※追記:この記事は日本時間10月19日時点の内容です。レイズは現地10月19日の第6戦(トロピカーナ・フィールド)でガーディアンズに7-3で勝ち、シリーズ4勝2敗でワールドシリーズ進出を決めました(MLB公式Stats)。
日本時間10月19日(現地18日)、アメリカン・リーグ優勝決定シリーズ第5戦がクリーブランドのプログレッシブ・フィールドで行われ、タンパベイ・レイズがガーディアンズに3-1で勝ちました。レイズは1回から3回まで1点ずつ奪い、先発ドリュー・ラスマッセンが7回1失点。シリーズ成績を3勝2敗とし、ワールドシリーズ進出に王手をかけました。ナショナル・リーグはブリュワーズがすでに進出を決めています。
DiamondStats(ダイヤモンドスタッツ)は、この勝ち方が偶然ではないことを2つの数字で確かめました。1つは「序盤にリードした試合のレイズの勝率」。もう1つは「3勝2敗になったリーグ優勝決定シリーズで、リードした側が何回突破したか」です。結論から書くと、レイズが今季3回終了時にリードした試合は59勝9敗。3勝2敗からの突破率は1985年以降で69.4%で、第6戦を本拠地で迎える側に限ると78.6%でした。
第5戦の得点経過|3回までに3点 あとは守り切り
得点はすべてレイズの序盤。1回はジョニー・デルーカの押し出し四球、2回はジョナサン・アランダの左前適時打、3回はリアム・ヒックスの中前適時打で1点ずつ加えました。ガーディアンズは6回にチェイス・デローターのゴロの間にスティーブン・クワンが生還した1点だけ。MLB公式Statsの試合記録です。

| 回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安打 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| レイズ | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 12 |
| ガーディアンズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 |
レイズは12安打で9残塁。ヤンディ・ディアスが5打数3安打、アランダとヒックス、チャンドラー・シンプソンが2安打ずつでした。点差以上に打線が押し込み続けた試合で、ガーディアンズは先発パーカー・メシックが2回で降板し6投手の継投でしのいだものの、打線が5安打に抑えられました。
ラスマッセン ポストシーズン3登板で防御率1.29
勝ち投手のラスマッセンは7回4安打1失点、6奪三振1四球、95球。今季のポストシーズンは3試合に先発して、すべてで6回以上を投げています。
| 日付(現地) | 相手 | 投球回 | 安打 | 失点 | 奪三振 | 四球 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10月3日 | ヤンキース | 8回 | 1 | 0 | 10 | 2 |
| 10月12日 | ガーディアンズ | 6回 | 8 | 2 | 7 | 0 |
| 10月18日 | ガーディアンズ | 7回 | 4 | 1 | 6 | 1 |
| 合計 | 21回 | 13 | 3 | 23 | 3 |
21回を投げて自責点3。防御率は1.29、奪三振23に対して四球3です(DiamondStats調べ、MLB公式Statsを独自に集計)。レギュラーシーズンは30先発で16勝5敗、防御率2.67、WHIP0.91でしたから、ポストシーズンでさらに失点を減らしていることになります。通算でもポストシーズンは6試合25回2/3で防御率2.10で、短期決戦で崩れた経験がほとんどありません。
地区シリーズ第1戦のヤンキース戦はこちらで詳しく扱っています。ヤンキースはレイズに2連敗 直近10試合は6勝4敗
序盤リードのレイズは59勝9敗|「守り切る」は今季の型
「序盤のリードを守り切った」という今日の勝ち方は、レイズにとって珍しいものではありません。今季のレギュラーシーズン162試合を、3回終了時と5回終了時の点差で分けて集計しました(DiamondStats調べ、MLB公式Statsの試合記録から。10月18日現在)。
| 状況 | 勝ち | 負け | 勝率 |
|---|---|---|---|
| 3回終了時にリード | 59 | 9 | .868 |
| 3回終了時に同点 | 26 | 21 | .553 |
| 3回終了時にビハインド | 13 | 34 | .277 |
| 5回終了時にリード | 74 | 7 | .914 |
