9月30日、レッドソックスのポストシーズンが終わりました。ワイルドカードシリーズでヤンキースに2連敗です(ヤンキースがレッドソックスをスイープした2試合の記事)。シーズンオフに入り、8月のトレードで獲得した捕手アドリー・ラッチマンと延長契約を結ぶかどうかが、米国で議論になっています。ラッチマンがFAになるのは2027年シーズン終了後で、レッドソックスで過ごせる保証があるのは残り1年です。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)がMLB公式Statsで成績を集計すると、通年のOPSは.741で前年から.068上がりました。ただ移籍前は.764、移籍後は.688です。「延長する価値があるか」を考えるうえでは、この移籍前後の差がいちばんのポイントになります。
移籍の経緯とFAまでの残り時間
ラッチマンは2019年のドラフト全体1位でオリオールズに入団し、2022年にメジャーデビューしました。オリオールズからレッドソックスへ移ったのは今季の8月3日です。移籍後に古巣オリオールズ戦で2本塁打を放った試合は、アドリー・ラッチマン 古巣オリオールズ戦2発の記事で検証しています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トレード成立 | 2026年8月3日 |
| レッドソックスが得た選手 | ラッチマン、捕手ジェイク・ロジャース、金銭 |
| オリオールズが得た選手 | 右腕カイソン・ウィザースプーン、外野手エンディ・アゾカル、捕手カルロス・ナルバエス、右腕アンソニー・アイアンソン、後日指名選手 |
| 移籍時の状態 | 左手首の炎症で故障者リスト入り(7月19日に遡って登録) |
| レッドソックスでの初出場 | 8月11日に故障者リストから復帰 |
| FAになる時期 | 2027年シーズン終了後 |
今季は脳しんとうと左手首の炎症で2度離脱しました。そのため移籍後の出場は32試合・126打席にとどまっています。
5年間の打撃成績を表で比べる
MLB公式Statsのシーズンごとの成績です(10月24日現在、レギュラーシーズン)。

| 年 | 球団 | 試合 | 打席 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 本塁打 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | オリオールズ | 113 | 470 | .254 | .362 | .445 | .807 | 13 |
| 2023 | オリオールズ | 154 | 687 | .277 | .374 | .435 | .809 | 20 |
| 2024 | オリオールズ | 148 | 638 | .250 | .318 | .391 | .709 | 19 |
| 2025 | オリオールズ | 90 | 365 | .220 | .307 | .366 | .673 | 9 |
| 2026 | 2球団計 | 99 | 410 | .242 | .315 | .426 | .741 | 13 |
2022年と2023年はOPS.800台でした。2024年は.709、2025年は.673まで下がり、今季は.741まで戻しています。長打率が.366から.426へ60ポイント上がったことが、持ち直しの中心です。
ただし今季の出塁率.315は、2023年の.374より59ポイント低いままです。新人の頃の「よく選んで出塁する捕手」には、まだ戻り切っていません。
移籍前後で三振率が大きく変わった(DiamondStats独自集計)
今季の成績を球団ごとに分け、打席あたりの割合をDiamondStatsで計算しました。
| 項目 | オリオールズ(67試合) | レッドソックス(32試合) | 差 |
|---|---|---|---|
| 打席 | 284 | 126 | – |
| OPS | .764 | .688 | -.076 |
| 打率 | .251 | .222 | -.029 |
| 本塁打 | 8 | 5 | – |
| 本塁打1本あたりの打席 | 35.5 | 25.2 | 長打は増加 |
| 三振率 | 14.1% | 22.2% | +8.1ポイント |
| 四球率 | 10.6% | 7.1% | -3.5ポイント |
本塁打のペースは移籍後のほうが上がっています。一方で三振率は14.1%から22.2%に増え、四球率は下がりました。手首の故障から戻った直後の126打席なので、これだけで力が落ちたとは言えません。それでも、延長契約の金額を考える球団にとっては見逃せない変化です。
捕手の中での位置づけ(今季300打席以上・26人)
