ヤンキースは米国時間10月21日(日本時間22日)、ブライアン・キャッシュマンGMと新しい契約を結んだと発表しました。キャッシュマンGMは1998年2月に就任しており、2027年が30年目のシーズンになります。
今季のヤンキースは93勝68敗でア・リーグ東地区2位。ワイルドカードシリーズは2連勝で突破しましたが、地区シリーズでレイズに0勝3敗で敗れました。最後の世界一は2009年で、2010年から17年続けて頂点を逃しています。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)は、就任した1998年から2026年までの29シーズンを、MLB公式Statsで1年ずつ集計しました。わかったのは、勝ち越しは29年連続で途切れていない一方、2010年以降はポストシーズンの勝率が5割を下回っていることです。
キャッシュマン体制29年の成績一覧
まず、29シーズン全体の数字です(10月22日現在・DiamondStats独自集計)。

| 項目 | 1998〜2026年の29シーズン |
|---|---|
| レギュラーシーズン | 2685勝1906敗(勝率.585) |
| 勝ち越したシーズン | 29シーズン(負け越し0) |
| 地区優勝 | 15回 |
| ポストシーズン進出 | 24回 |
| リーグ優勝 | 7回 |
| ワールドシリーズ制覇 | 4回(1998・1999・2000・2009年) |
| ポストシーズン通算 | 118勝94敗(勝率.557) |
一度も負け越していません。いちばん勝率が低かった2023年も82勝80敗でした。ポストシーズンを逃したのは2008・2013・2014・2016・2023年の5回だけです。
GMとしての「安定感」は、数字を見るかぎり揺らいでいません。続投の判断の根拠は、ここにあると考えられます。
2009年までと2010年以降の比較
では、何が変わったのでしょうか。最後の世界一の2009年を境に、29年を2つに分けました。
| 期間 | シーズン数 | レギュラーシーズン勝率 | ポストシーズン進出 | ポストシーズン勝敗 | 世界一 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1998〜2009年 | 12 | .607(1177勝763敗) | 11回 | 74勝44敗(.627) | 4回 |
| 2010〜2026年 | 17 | .569(1508勝1143敗) | 13回 | 44勝50敗(.468) | 0回 |
表の勝敗は、どちらも期間中の全シーズンを足した合計です。1998〜2009年の1177勝763敗は12シーズン分の合計で、2009年1年だけの成績(103勝59敗)ではありません。年ごとの内訳は、1998年114勝48敗、1999年98勝64敗、2000年87勝74敗、2001年95勝65敗、2002年103勝58敗、2003年101勝61敗、2004年101勝61敗、2005年95勝67敗、2006年97勝65敗、2007年94勝68敗、2008年89勝73敗、2009年103勝59敗です(MLB公式Statsの年度別順位表)。
この12年分を足すと、勝ち数は114+98+87+95+103+101+101+95+97+94+89+103=1177勝、負け数は48+64+74+65+58+61+61+67+65+68+73+59=763敗で、表の合計と一致します。29シーズン全体の2685勝1906敗からこの12年分を引いた残りが、2010〜2026年の1508勝1143敗です。
レギュラーシーズンの勝率は.607から.569へ、4分弱の低下にとどまっています。一方で、ポストシーズンの勝率は.627から.468へと1割5分以上も下がりました。
ポストシーズンには17年で13回出ています。ただ、出たあとに勝てていない。これが「17年連続で世界一なし」の数字上の中身です。
シリーズ単位で見た勝ち負け
試合ではなく、シリーズで数えてみます(ワイルドカードの1試合制もシリーズとして数えています)。
| 期間 | シリーズ勝ち | シリーズ負け | リーグ優勝決定シリーズ進出 |
|---|---|---|---|
| 1998〜2009年 | 17 | 7 | 8回 |