| 5回終了時に同点 | 13 | 10 | .565 |
| 5回終了時にビハインド | 11 | 47 | .190 |
5回終了時にリードしていた81試合で負けたのは7試合だけ。今季のポストシーズンも同じで、5回終了時にリードしていた4試合(地区シリーズ第1戦・第2戦、今シリーズ第2戦・第5戦)はすべて勝っています。唯一の例外は3回終了時に2-0でリードしながら落とした今シリーズ第1戦で、ガーディアンズが7点を奪い返した試合でした。
レイズは今季98勝64敗、得失点差+86。得失点差から計算される期待勝率を大きく上回って勝ち続けたチームでもあります。その仕組みはレイズ 期待勝率を8勝上回る不思議な勝ち方を徹底検証で扱いました。接戦をものにする投手起用が、ポストシーズンでもそのまま出ています。
3勝2敗からの突破率は69.4%|1985年以降49回を独自集計
リーグ優勝決定シリーズが7回戦制になった1985年以降、どちらかが3勝2敗の場面を迎えたシリーズは49回ありました。そこからリードした側が突破したのは34回。割合にして69.4%です(DiamondStats独自集計、MLB公式Statsの試合記録から。1994年はシリーズ未開催)。
| 条件 | シリーズ数 | リード側が突破 | 突破率 |
|---|---|---|---|
| 3勝2敗になった全シリーズ | 49 | 34 | 69.4% |
| リード側が第6戦を本拠地で開催 | 28 | 22 | 78.6% |
| リード側が第6戦を敵地で開催 | 21 | 12 | 57.1% |
| 第7戦までもつれた | 22 | 7 | 31.8% |
注目は第6戦の開催地です。リード側が本拠地で第6戦を迎えた28回のうち22回は突破しています。レイズの第6戦は本拠地トロピカーナ・フィールド。日本時間10月20日午前9時8分の開始予定です。一方で、第7戦までもつれると流れは逆転し、22回中15回は追いついた側が勝っています。レイズにとっては第6戦で決めるかどうかが分かれ目になります。
なお2020年のシリーズは中立地での開催だったため、公式記録で主催側とされたチームを本拠地として数えています。
直近は逆転が目立つ
直近のシリーズを並べると、3勝2敗のリードを守れなかった例が続いています。
| 年 | シリーズ | 3勝2敗でリード | 結果 | 試合数 |
|---|---|---|---|---|
| 2021 | ナ・リーグ | ブレーブス | ブレーブスが突破 | 6 |
| 2023 | ア・リーグ | アストロズ | レンジャーズが逆転 | 7 |
| 2023 | ナ・リーグ | フィリーズ | ダイヤモンドバックスが逆転 | 7 |
| 2024 | ナ・リーグ | ドジャース | ドジャースが突破 | 6 |
| 2025 | ア・リーグ | マリナーズ | ブルージェイズが逆転 | 7 |
直近4シリーズのうち3つで、追う側が第7戦まで持ち込んで逆転しました。2023年のアストロズとフィリーズは第6戦を本拠地で迎えながら連敗しています。「本拠地で78.6%」という数字も、第6戦を落とせば一気に崩れることを示しています。
レイズの球団史|3勝目の先で2度とも第7戦に
レイズがリーグ優勝決定シリーズを戦うのは2008年、2020年に続いて3回目です。過去2回はどちらも先に3勝しながら、決めるまでに第7戦を要しました。
| 年 | 相手 | 先に3勝した時点 | その後 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2008 | レッドソックス | 3勝1敗 | 2連敗で3勝3敗 | 第7戦に3-1で勝ち突破 |
| 2020 | アストロズ | 3勝0敗 | 3連敗で3勝3敗 | 第7戦に4-2で勝ち突破 |
| 2026 | ガーディアンズ | 3勝2敗 | 第6戦は本拠地 | 第6戦に7-3で勝ち突破 |
2008年は3勝1敗から、2020年は3勝0敗から、いずれも3勝3敗まで追いつかれています。球団史の数字を見る限り、王手をかけてからのレイズは簡単に決めてきたチームではありません。それでも2度とも最後は勝ち切っており、第7戦での勝率は10割です。
相手のガーディアンズは今季85勝77敗でア・リーグ中地区を制しました。地区シリーズでは勝利確率18.8%から逆転した試合もあり、追い込まれてからの粘りは今シリーズでも警戒が要ります。詳しくはガーディアンズが勝利確率18.8%から逆転をご覧ください。
DiamondStats編集部の独自視点!
