10月下旬、巨人からドラフト1位で指名された横浜高の織田翔希投手について、ドジャースが獲得の有力候補だと米国で報じられました。MLB球団のスカウトは、契約金を300万〜500万ドル(約4億7100万〜7億8500万円)と見積もっています。
ここで注目したいのは、選手本人よりドジャースの財布の中身です。18歳のアマチュア選手には、MLBの「国際アマチュアFA契約金枠(ボーナスプール)」という上限があります。ドジャースは今季、この枠を約10億4900万円持ってスタートしました。この記事では、ドジャースが枠の中でいくらまで出せるのかを、MLB公式の数字から計算します。
※金額は1ドル=157円で換算しています(報道の見積もりと同じ換算)。
ドジャースの2026年の契約金枠は30球団で何番目か
MLBは球団ごとに国際アマの契約金枠を割り当てています。2026年の当初枠は5つの段階に分かれています(MLB公式発表)。
| 当初枠(2026年) | 円換算 | 球団 |
|---|---|---|
| 803万4900ドル | 約12億6100万円 | ダイヤモンドバックス、オリオールズ、ガーディアンズ、ロッキーズ、ロイヤルズ、パイレーツ、カージナルス |
| 735万7100ドル | 約11億5500万円 | アスレチックス、レッズ、タイガース、マーリンズ、ブルワーズ、ツインズ、マリナーズ、レイズ |
| 667万9200ドル | 約10億4900万円 | ドジャース、ブレーブス、カブス、ホワイトソックス、エンゼルス、フィリーズ、レンジャーズ、ナショナルズ |
| 594万ドル | 約9億3300万円 | レッドソックス、パドレス、ブルージェイズ |
| 544万ドル | 約8億5400万円 | アストロズ、ヤンキース、メッツ、ジャイアンツ |

ドジャースは上から3番目の段階です。報道で競合とされるヤンキース・メッツは一番下の段階で、ドジャースより約1億9500万円少ない枠から始まっています。
前年と比べると、ドジャースの枠ははっきり増えました。
| 年 | ドジャースの当初枠 | 円換算 | 30球団での段階 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 514万6200ドル | 約8億800万円 | 最下位の段階(ジャイアンツと同じ) |
| 2026年 | 667万9200ドル | 約10億4900万円 | 5段階の3番目 |
| 増えた額 | +153万3000ドル | 約2億4100万円増 | — |
枠を買い足して使える上限は約16億7800万円
枠は球団どうしでトレードできます。ただし、買い足せるのは当初枠の60%までというMLBの決まりがあります。そこから計算すると、ドジャースが2026年の枠で使える上限は次のとおりです(DiamondStats独自集計)。
| 項目 | ドル | 円換算 |
|---|---|---|
| 当初枠 | 667万9200 | 約10億4900万円 |
| 買い足せる上限(60%) | 400万7520 | 約6億2900万円 |
| 使える上限の合計 | 1068万6720 | 約16億7800万円 |
この計算方法が正しいかは、2025年の数字で確かめられます。佐々木朗希が契約した2025年1月、ドジャースの契約金の上限は823万3920ドルと報じられました。これは当時の当初枠514万6200ドルのちょうど1.6倍で、上の計算と一致します。
なお、1人1万ドル以下の契約は枠に数えません。
スカウトの見積もりは枠の何%にあたるか
スカウトの見積もり(300万〜500万ドル)を各球団の当初枠と比べました(DiamondStats調べ)。
| 球団の段階 | 当初枠 | 300万ドルなら | 500万ドルなら |
|---|---|---|---|
| ドジャース | 約10億4900万円 | 枠の44.9% | 枠の74.9% |
| ヤンキース・メッツなど | 約8億5400万円 | 枠の55.1% | 枠の91.9% |
ヤンキースやメッツが500万ドルを出すと、枠の9割以上を1人に使うことになります。ドジャースなら4分の1ほどが残り、買い足しをしなくても他の選手と契約できます。
日本のプロ野球との差も大きく、ドラフト選手の契約金は最高1億円+出来高5000万円が事実上の上限です。
| 比べるもの | 金額 | NPB上限(1億5000万円)との比 |
|---|---|---|
| NPBドラフトの契約金の上限 | 1億5000万円 | 1.0倍 |
| スカウトの見積もり(下限) | 約4億7100万円 | 3.1倍 |