| 2010〜2026年 | 12 | 13 | 6回 |
2009年までは、ワイルドカードで出ても地区シリーズから戦う仕組みでした。いまはその前に、もう1つシリーズがあります。勝ち上がるのに必要なシリーズが増えたことは、割り引いて見る必要があります。
詳しくはヤンキースがワイルドカード2連勝で19対2|レッドソックスをスイープし地区シリーズへでまとめています。
それでも、2010年以降に出たリーグ優勝決定シリーズ6回のうち、勝ち抜いたのは2024年の1回だけです。2017・2019・2022年の3回はいずれもアストロズに敗れました。
2010年以降の17年の進み方
17年の内訳を、どこまで勝ち進んだかで並べます。
| どこで敗退したか | 年 | 回数 |
|---|---|---|
| ワールドシリーズ | 2024 | 1 |
| リーグ優勝決定シリーズ | 2010・2012・2017・2019・2022 | 5 |
| 地区シリーズ | 2011・2018・2020・2025・2026 | 5 |
| ワイルドカード | 2015・2021 | 2 |
| 進出なし | 2013・2014・2016・2023 | 4 |
ここ3年は2024年にワールドシリーズまで進み、2025・2026年は地区シリーズ止まりでした。今季の地区シリーズは0勝3敗で、1勝もできずに終わっています。
今季の敗退の詳しい内容は、ヤンキースが地区シリーズで0勝3敗に終わった記事にまとめています。
首脳陣はそろって続投
今オフのヤンキースは、現場とフロントの両方が続投となりました。アーロン・ブーン監督の続投と、その成績についてはヤンキース・ブーン監督続投の記事で取り上げています。
GMと監督の両方が変わらないなかで、来季に変える余地があるのは選手の顔ぶれです。数字で見ると、課題は「シーズンを勝つ力」ではなく「短期決戦で勝つ力」にあります。
DiamondStats編集部の独自視点!
29年連続の勝ち越しは、GMの仕事として簡単なことではありません。ただ、ヤンキースのファンが求めているのは、ポストシーズンに出ることではなく世界一です。
2010年以降のポストシーズンは44勝50敗。シーズン中は強いのに、10月に入ると勝ちきれない状態が17年続いています。30年目となる2027年は、短期決戦で勝つための補強ができるかが問われる1年になります。
この冬にどんな補強をするかは、DiamondStatsでもデータで追いかけます。
今オフの補強で短期決戦に強いチームになれるのか。来季のヤンキースの戦いぶりを中継で見たい方は、こちらから番組を探せます。
まとめ
- ヤンキースは米国時間10月21日にキャッシュマンGMとの再契約を発表。2027年で就任30年目
- 1998〜2026年は29シーズン連続の勝ち越し。地区優勝15回、ポストシーズン進出24回、世界一4回
- 2009年までのポストシーズン勝率は.627、2010年以降は.468に下がった
- 2010年以降のリーグ優勝決定シリーズは6回出て1回しか勝ち抜けず、そのうち3回はアストロズに敗れた
データはMLB公式Statsを独自に集計しました(10月22日現在)。
よくある質問
Q. キャッシュマンGMはいつからヤンキースのGMですか?
1998年2月に就任しました。2027年のシーズンで30年目になります。
Q. キャッシュマンGMのもとでヤンキースは何回世界一になりましたか?
1998年・1999年・2000年・2009年の4回です。リーグ優勝は7回あります。
Q. ヤンキースが最後にワールドシリーズを制したのはいつですか?
2009年です。2010年から2026年まで、17年続けて世界一を逃しています。
Q. キャッシュマン体制でヤンキースが負け越したシーズンはありますか?
ありません。1998年から2026年までの29シーズンはすべて勝ち越しています。いちばん勝率が低かったのは2023年の82勝80敗です。
Q. 2026年のヤンキースはどこで敗退しましたか?
ワイルドカードシリーズでレッドソックスに2連勝したあと、地区シリーズでレイズに0勝3敗で敗れました。
文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年10月時点)







