ア・リーグ優勝決定シリーズのガーディアンズ対レイズ第4戦は、現地10月16日(日本時間17日)にクリーブランドで予定されていたが、雨のため順延された。MLB公式の日程では第4戦が現地17日(日本時間18日午前9時8分)、第5戦が現地18日(日本時間19日午前6時8分)に繰り下がり、第6戦・第7戦は当初どおり現地19日・20日のまま。つまり第5戦のあとに予定されていた休養日が消え、第7戦までもつれれば移動を挟んで4日連続の試合になる。
ガーディアンズが2勝1敗でリードしている状況(10月18日現在)で、この「休養日なし」は何を意味するのか。DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)は両軍の救援陣の登板データと、過去のリーグ優勝決定シリーズの雨天順延を調べた。結論を先に言うと、休養日なしで苦しいのは救援を1試合平均4.9回も使ってきたガーディアンズの側だ。
日程変更の中身 現地と日本時間の対応
| 試合 | 当初の日程(現地) | 変更後(現地) | 日本時間 | 球場 |
|---|---|---|---|---|
| 第4戦 | 10月16日 | 10月17日 午後8時8分 | 18日 午前9時8分 | クリーブランド |
| 第5戦 | 10月17日 | 10月18日 午後5時8分 | 19日 午前6時8分 | クリーブランド |
| 休養日 | 10月18日 | なし | なし | 移動 |
| 第6戦 | 10月19日 | 10月19日 午後8時8分(変更なし) | 20日 午前9時8分 | セントピーターズバーグ |
| 第7戦 | 10月20日 | 10月20日 午後8時8分(変更なし) | 21日 午前9時8分 | セントピーターズバーグ |

第5戦だけ開始が午後5時8分と3時間早い。試合後にそのままフロリダへ移動し、翌日の夜には第6戦が始まる。第6戦・第7戦の日付が動かなかったのは、ワールドシリーズ第1戦が現地10月23日にミルウォーキーで固定されているため。ナショナル・リーグ側はブルワーズがすでに進出を決めており、その経緯はドジャースが初の0勝4敗でリーグ優勝決定シリーズ敗退でまとめている。
救援陣の消耗 ガーディアンズはレイズの約2倍の投球回
ここからがデータ軸だ。今季のポストシーズンで両軍の投手がどれだけ投げてきたか、MLB公式Statsの各試合のボックススコアからDiamondStatsが集計した(地区シリーズから優勝決定シリーズ第3戦まで。10月18日現在)。
| 球団 | 試合数 | 先発の投球回 | 救援の投球回 | 救援の球数 | 救援の登板のべ人数 | 1試合あたり救援の投球回 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ガーディアンズ | 8 | 32.0 | 39.0 | 583 | 37 | 4.9 |
| レイズ | 6 | 32.1 | 20.2 | 303 | 19 | 3.4 |
ガーディアンズは地区シリーズを第5戦まで戦い、しかも第3戦と第4戦は先発が3回も持たずに降板した。結果として救援陣の投球回は39回とレイズの約2倍、球数も583球と280球多い。レイズは地区シリーズを3連勝で抜けて4日間の休みを得たうえ、救援の出番が少なかった。
個人別に見ると差はさらにはっきりする。
| 投手 | 球団 | 今季ポストシーズン登板 | チームの試合数に占める割合 | 今季レギュラーシーズン |
|---|---|---|---|---|
| ケイド・スミス | ガーディアンズ | 7試合 9回 118球 | 88% | 69試合 41セーブ 防御率1.95 |
| ハンター・ガディス | ガーディアンズ | 7試合 6回 95球 | 88% | 68試合 32ホールド 防御率2.98 |
| エリク・サブロウスキ | ガーディアンズ | 6試合 5.2回 77球 | 75% | 60試合 28ホールド 防御率2.61 |
| イアン・シーモア | レイズ | 4試合 6.1回 88球 | 67% | 47試合(先発16) 防御率4.21 |
| ブライアン・ベイカー | レイズ | 4試合 4回 48球 | 67% | 65試合 41セーブ 防御率1.44 |
| ケビン・ケリー | レイズ | 3試合 1.1回 27球 | 50% | 71試合 33ホールド 防御率2.44 |