| スカウトの見積もり(上限) | 約7億8500万円 | 5.2倍 |
2026年のドジャースは枠をどう使ったか
2026年の契約期間が始まった日にドジャースが契約した主な選手は、MLB公式によると次の5人です。
| 選手 | 出身 | 守備 | 契約金 | 円換算 |
|---|---|---|---|---|
| ルベル・アリアス | ドミニカ共和国 | 外野手 | 99万7500ドル | 約1億5700万円 |
| エセキエル・メルボーン | ドミニカ共和国 | 遊撃手 | 74万7500ドル | 約1億1700万円 |
| アリエル・レイノソ | ドミニカ共和国 | 内野手 | 59万7500ドル | 約9400万円 |
| ホセ・ビクトリーノ | ドミニカ共和国 | 内野手 | 54万7500ドル | 約8600万円 |
| ホセ・レケーナ | ベネズエラ | 外野手 | 37万2500ドル | 約5800万円 |

5人の合計は326万2500ドル(約5億1200万円)で、当初枠の48.8%です。一番高いアリアスでも100万ドルに届きません。織田への見積もりは、その3〜5倍にあたります。ドジャースは中南米の選手に枠を細かく分けて使う一方、1年おきくらいで大物に枠をまとめて使う球団だと分かります。
| 大物の契約 | 契約金 | その年の当初枠との比 |
|---|---|---|
| 佐々木朗希(2025年) | 650万ドル(約10億2100万円) | 126.3%(枠を買い足して契約) |
| 織田翔希(見積もり) | 300万〜500万ドル | 44.9〜74.9%(2026年の枠で計算) |
ただし、織田と契約できるのは次の契約期間になってからです。報道では、次の期間は2027年1月15日に始まり、2027年の各球団の枠はまだ発表されていません(10月27日現在)。上の割合は、あくまで2026年の枠で計算した目安です。
交渉の時期を左右する労使協定
報道では、MLBの労使協定は12月に切れ、ロックアウトになる可能性があります。そうなれば、契約金枠の決まりも新しい協定で変わるかもしれません。今の「60%まで買い足し」「段階ごとの割り当て」が2027年も続くかは、10月27日現在では分かっていません。
ドジャースの補強の動きは、アドリアン・モレホンがドジャース補強候補にでもまとめています。
DiamondStats編集部の独自視点!
佐々木朗希のときのドジャースは、枠が30球団で一番少ない段階にいながら、トレードで買い足して契約までこぎつけました。今回は最初から枠が2億4000万円以上増えています。買い足しをしなくても、見積もりの上限500万ドルには届きます。
本当に気になるのは、お金よりも日程です。新しい労使協定で枠の仕組みが変われば、ここで計算した上限も変わります。12月の交渉で国際アマの枠がどうなるかに注目しています。
まとめ
- ドジャースの2026年の国際アマ契約金枠は約10億4900万円で、5段階の3番目
- 買い足しを含めた使える上限は約16億7800万円(DiamondStats独自集計)
- スカウトの見積もり500万ドルは、ドジャースの枠の74.9%、ヤンキース・メッツの枠の91.9%
- NPBドラフトの契約金の上限と比べると最大5.2倍
今季の終わり方はドジャースが4連敗で終戦 最終戦の観客4万910人、選手の動きはロートベットがドジャースからFA選択でも紹介しています。
よくある質問
Q. 国際アマチュアFAの契約金枠(ボーナスプール)とは何ですか?
MLBが球団ごとに決めている、海外のアマチュア選手に払える契約金の上限です。2026年は544万〜803万4900ドルの5段階でした。
Q. ドジャースの2026年の契約金枠はいくらですか?
当初の枠は667万9200ドル(約10億4900万円)です。ブレーブスやカブスなど7球団と同じ段階です。
Q. 契約金枠を超えて契約できますか?
できません。超えた分を税金で払う道はありません。ほかの球団から枠を買い足すことはできますが、当初枠の60%までです。
Q. 18歳の日本人選手は、なぜメジャー契約ではなくマイナー契約になるのですか?
25歳未満、またはプロで6年未満の海外選手はアマチュア扱いになり、契約金枠の対象になるためです。
Q. 日本のドラフトの契約金の上限はいくらですか?
最高1億円に出来高5000万円が事実上の上限です。
データはMLB公式Statsを独自に集計しています。
出典: MLB公式(2026年の国際アマチュア契約期間の開始と各球団の枠、MLB用語集の国際アマチュアFA)
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