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ハーリン・スサナがアリゾナ・フォールリーグ最速103.8マイル 防御率6.75を検証

2026 10/24
データ検証・分析
2026年10月18日2026年10月24日
ハーリン・スサナがアリゾナ・フォールリーグ最速103.8マイル 防御率6.75を検証

ナショナルズの右腕ハーリン・スサナが、10月15日のアリゾナ・フォールリーグ(有望株が集まる秋季リーグ)で2回1/3を4安打5失点と打ち込まれた。10月12日に公開された現地のスカウティングレポートで「101〜103マイル」と記されたばかりの豪腕が、3登板目で初めて大量失点した形だ。

DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)がMLB公式Statsの投球データを独自に集計したところ、スサナの103.8マイルは今季のフォールリーグで計測された全投球の中で最速だった。それでも防御率6.75。球速1位と結果のずれが、この投手のいまを表している。

数字は10月18日現在。

目次

フォールリーグ最速103.8マイル 2位との差は2.5マイル

今季のフォールリーグは10月17日までに38試合が終わり、うち35試合で投球計測の記録が残る。その全投球をDiamondStatsが集計した最速の投手が次の表だ。

順位 投手 所属(秋季リーグ) 最速 計測日
1 ハーリン・スサナ ソルトリバー・ラフターズ 103.8マイル 10月3日
2 ジョン・カブラル メサ・ソーラーソックス 101.3マイル 10月4日
3 ピアース・ジョージ グレンデール・デザートドッグス 100.0マイル 10月4日
4 アンディ・ロドリゲス スコッツデール・スコーピオンズ 99.6マイル 10月4日
5 キャノン・ケンプ ピオリア・ハベリナス 99.3マイル 10月17日

最速(マイル)

(DiamondStats調べ。MLB公式Statsの投球計測がある35試合の全投球。10月10日のスサナの登板を含む3試合は計測記録がない)

100マイルに届いた投手はリーグ全体で3人しかいない。スサナと2位の差は2.5マイル。2位から5位までの4人が2.0マイルの幅に収まっていることを考えると、スサナだけが別の階層にいる。

最速だけではない。4シームとシンカーを25球以上投げた投手で平均球速を並べても、スサナは100.8マイル(76球)で1位。2位のカブラルが99.4マイル、3位以下は97.1マイルまで下がる。

3登板の中身 好投の初戦から5失点の3戦目まで

登板日 相手 回 安打 失点(自責) 奪三振 四球 球数 4シーム平均 最速
10月3日 グレンデール 3回1/3 1 0(0) 4 2 55 101.7マイル 103.8マイル
10月10日 スコッツデール 2回1/3 2 3(1) 4 0 40 計測なし 計測なし
10月15日 メサ 2回1/3 4 5(5) 1 2 59 100.2マイル 102.0マイル
合計 8回 7 8(6) 9 4 154

安打

(MLB公式Statsを独自集計。10月18日現在)

初戦は4シーム30球の平均が101.7マイルで、3回1/3を1安打無失点。3戦目は平均100.2マイルと1.5マイル落ち、1イニングあたりの球数も16.5球から25.3球へ増えた。奪三振は4、4、1と減り、最後の登板ではスライダー19球でも空振りがほとんど取れていない。

スライダーは3登板を通じて平均85〜86マイル、回転数は2750〜2900回転。スカウティングレポートが「約15インチ横に滑る」と評したスイーパー系の球は、計測データでも86マイル前後の横変化として記録されている。

リーグ平均との比較 四球は平均以下で失点は平均以上

フォールリーグは各球団の有望株が「課題の矯正」を目的に投げる場所で、リーグ全体の数字は荒れる。151投手の合計で防御率5.21、四球率15.1%。その中でスサナがどこに位置するかを示す。

指標 スサナ リーグ平均(151投手) 差
防御率 6.75 5.21 悪い
奪三振率(打者あたり) 25.0% 24.0% ほぼ同じ
四球率(打者あたり) 11.1% 15.1% 良い
1イニングあたりの走者 1.38 1.59 良い

(MLB公式Statsを独自集計。10月17日終了時点)

意外なのは四球率だ。スサナの課題は制球とされてきたが、フォールリーグではリーグ平均より4ポイント低い。走者を出す頻度もリーグ平均より少ない。それでも防御率が悪いのは、3戦目の2回1/3で4安打5失点と一気に崩れたためで、合計6自責点のうち5点がこの1登板に集中している。

3登板すべてに先発した7投手で比べると、奪三振率25.0%は4位タイ、四球率11.1%は3番目に良い。1位は12奪三振のミゲル・メンデス(ジャイアンツ)で36.4%。球速で2位以下を2.5マイル引き離す投手が、三振の率では中位にとどまっている。

投手(3先発) 投球回 奪三振率 四球率 防御率
ミゲル・メンデス 7回2/3 36.4% 9.1% 3.52
キャノン・ケンプ 8回2/3 29.7% 8.1% 5.19
ブリッグス・マッケンジー 9回 26.1% 15.2% 9.00
ルーク・フォックス 5回 25.0% 12.5% 3.60
ハーリン・スサナ 8回 25.0% 11.1% 6.75

(DiamondStats調べ。10月18日現在の上位5人)

