ライリー | ブレーブス | 三塁 | 630 | .219 | .654 | 19 |
| 8 | ホセ・カバレロ | ヤンキース | 遊撃 | 456 | .231 | .655 | 14 |
下位8人のうち2人がレイズの選手だ。ウォールズは本塁打2本で、リーグ全体の400打席以上の打者205人の中でも下から4番目に当たる。ただし全体の下位3人(ナショナルズのナシム・ヌニェス.535など)は、いずれもポストシーズンに出ていない球団の選手だ。
6年間ほとんど変わらない打撃 走塁と守備で生きる
ウォールズの打撃はデビュー以来ほぼ一定で、通算604試合の打率は.200、OPSは.589にとどまる。それでも毎年出場機会を得ている理由は盗塁と遊撃守備にある。

| 年 | 試合 | 打席 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 本塁打 | 盗塁 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | 54 | 176 | .211 | .314 | .296 | .610 | 1 | 4 |
| 2022 | 142 | 466 | .172 | .268 | .285 | .553 | 8 | 10 |
| 2023 | 99 | 349 | .201 | .305 | .333 | .638 | 8 | 22 |
| 2024 | 84 | 252 | .183 | .282 | .248 | .530 | 1 | 16 |
| 2025 | 101 | 317 | .220 | .280 | .319 | .599 | 4 | 14 |
| 2026 | 124 | 433 | .222 | .309 | .298 | .607 | 2 | 21 |
今季の盗塁21は、400打席以上の遊撃手25人の中で6番目に多い。出塁率.309はキャリアで2番目に高く、四球45も自己最多だ。長打はないが、塁に出れば走れる選手として使われている。
遊撃手21人の中で守備率は6位
守備の数字を、今季遊撃で800イニング以上を守った21人と比べた。
| 項目 | ウォールズ | 21人中の順位 | 1位の選手 |
|---|---|---|---|
| 守備イニング | 1036回2/3 | – | ヘラルド・ペルドモ 1372回 |
| 失策 | 9 | – | コリー・シーガー 5 |
| 守備率 | .981 | 6位 | ペルドモ .987 |
| 9イニングあたり守備機会 | 3.97 | 5位 | メイシン・ウィン 4.38 |
| 併殺 | 49 | – | ペルドモ 94 |
守備率はトップから.006差の6位、9イニングあたりの守備機会は5位で、打球に届く範囲も平均以上だ。遊撃で1000イニング以上を守って失策1桁は、21人の中でウォールズとドジャースのムーキー・ベッツの2人だけ。対戦相手ガーディアンズの遊撃ブレイアン・ロッキオは守備率.977で10位にいる。
ポストシーズン7試合は無失策
今季のポストシーズンでウォールズは地区シリーズ3試合とリーグ優勝決定シリーズ4試合の計7試合すべてに遊撃で先発した。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 打席 | 23 |
| 安打 | 3(打率.136) |
| 四球/三振 | 0/7 |
| 盗塁 | 1 |
| 犠打 | 1 |
| 守備機会 | 27 |
| 失策 | 0 |
| 併殺 | 3 |
打撃は23打席で四球ゼロ、三振7と厳しい。それでも第4戦の1得点と盗塁、犠打のように、9番打者として求められる仕事はこなしている。守備では62イニングで27度の機会をすべてアウトにし、併殺3つを完成させた。ポストシーズン全体の個人成績はMLBポストシーズン2026 個人成績ランキングにまとめている。
過去11シーズンの「進出球団でOPS最低のレギュラー」
同じ基準で2015年以降の各年を調べた。2020年は60試合制のため除いている(DiamondStats独自集計)。
| 年 | 選手 | 球団 | 守備 | OPS | その球団のワールドシリーズ進出 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | オマー・インファンテ | ロイヤルズ | 二塁 | .552 | あり |
| 2016 | ジェイソン・ヘイワード | カブス | 右翼 | .631 | あり |
| 2017 | マット・ウィータース | ナショナルズ | 捕手 | .632 | なし |
| 2018 | ジョナサン・ルクロイ | アスレチックス | 捕手 | .616 | なし |
| 2019 | オルランド・アルシア | ブルワーズ | 遊撃 | .633 | なし |