今日の試合で印象に残ったのは、3点を取ったあとに追加点がなかったのに、球場の空気が最後まで動かなかったことです。12安打で9残塁は普通なら「取りこぼし」と書かれる数字ですが、レイズはその間ずっとガーディアンズ打線に長打を許していません。今季、5回終了時にリードした試合を74勝7敗で終えたチームの守り方がそのまま出ていました。
ラスマッセンは3登板すべてで6回以上を投げました。これは救援陣を疲れさせないという意味で、第6戦・第7戦に効いてきます。第6戦の先発が誰であれ、ブルペンの頭数が揃った状態で本拠地に戻れることが、今日の勝ちの一番大きな価値だと編集部は考えています。
次に注目したいのは、第6戦で先に点を取るのがどちらかです。レイズが今季3回終了時にビハインドだった試合は13勝34敗。序盤を取られると弱いチームでもあります。2008年も2020年も第7戦まで行った球団史を思えば、第6戦の立ち上がり3イニングがシリーズの行方を決めるはずです。
よくある質問
Q. レイズのワールドシリーズ進出は決まりましたか
決まりました。10月18日(現地)の第5戦に勝って3勝2敗とし、10月19日(現地)の第6戦に本拠地トロピカーナ・フィールドで7-3で勝って、4勝2敗で突破しました。
Q. 3勝2敗からリーグ優勝決定シリーズを突破する確率はどれくらいですか
1985年以降の49シリーズでリード側が突破したのは34回、69.4%です。第6戦を本拠地で迎えた場合は28回中22回で78.6%、敵地の場合は21回中12回で57.1%でした(DiamondStats独自集計)。
Q. レイズがワールドシリーズに出たのはいつですか
2008年と2020年の2回です。どちらもリーグ優勝決定シリーズを第7戦で制して進出しましたが、ワールドシリーズでは2008年がフィリーズ、2020年がドジャースに敗れています。
Q. 第5戦の勝ち投手は誰ですか
ドリュー・ラスマッセンです。7回4安打1失点6奪三振。今季のポストシーズン3先発で21回を投げ、自責点3、防御率1.29です。セーブはブライアン・ベイカーが挙げました。
Q. ワールドシリーズの相手はどこですか
ナショナル・リーグを制したブリュワーズです。ブリュワーズはドジャースを4連勝で下して進出を決めていました。
まとめ
- レイズはアメリカン・リーグ優勝決定シリーズ第5戦に3-1で勝ち、3勝2敗で王手をかけた(現地10月18日)
- 得点は1〜3回に1点ずつ。ラスマッセンが7回1失点で、今季ポストシーズン3先発の防御率は1.29
- レイズは今季、3回終了時リードの試合が59勝9敗、5回終了時リードが74勝7敗。序盤に取って守り切るのが型
- 1985年以降、3勝2敗からの突破率は69.4%。第6戦を本拠地で迎える側は78.6%
- 球団史では2008年・2020年とも王手から3勝3敗に追いつかれて第7戦で突破している
ポストシーズンの個人成績の順位はMLBポストシーズン2026 個人成績ランキングで毎日更新しています。ナショナル・リーグ側の終戦の記録はドジャースが4連敗で終戦 最終戦の観客4万910人をあわせてお読みください。データはMLB公式Statsを独自に集計しています。
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文:DiamondStats 分析チーム(MLBデータ分析担当)|データ出典:MLB公式Stats(2026年10月時点)







