ブルワーズは現地10月24日のワールドシリーズ第2戦で、レイズに5-4で勝ちました。シリーズは2勝0敗です。先発のローガン・ヘンダーソンは3回4失点で降板しましたが、残りの6回は救援陣が4安打1四球6奪三振の無失点で抑えました。
この救援陣が今ポストシーズンに投げた速球(4シームとシンカー)は、平均98.02マイル(約157.7キロ)です。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)は、2008年以降のポストシーズンで救援投手が投げた速球を全球団分集計しました。そのなかでこの数字は2位です。
一方で、速いほど空振りが取れているわけではありません。数字をたどると、ブルワーズ救援陣の強さの中身が見えてきます。
DiamondStats独自集計で分かったこと
ブルワーズ救援陣の速球は、2008年以降のポストシーズンで2位の速さです。ただし速球を振られたときの空振り率は13.0%しかありません。空振りの多くは変化球で取っていて、スライダーは振られた53.3%が空振りでした。98マイルの速球は、それだけで空振りを取る球ではありません。変化球への反応を遅らせる「見せ球」として働いています。
ポストシーズンの救援陣の速球平均 歴代トップ10
集計の条件は次のとおりです。各試合で最初に投げた投手を先発とし、2人目以降を救援としました。そのポストシーズンで救援が速球を100球以上投げた球団を並べています(10月25日現在、2026年はワールドシリーズ第2戦まで)。
| 順位 | 年 | 球団 | 速球平均(マイル) | 速球の球数 | 試合数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2025 | パドレス | 98.37 | 126 | 3 |
| 2 | 2026 | ブルワーズ | 98.02 | 401 | 10 |
| 3 | 2026 | ドジャース | 97.41 | 268 | 8 |
| 4 | 2017 | ヤンキース | 97.17 | 392 | 13 |
| 5 | 2026 | パドレス | 97.02 | 246 | 6 |
| 6 | 2025 | ブルワーズ | 96.87 | 409 | 9 |
| 7 | 2023 | フィリーズ | 96.85 | 426 | 13 |
| 8 | 2022 | ヤンキース | 96.78 | 287 | 9 |
| 9 | 2016 | カブス | 96.62 | 606 | 17 |
| 9 | 2018 | レッドソックス | 96.62 | 628 | 14 |
| 9 | 2025 | レッドソックス | 96.62 | 106 | 3 |
※データはMLB公式Statsを独自に集計
1位の2025年パドレスとの差は0.35マイルです。ただしパドレスはワイルドカードシリーズの3試合だけで、速球は126球でした。ブルワーズは10試合で401球を投げて98マイル台を保っています。300球以上投げた球団に限れば1位です。
98マイル以上の球の割合も目立ちます。ブルワーズは速球の62.6%が98マイル以上でした。上の表のなかで最も高く、2位の2025年パドレス(53.2%)を9ポイント上回ります。
救援の速球はこの19年で約3マイル速くなった
ポストシーズンの救援陣の速球は、年ごとに速くなっています。各年の球団平均(速球100球以上の球団)を並べました。
| 年 | 球団平均(マイル) | その年の最速球団(マイル) |
|---|---|---|
| 2008 | 92.69 | 94.38 |
| 2011 | 93.52 | 94.96 |
| 2014 | 93.86 | 95.98 |
| 2017 | 94.96 | 97.17 |
| 2020 | 94.79 | 96.34 |
| 2023 | 95.45 | 96.85 |
| 2025 | 95.89 | 98.37 |
| 2026 | 95.84 | 98.02 |

※3年おきに抜き出し、2025・2026年を加えた。データはMLB公式Statsを独自に集計
2008年の球団平均は92.69マイルで、2026年は95.84マイルです。ブルワーズの98.02マイルは、2026年の球団平均より2.18マイル速いことになります。救援がそろって速くなった今のポストシーズンでも、まだはっきり抜けています。
ワールドシリーズの相手のレイズは93.26マイルで、今年のポストシーズン進出球団のなかで最も遅い数字です。両軍の差は4.76マイルあり、2008年と2026年の球団平均の差よりも大きくなります。
速球が速いほど空振りは増えるのか
ここが本題です。2015年以降のポストシーズンで救援が投げた速球を球速ごとに分け、振られたときに空振りした割合を出しました。
| 球速 | 球数 | スイング | 空振り | 空振り率 |
|---|---|---|---|---|
| 94マイル未満 | 10,677 | 4,965 | 815 | 16.4% |
| 94〜95.9マイル | 9,736 | 4,676 | 907 | 19.4% |
| 96〜97.9マイル | 8,942 | 4,467 | 942 | 21.1% |
| 98〜99.9マイル | 4,366 | 2,275 | 489 | 21.5% |
| 100マイル以上 | 1,244 | 665 | 181 | 27.2% |

※空振り率=空振り÷スイング。データはMLB公式Statsを独自に集計
球速が上がるほど空振り率も上がります。ただし96マイルから99.9マイルまではほぼ横ばいで、21.1%と21.5%の差は0.4ポイントしかありません。急に上がるのは100マイルを超えてからです。
球団単位で見ても同じです。2008年以降の154球団分について、救援の速球平均と、救援の全投球の空振り率の相関を取りました。相関係数は0.21で、関係は弱いといえます。今年のブルワーズ救援陣の空振り率は24.6%で、4.76マイル遅いレイズは23.8%でした。差はわずか0.8ポイントです。