ガーディアンズの守護神ケイド・スミスとセットアッパーのハンター・ガディスは、ポストシーズン8試合のうち7試合に投げている。登板しなかったのは優勝決定シリーズ第2戦(1-3で敗れた試合)だけだ。
ガーディアンズの救援陣がここまで酷使されてきた様子を読むと、次の試合を実際に中継で見届けたくなる。スカパー!ならスポーツ中継を探せる。
連投の限界 レギュラーシーズンの登板記録から読む
休養日がなくなると、救援投手は「何日続けて投げられるか」が問われる。MLB公式Statsの今季レギュラーシーズンの試合記録から、各投手の連続した日の登板をDiamondStatsが数えた。
| 投手 | 2日連続の登板 | 3日連続の登板 | 今季の最長連投 |
|---|---|---|---|
| ケイド・スミス | 11回 | 2回 | 3日 |
| ハンター・ガディス | 15回 | 2回 | 3日 |
| エリク・サブロウスキ | 12回 | 0回 | 2日 |
| ティム・ヘリン | 14回 | 2回 | 3日 |
| ブライアン・ベイカー | 16回 | 1回 | 3日 |
| ケビン・ケリー | 16回 | 1回 | 3日 |
| タイラー・ウェルズ | 8回 | 0回 | 2日 |
| キャム・ブーザー | 9回 | 0回 | 2日 |
どの投手も3日連続より長い登板は今季ゼロ。第4戦から第7戦まで4日連続で試合があれば、どちらの球団も主力救援を毎試合は使えない計算になる。とくにサブロウスキは今季3連投が一度もなく、ガーディアンズは第5戦から第6戦の移動日なしの2連戦でもう1枚の左腕ティム・ヘリンを使う場面が増えそうだ。
一方のレイズは、救援の球数が303球と余裕があるうえ、ベイカーとケリーは2日連続の登板が今季16回と連投への耐性がある。順延による負担は、数字で見る限りレイズの側が小さい。
先発については、第4戦の予告投手がレイズがニック・マルティネス、ガーディアンズが救援のショーン・アームストロング(MLB公式の試合情報、10月18日現在)。第5戦以降の先発は公式に発表されていない。なお第6戦・第7戦の日付は動いていないため、両軍とも優勝決定シリーズ第1〜3戦の先発がそのまま中5日・中4日で回る日程になる。
過去のリーグ優勝決定シリーズの雨天順延と連戦日数
MLB公式の日程データで確認できる1995年以降、リーグ優勝決定シリーズの雨天順延は今回を含めて9回。うちナショナル・リーグは2006年の2回だけで、残り7回はすべてア・リーグだ。
| 年 | 順延した試合 | 順延後の連続試合日 | シリーズの結果 |
|---|---|---|---|
| 2004年 | アメリカン・リーグ第3戦(ヤンキース対レッドソックス) | 5日(第3〜7戦) | レッドソックスが0勝3敗から4勝3敗 |
| 2006年 | ナショナル・リーグ第1戦と第5戦(カージナルス対メッツ) | 3日(第5〜7戦) | カージナルスが4勝3敗 |
| 2009年 | アメリカン・リーグ第6戦(エンゼルス対ヤンキース) | 1日 | ヤンキースが4勝2敗 |
| 2011年 | アメリカン・リーグ第2戦(タイガース対レンジャーズ) | 4日(第2〜5戦) | レンジャーズが4勝2敗 |
| 2012年 | アメリカン・リーグ第4戦(ヤンキース対タイガース) | 1日 | タイガースが4勝0敗 |
| 2014年 | アメリカン・リーグ第3戦(オリオールズ対ロイヤルズ) | 2日(第3〜4戦) | ロイヤルズが4勝0敗 |
| 2019年 | アメリカン・リーグ第4戦(アストロズ対ヤンキース) | 3日(第4〜6戦) | アストロズが4勝2敗 |
| 2026年 | アメリカン・リーグ第4戦(レイズ対ガーディアンズ) | 最大4日(第4〜7戦) | 進行中 |
2004年のヤンキース対レッドソックスは、順延のあと移動を挟んで5日連続で第3戦から第7戦を戦い、レッドソックスが史上初の0勝3敗からの逆転を果たした。今回の「最大4日連続」はこれに次ぐ長さで、2011年のタイガース対レンジャーズと並ぶ。順延後に3日以上の連戦になった4例(2004年・2006年・2011年・2019年)はいずれも第6戦以降までもつれている。
ガーディアンズは地区シリーズでも0勝2敗から敵地2連勝で第5戦へ持ち込んで勝ち上がった球団で、短期決戦の粘り強さには実績がある。ただ、その代償が今の救援陣の球数だ。レイズ側の今季の勝ち方は期待勝率を8勝上回る不思議な勝ち方で詳しく扱っている。
DiamondStats編集部の独自視点!