11か月の空白から11先発 1登板あたり2.6回で積み上げた2026年

スサナは2025年9月に右広背筋の手術を受け、2026年の初登板は8月11日までずれ込んだ。そこから2か月あまりで、1Aプラスから3A、そしてフォールリーグへと4つの舞台を駆け上がっている。

期間 所属 先発 投球回 奪三振 四球 防御率
8月11日〜21日 1Aプラス ウィルミントン 3 6回1/3 13 3 5.68
8月26日〜9月12日 2A ハリスバーグ 4 11回1/3 21 4 4.76
9月18日 3A ロチェスター 1 2回2/3 3 4 13.50
10月3日〜15日 フォールリーグ ソルトリバー 3 8回 9 4 6.75
2026年合計 11 28回1/3 46 15

(MLB公式Stats。10月18日現在)

11先発で28回1/3。1登板あたり2.6回、最多でも66球で、球団は明らかに球数を抑えて体を作り直している段階だ。それでも46奪三振は28回1/3に対して多く、9イニング換算では14.6個になる。

参考になるのが手術前の2025年だ。2Aハリスバーグで11先発47回1/3を投げ79奪三振、9イニング換算15.0個、防御率3.61。復帰後の奪三振の多さは手術前とほぼ同じ水準で、腕の力は戻っていると数字が示している。

長期離脱から戻った投手の球速が、どの段階でどこまで戻るかは、ジャクソン・ジョーブの復帰後の球速97.6マイルを検証した記事でも扱った。ジョーブが復帰後に97マイル台だったのに対し、スサナは復帰初年度の秋に4シーム平均100マイル超を出している。

メジャーで4シーム平均100マイル超は7人 先発では1人だけ

スサナのフォールリーグでの4シーム62球の平均は100.9マイル。これをメジャーの今季の数字と並べる。

区分 投手 4シーム平均球速
フォールリーグ ハーリン・スサナ(62球) 100.9マイル
メジャー救援 ジャスティン・マルティネス 101.6マイル
メジャー救援 メイソン・ミラー 101.4マイル
メジャー救援 ベン・ジョイス 101.0マイル
メジャー先発 ジェイコブ・ミジオロウスキー 100.6マイル

(メジャーはStatcastの2026年レギュラーシーズン。DiamondStats調べ)

2026年のメジャーで4シームの平均が100マイルを超えた投手は7人。そのうち先発でこの数字を出したのは100マイル超を1115球投げたジェイコブ・ミジオロウスキーだけで、規定投球回に達した投手では唯一の100マイル超だった。

スサナがもし先発のまま100マイル台の平均を保てば、メジャーでもミジオロウスキーと2人だけの領域になる。ただしミジオロウスキーの2647球に対し、スサナの今季は全レベル合わせて541球で、まだ1登板あたり3イニングに満たない。メジャーの平均球速が6年連続で最速を更新した話の中で、4シーム平均94.8マイルがいまの「普通」だ。スサナはそこから6マイル上にいる。

DiamondStats編集部の独自視点!

スサナの数字でいちばん注目しているのは、防御率でも最速でもなく、四球率11.1%です。手術前の2025年は2Aで四球率15.4%(32四球÷208打者)でしたから、復帰後のフォールリーグでは4ポイント以上改善しています。球数を40〜60球に抑えた短いイニングの中とはいえ、制球の数字が先に良くなり、安打で崩れる形に変わったのは、投手としては悪い変化ではありません。

残り3週間あまりのフォールリーグで見たいのは2つ。1つは4シームの平均が101マイル台に戻るかどうか。もう1つは3イニング目、4イニング目に入ったときの球速の落ち幅です。来春の球数制限が解けたとき、この2つの数字がそのまま「先発か救援か」の答えになります。

よくある質問

Q. ハーリン・スサナはどんな投手ですか?

ナショナルズ傘下の22歳の右腕で、身長198センチ、体重107キロ。2022年8月のフアン・ソトのトレードでパドレスから加入しました。9月時点のMLB公式の有望株ランキングでナショナルズ3位、全体66位です。

Q. スサナの最速球速は何マイルですか?

2026年のアリゾナ・フォールリーグでは10月3日に103.8マイル(約167キロ)を計測し、リーグ最速です。9月18日の3Aデビュー戦では102.6マイルを記録しました。

Q. アリゾナ・フォールリーグとは何ですか?

メジャー30球団が有望株を6チームに分けて送り込む秋季リーグで、2026年は10月3日から11月11日までアリゾナ州で開催されます。スサナはソルトリバー・ラフターズに所属しています。

Q. スサナはなぜ2026年の登板が少ないのですか?

2025年9月に右広背筋の手術を受け、復帰まで11か月かかったためです。2026年の初登板は8月11日で、レギュラーシーズンは3つのレベルで8先発20回1/3にとどまりました。

まとめ

ハーリン・スサナはアリゾナ・フォールリーグで最速103.8マイル、4シーム平均100.9マイルと球速では圧倒的な1位にいる。一方で防御率6.75はリーグ平均の5.21より悪く、奪三振率25.0%はリーグ平均並み。四球率11.1%はリーグ平均より良く、崩れたのは3戦目の1登板に集中している。右広背筋の手術から戻った2026年は11先発28回1/3で46奪三振。球数制限の中で腕の力は手術前の水準に戻っており、残り3週間あまりで問われるのは、100マイル台を長いイニングで保てるかどうかだ。数字は10月18日現在、MLB公式Statsを独自に集計した。

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