ブルワーズの空振りは変化球で取っている
ブルワーズ救援陣の今ポストシーズンの投球を、球種ごとに分けました。
| 球種 | 球数 | スイング | 空振り | 空振り率 |
|---|---|---|---|---|
| シンカー | 329 | 160 | 19 | 11.9% |
| 4シーム | 72 | 32 | 6 | 18.8% |
| スライダー | 93 | 45 | 24 | 53.3% |
| ナックルカーブ | 34 | 12 | 5 | 41.7% |
| チェンジアップ | 63 | 29 | 11 | 37.9% |
| カーブ | 52 | 17 | 6 | 35.3% |
| スイーパー | 69 | 39 | 12 | 30.8% |
※10月25日現在(現地10月24日のワールドシリーズ第2戦まで)。データはMLB公式Statsを独自に集計
速球の空振り率は合わせて13.0%(192スイングで25空振り)です。98マイル台の速球全体の平均(21.5%)を大きく下回ります。速球の8割以上はシンカーで、空振りよりもバットに当てさせてゴロにする球だからです。
変化球とチェンジアップでは161スイングで62空振り、空振り率は38.5%でした。98マイル台のシンカーが頭にあると、打者は変化球を待てずにバットを出してしまいます。速球そのものよりも、速球が変化球を生かしているわけです。
救援7人の顔ぶれと今ポストシーズンの成績
| 投手 | 主な速球 | 平均(マイル) | 投球回 | 自責点 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|
| アーロン・アシュビー | シンカー | 98.4 | 15.2 | 0 | 17 |
| エイブナー・ウリーベ | シンカー | 99.1 | 9.0 | 2 | 9 |
| トレバー・メギル | 4シーム | 98.8 | 6.2 | 1 | 7 |
| DL・ホール | シンカー | 97.1 | 6.1 | 0 | 4 |
| ジョジョ・ロメロ | シンカー | 94.4 | 6.1 | 1 | 10 |
| ダスティン・メイ | シンカー | 97.6 | 5.0 | 3 | 2 |
| アントニオ・センザテーラ | シンカー | 98.1 | 1.2 | 0 | 1 |
※10月25日現在。投球回・自責点・奪三振は救援で登板した試合だけを数えた。データはMLB公式Statsを独自に集計
救援陣全体では50回2/3を投げて自責点7、防御率1.24です。先発陣(各試合で最初に投げた投手)は38回1/3で防御率3.29なので、試合の後半ほど失点しにくくなっています。
第2戦で3セーブ目を挙げたアシュビーは、今ポストシーズン15回2/3を投げてまだ自責点がありません。シンカーで追い込み、チェンジアップ(振られた39球のうち10球が空振り)とカーブで仕留める形です。
チームで最も遅いロメロ(94.4マイル)が、6回1/3で10奪三振と三振の割合では一番です。スイーパーで46球中7球の空振りを取っています。これも「速さだけではない」ことの裏付けです。
レイズ打線との対戦は、レイズ対ブルワーズのワールドシリーズの勝率予測でも取り上げています。
レイズ打線との対戦は、数字だけでなく実際の中継でも確かめられます。ブルワーズ救援陣の投球を自分の目で観たくなったら、こちらから中継を探せます。
DiamondStats編集部の独自視点!
98マイルの速球が並ぶブルペンは、見た目には「力で押す」チームです。ところが空振りの中身を数えると、勝負を決めているのはスライダーとチェンジアップでした。
第3戦からはレイズの本拠地に移ります。打者が速球にタイミングを合わせ始めたとき、変化球の空振り率38.5%がどこまで保てるかが次の見どころです。数字が下がり始めたら、それはレイズ打線が速球を捨てて変化球を待ち始めた合図かもしれません。
レギュラーシーズンの強さについては、ブルワーズが103勝でワールドシリーズへで数字を並べています。
まとめ
- ブルワーズ救援陣の速球は今ポストシーズン平均98.02マイルで、2008年以降で2位(300球以上の球団では1位)
- 98マイル以上の球が62.6%を占める
- 救援の速球は2008年の球団平均92.69マイルから、2026年は95.84マイルまで上がった
- 球速と空振り率の関係は弱く、96〜99.9マイルでは空振り率がほとんど変わらない
- ブルワーズの速球の空振り率は13.0%で、変化球とチェンジアップでは38.5%
- 救援陣の防御率は1.24。ワールドシリーズ第2戦も6回無失点
古巣と戦う投手の話は、フレディ・ペラルタが古巣の歓迎に感動でまとめています。救援陣の使い方を別の球団と比べたいときは、ガーディアンズ救援陣が1試合平均4.9回登板も読んでみてください。
よくある質問
Q. ブルワーズ救援陣の速球の平均球速は?
2026年のポストシーズンは平均98.02マイル(約157.7キロ)です(10月25日現在)。4シームとシンカーを合わせた数字です。
Q. ポストシーズンで救援陣の速球が最も速かった球団は?
2008年以降で救援が速球を100球以上投げた球団では、2025年のパドレス(98.37マイル)が1位です。2026年のブルワーズは2位です。
Q. 球速が速いと空振りは増える?
増えますが、関係は強くありません。2015年以降のポストシーズンで、96〜97.9マイルの速球の空振り率は21.1%、98〜99.9マイルは21.5%でほぼ同じでした。差がはっきり出るのは100マイルを超えてからです。
Q. ブルワーズのクローザーは誰?
今ポストシーズンはトレバー・メギルが5セーブ、アーロン・アシュビーが3セーブを挙げています(10月25日現在)。エイブナー・ウリーベも試合の終盤を任されています。
Q. 2026年ワールドシリーズの対戦成績は?
ブルワーズがレイズに2勝0敗です(現地10月24日の第2戦終了時点)。第3戦はレイズの本拠地で行われます。
⚾ 試合を観るには: MLB配信サービスの比較・視聴方法はこちら