2026年に捕手として出場し、300打席以上立った26人をOPSの順に並べました(10月24日現在)。
| 順位 | 選手 | 球団 | 打席 | OPS |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ガブリエル・モレノ | ダイヤモンドバックス | 549 | .874 |
| 2 | ハンター・グッドマン | ロッキーズ | 574 | .839 |
| 3 | ドレイク・ボールドウィン | ブレーブス | 615 | .817 |
| 4 | ライアン・ジェファーズ | ツインズ | 369 | .814 |
| 5 | シェイ・ランゲリアーズ | アスレチックス | 467 | .802 |
| 6 | リアム・ヒックス | レイズ | 554 | .801 |
| 7 | カーター・ジェンセン | ロイヤルズ | 603 | .790 |
| 8 | ヤイネル・ディアス | アストロズ | 361 | .772 |
| 9 | アレハンドロ・カーク | ブルージェイズ | 313 | .766 |
| 10 | ケイバート・ルイーズ | ナショナルズ | 354 | .759 |
| 11 | ウィリアム・コントレラス | ブルワーズ | 640 | .758 |
| 12 | ディロン・ディングラー | タイガース | 607 | .748 |
| 13 | アドリー・ラッチマン | レッドソックス | 410 | .741 |
| 14 | タイラー・スティーブンソン | レッズ | 468 | .727 |
| 15 | カーソン・ケリー | カブス | 425 | .712 |
ラッチマンは26人中13位で、ちょうど真ん中です。10位のルイーズとは.018差、1位のモレノとは.133差があります。
三振率16.6%は、同じ26人の中で少ないほうから8番目です(DiamondStats調べ)。打撃だけを見れば「平均より少し上」の捕手と言えます。
守備の数字:盗塁阻止
今季の盗塁阻止はMLB公式Statsで次のとおりです。
| 球団 | 捕手での試合 | 盗塁阻止 | 許した盗塁 | 阻止率 |
|---|---|---|---|---|
| オリオールズ | 51 | 16 | 27 | .372 |
| レッドソックス | 30 | 5 | 14 | .263 |
| 合計 | 81 | 21 | 41 | .339 |
通年の阻止率は.339です。捕手で出場したのは81試合で、残りの18試合は指名打者でした。延長契約を結ぶなら、30歳を超えてもマスクをかぶり続けられるかが条件になります。
DiamondStats編集部の独自視点!
レッドソックスは主力3人を出してラッチマンを獲得しました。それなのにワイルドカードシリーズで敗退し、ラッチマンがチームにいられる保証は残り1年しかありません。ここで延長契約を結ばないと、そのトレードは「1年半の借り物」で終わります。
一方、移籍後の126打席で三振率が22.2%まで上がったのは気になります。手首の故障から戻った直後でした。来季の開幕から5月まで、三振率が14%台に戻るかどうか。延長契約の金額は、そこで大きく変わってくるはずです。
まとめ
- レッドソックスは9月30日にヤンキースに敗れて敗退し、シーズンオフに入った
- ラッチマンがFAになるのは2027年シーズン終了後。残りは1年
- 今季のOPSは.741で、前年の.673から持ち直した
- 移籍後はOPS.688、三振率22.2%と数字が落ちた
- 300打席以上の捕手26人のうち、OPSは13位
データはMLB公式Statsを独自に集計しています。
よくある質問
Q. アドリー・ラッチマンはいつFAになりますか?
2027年シーズンが終わった後です。レッドソックスと延長契約を結ばなければ、2028年は他球団へ移る可能性があります。
Q. ラッチマンはいつレッドソックスに移籍しましたか?
2026年8月3日のトレードで、オリオールズから移籍しました。捕手ジェイク・ロジャースも一緒に移っています。
Q. ラッチマンの2026年の成績は?
2球団の合計で99試合に出場し、打率.242、13本塁打、OPS.741でした(10月24日現在)。
Q. 2026年のレッドソックスの成績は?
87勝75敗で、アメリカン・リーグ東地区の3位でした。ワイルドカードでポストシーズンに進みましたが、ヤンキースに2連敗して敗退しました。
Q. ラッチマンは捕手の中でどのくらい打っていますか?
今季300打席以上の捕手26人のうち、OPSは13位でした。三振の少なさは8位です。
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