| 2021 | ジャッキー・ブラッドリーJr. | ブルワーズ | 中堅 | .497 | なし |
| 2022 | テイラー・ウォールズ | レイズ | 遊撃 | .553 | なし |
| 2023 | ブライス・トゥラング | ブルワーズ | 二塁 | .585 | なし |
| 2024 | マイケル・ガルシア | ロイヤルズ | 三塁 | .613 | なし |
| 2025 | ジョーイ・オルティス | ブルワーズ | 遊撃 | .593 | なし |
| 2026 | テイラー・ウォールズ | レイズ | 遊撃 | .607 | リーグ優勝決定シリーズ2勝2敗 |
11年で10人が並ぶうち、2度名前が出るのはウォールズだけだ。2022年の.553から今季は.607と、同じ最下位でも54ポイント上げている。守備位置は遊撃が4人、二塁が2人、捕手が2人と、守りの負担が重い位置に集中する。最下位の選手を抱えた球団がワールドシリーズに進んだのは2015年と2016年の2回で、守備と走塁を買って打てない選手を使い続ける考え方は、この2球団にも共通していた。
レイズの勝ち方がウォールズを必要とする
レイズの今季は98勝64敗、得失点差は+86。チームの型を30球団の順位で見ると、ウォールズを使い続ける背景が見える(10月18日現在)。
| 項目 | レイズ | 30球団中 |
|---|---|---|
| チーム打率 | .258 | 1位 |
| チームOPS | .728 | 8位 |
| 本塁打 | 169 | 22位 |
| 盗塁 | 164 | 2位タイ |
| 防御率 | 3.70 | 7位 |
| 失点 | 650 | 少ない方から6位 |
本塁打に頼らず、単打と盗塁でつなぎ、投手陣と守備で失点を抑える。ウォールズの21盗塁と遊撃の守備率.981は、この型の中では打率.222を補って余りある。地区シリーズでヤンキースを3連勝で退けたレイズの、その直前のレギュラーシーズンの流れはヤンキースはレイズに2連敗 直近10試合は6勝4敗で書いている。
DiamondStats編集部の独自視点!
第5戦は現地10月18日、クリーブランドで行われる。ウォールズに注目したいのは打席より、一塁に出た後の数秒だ。ポストシーズン23打席で四球ゼロの打者が、7試合で盗塁1、犠打1、得点1を作っている。レイズのベンチは彼の打率を見ていない。塁上の21盗塁と、遊撃で1000イニング失策9個の積み重ねを見ている。
もう1つの見どころは相手遊撃との対比だ。ガーディアンズのロッキオは守備率.977で、ウォールズより失策が2つ多い。接戦が続くこのシリーズで、遊撃手の1つのミスが試合を決める場面は十分にある。打てない遊撃手を使う決断が正しかったかどうかは、残り3試合の守備機会で答えが出る。
よくある質問
Q. テイラー・ウォールズの2026年の成績は?
レギュラーシーズン124試合で打率.222、出塁率.309、長打率.298、OPS.607、本塁打2、盗塁21。遊撃で1036回2/3を守り失策9、守備率.981だった(MLB公式Stats、10月18日現在)。
Q. なぜレイズはOPS.607の選手を遊撃で使い続けるのか?
守備率.981は今季遊撃800イニング以上の21人で6位、9イニングあたりの守備機会3.97は5位。盗塁21はレギュラーの遊撃手25人で6番目に多い。本塁打に頼らず盗塁と守備で勝つレイズの型に合っている。
Q. ポストシーズンでのウォールズの成績は?
地区シリーズとリーグ優勝決定シリーズの7試合すべてに9番・遊撃で先発。23打席3安打、打率.136、盗塁1。守備は27度の機会で失策ゼロ、併殺3つ。
Q. 過去にOPS最低のレギュラーを抱えてワールドシリーズに進んだ球団は?
2015年以降の11シーズンでは、2015年のロイヤルズ(オマー・インファンテ、OPS.552)と2016年のカブス(ジェイソン・ヘイワード、OPS.631)の2球団。どちらも守備を買われた選手だった。
まとめ
ウォールズはポストシーズン進出12球団のレギュラー88人でOPS最低の.607ながら、7試合すべてに先発し無失策で守っている。打撃は6年間ほぼ変わらない代わりに、盗塁21と遊撃守備率.981がある。本塁打22位、盗塁2位タイ、失点の少なさ6位というレイズの型の中では、この遊撃手は弱点ではなく部品だ。2勝2敗で迎える第5戦以降も、彼の価値は打席ではなく塁上と遊撃の守備位置で測るのがよい。
ポストシーズンの個人成績の全体像はMLBポストシーズン2026 個人成績ランキングで、レイズのレギュラーシーズン終盤の流れはヤンキースはレイズに2連敗 直近10試合は6勝4敗で確かめられる。データはMLB公式Statsを独自に集計。
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2勝2敗で迎える第5戦以降、ウォールズの盗塁や遊撃の守備を自分の目で確かめたい方は、こちらから中継を探せます。