順延で注目されがちなのは先発ローテーションだが、第6戦と第7戦の日付が1日も動いていない以上、先発の顔ぶれは変わらない。変わったのは「第5戦と第6戦のあいだに救援を休ませる1日」が消えたことだけで、その1日の価値は球団によってまるで違う。救援の球数が583球のガーディアンズと303球のレイズでは、同じ日程でも背負う重さが2倍近く違う。
クリーブランドの2試合でガーディアンズが決めてしまえば、この差は表に出ない。逆にレイズが1勝でも返してフロリダに戻せば、ケイド・スミスとハンター・ガディスを「あと何回使えるか」の計算がシリーズを左右する。編集部が第5戦で見るのは、点差が開いた場面でガーディアンズが主力救援を温存できるかどうか。そこで無理をした瞬間に、2004年とは逆の流れが生まれる。
まとめ
- ア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦は現地10月16日が雨で順延。第4戦が現地17日、第5戦が18日に繰り下がり、第5戦後の休養日が消えた
- 第6戦・第7戦は現地19日・20日のままで、第7戦までもつれると移動を挟んで4日連続の試合になる
- 今季ポストシーズンの救援の投球回はガーディアンズ39回・583球、レイズ20.2回・303球(10月18日現在、DiamondStats調べ)
- ケイド・スミスとハンター・ガディスは8試合中7試合に登板。両軍とも今季3日連続より長い登板は一人もいない
- 1995年以降のリーグ優勝決定シリーズの雨天順延は9回で、順延後の連戦が最長なのは2004年の5日。今回は最大4日で2011年と並ぶ
ポストシーズンの日程がなぜ7回戦なのかはメジャーリーグが154試合制と地区シリーズ7回戦を検討で解説している。
よくある質問
Q. ガーディアンズ対レイズの第4戦はいつになりましたか?
現地10月17日午後8時8分、日本時間では10月18日午前9時8分の開始です。球場は変わらずクリーブランドです。
Q. 第5戦以降の日程はどう変わりましたか?
第5戦が現地18日午後5時8分(日本時間19日午前6時8分)に繰り下がり、第6戦は現地19日、第7戦は現地20日のまま変わりません。第5戦後の休養日はなくなりました。
Q. 休養日なしで不利なのはどちらの球団ですか?
MLB公式Statsの集計では、救援陣の投球回がガーディアンズ39回に対してレイズ20.2回で、負担が大きいのはガーディアンズです。主力救援の連投は両軍とも今季3日が最長です。
Q. リーグ優勝決定シリーズで雨天順延は珍しいのですか?
MLB公式の日程で確認できる1995年以降では今回を含めて9回で、2019年のアストロズ対ヤンキース以来7年ぶりです。
Q. ワールドシリーズの開幕はいつですか?
現地10月23日(日本時間24日)にミルウォーキーで第1戦が行われます。相手はブルワーズです。
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